ブラックニッカ新商品 クロスオーバー が5月発売 今秋更なる限定品も
先日、ブレンダーズスピリット再販を発表したばかりのニッカウイスキーから、新たなブラックニッカ「クロスオーバー」と、さらなる限定リリースの計画が明らかとなりました。
※クロスオーバーの感想、テイスティングレビューはこちら
発売:2017年5月23日
※数量限定商品 (11000ケース、132000本限定。)
※数量限定商品 (11000ケース、132000本限定。)
同銘柄から何かしらリリースが出るかも、という話は噂レベルで聞いていましたが、ブレンダーズスピリット再販があったので、てっきりそのことだろうと思っていました。
それが某酒販店が先行予約の受付ページを開設したことで情報が拡散。報道向け情報でもリリースに関する説明がされ、いよいよ確定路線。
そこまでブラックニッカ一本槍でなくても。。。という気持ちはさておき、ブレンダーズスピリットの出来が良かったので、このリリースも気になるところ。中身の詳細や流通本数など、いつものルートで酒販店向け情報を確認させてもらいました。
ブラックニッカ クロスオーバーは余市蒸留所のヘビーピート原酒に、シェリー樽熟成の原酒をキーモルトとしたブレンデッドウイスキー。後述するもう一つの限定品が宮城峡ベースのようなので、クロスオーバーは余市ベースということなのかもしれません。
以下に引用するメーカーコメントを見ても、ピートフレーバーを強調したリリースであることがわかります。
バニラを思わせる甘い香り、モルトの豊かなコクがゆっくりと広がります。複雑で力強いピートの余韻が続きます。
<香り>
バニラを思わせる甘く、軽快なウッディさ。モルティさとピート香が全体を引き締める。
<味わい>
ドライでスモーキーなピートの味わいと熟した果実を連想させる華やかで芳醇な味わい。
モルトの豊かなコクがゆっくりと広がる。
<余韻>
複雑で力強いピートの余韻が続く。
熟した果実のような華やかで芳醇な味わいが感じられたあと、ヘビーピートならではのドライでスモーキーな味わいが感じられることを、「ふたつあるものが交差すること」を意味する"CROSSOVER"という言葉で象徴的に表現しました。
余市ベースのモルティーでスモーキーなウイスキーについては歓迎ですが、気になるのはハードでドライという表現。価格帯から推察するに、長期熟成で樽由来のタンニンが染み込むようなドライさではなく、キレの良い淡麗な意味で使われるドライさと考えるのが妥当か。若い原酒もそれなりに使われているのだと思います。
ちなみに、数量限定販売の本数については酒販向け情報では「数量限定」以上のことは確認できませんでした。このグレードで1000本、2000本の生産とは思えませんので、これまでのブラックニッカ同様結構な量が販売されるのではないでしょうか。
なお、関係者から確認したという情報では、この秋、10月から11月頃に宮城峡原酒をベースとした、フルーティーなブラックニッカのリミテッドリリースも予定されているとのこと。
報道ベースでも今年はブラックニッカから2種類の限定品がリリースされると発表されていますから、1本目はクロスオーバー、2本目が宮城峡ベースのブラックニッカということでしょう。(安易な予想ですが、ボトルの色は赤地のフロストなのではw)
ニッカウイスキーは多くの消費者が手に取りやすい価格帯にブラックニッカブランドを打ち込み、売り上げを大きく伸ばしてきました。
今後は同社のウリである余市蒸留所と宮城峡蒸留所、それぞれのキャラクターを際立てた商品で、個性を楽しんで貰ってファン増やしていく計画か。
こうしてみると、先般噂になったニッカウイスキー関連商品の終売は、これらの生産を優先していくため、ラインの割り当てを変えたことから一部問屋に商品が回りづらくなったということなのかもしれません。
限定品発売に加えて販促キャンペーンも行われるようで、今年のニッカは「ぶらーっく!(某墓場風)」な1年になりそうです。
コメント
コメント一覧 (14)
ウイスキーマガジンでの、ニッカチーフブレンダー佐久間正さんのインタビューでも
ブラックニッカ ブレンダーズスピリット以外に年内2回の限定品発売となっていましたから
春秋での発売は間違いないでしょうね、
両方とも非常に楽しみです。
あの出来からすると
中々のバーゲンプライスだったので
今回もめっちゃ楽しみです。
若く刺激的でも、
芯のあるのを期待してます(笑)
下手にエイジ物を出して高騰してしまうよりは、この機会にウイスキー(もっと言えばニッカ)ファンの
裾野を広げてしまおうという考えかな?と邪推してしまいますね(笑)
何にせよ、(私の中で)常飲に定評のあるニッカですので、クロスオーバーにも期待が高まります
ネットで公開されている情報を集めただけのまとめ記事は書きたくなかったので、詳細を書くことができてよかったです。
これもウイスキー仲間から頂いた情報のおかげです。
ブレンダーズスピリットが良かっただけにクロスオーバーも楽しみですね。
秋の新作については、また新しい情報が入りましたら記事にさせていただきます!
いやーまさにですね。
前作が良かったので、ちょっと期待値が上がってしまっています(笑)
コメントを見るとモルティーなニュアンスも強調されているので、ブレンド比率が高いのかなと。
1000円台のウイスキーでは味わえない、骨格のしっかりしたブレンデッドを期待しています。
自分もそうだろうなと感じています。
ただ、そうであってもたまにはエイジモノなり、ハイエンドの指標になるようなブランドを展開しないと、企業としては先細りになってしまうのではないかとも危惧しています。(今や、ニッカウイスキーではなく、ブラックニッカ屋さんですから。)
他方、ニッカの常飲価格帯は出来がいいというのは昔から言われていたことですし、今回のリリースも非常に楽しみです。
返信ありがとうございます
ブラックニッカ屋さん、確かにその通りですね
私としては、そのハイエンドを担うのがザ・ニッカ12年そして、その上のエイジが出るのでは…と昔は思っていたのですが…
竹鶴のエイジもままならない、限定品を出すたびにレギュラー商品に影響があるようでは
余程原酒に余裕が無いのだろうなと思ってしまいます
アマゾンでもクロスオーバーの予約受付開始されましたねー
青、黒と来てるので
戦隊ものっぽく赤とか出ないかなー
シェリー樽のやつとか使って(適当)
ニッカ12年の上のエイジ、同感です。ファンの一人としては、かつての鶴17年に続くようなウイスキーを出してほしかったという気持ちが強いです。
竹鶴の17年、21年はかなり本数を絞って作っているようですね。つまり昔潤沢にラインナップがあった時代は、どれだけ売れてなかったのだろうということでもあり・・・。
去年は鶴のノンエイジが蒸留所限定としてリリースされていましたが、ブレンデッドウイスキーやシングルモルトでの限定品を今年もどこかで出してほしいなと期待しています。
コメントありがとうございます。
アマゾンで2000円で予約開始されて、やっと通常価格が出てきたなとほっとしました(笑)
ボトルは今年の秋にリリースされる宮城峡ベースのブラックニッカが、まさにシェリー樽原酒で赤っぽいボトルで出るんじゃないかなと予想しています。
ちょっと安易ではありますが。。。しかしおっしゃるように戦隊モノみたいですねw
ツチノコと申します。
商売下手なニッカが、矢継ぎ早に
限定商品をリリースする辺り
ア◯ヒのマネージメント戦略の
現れかと複雑な心境ですが
売れなければ商売が成立しない訳で
底辺の底上げとしてブラックニッカを
選択した辺りが絶妙とも感じています。
さて、初号ブラックから
ブレンダーズスピリットを頂きまして
確かに価格以上の価値を実感しています。
クロスオーバーも楽しみな一品です。
気になったのが、僅かですが
従来限定商品より数百円安い所です。
この価格差が何を示しているのか?
くりりん様はどうお感じになりますか?
ニッカですのでいい加減な事は
しないと確信はしていますが(^^;)
主観で結構ですのでお聞かせ下さい。
PS.ブレンダーズ16.17差異の記事
ためになりました(^^)
ありがとうございます。
ブラックニッカを使った戦略、面白いですよね。
おそらく昨今のウイスキーブームで入ってきたユーザーは、ブームといってもクリアブレンドの販売量がダントツである現状に見るように、ウイスキーを飲むことはしても、テイスティングして香味を楽しむという層はまだ少なく。手を出しやすい価格帯のブラックニッカで少し高価格、そしてフレーバーを感じやすいリリースを出すことで、ファンを増やそうとしているのではないかと思います。
クロスオーバーとブレンダーズスピリットの価格の違いは、原酒の種類と希少性ではないでしょうか。
ブレンダーズスピリットには1956年蒸留の余市原酒が1樽分使われていましたし、グレーンなども長期熟成のものが少量でも含まれていましたので、そうした原酒の価格差が、13万本のうちの1本で約500円の差ではないかなと考えています。
飲み比べると、ブレンダーズスピリットのほうがバランスというか熟成感のある味わいだと思います。主観で恐縮ですが、このあたりで。。。
早速のお返事ありがとうございました。
なるほどなるほど。
希少性の高い樽を使用したか否か
なんですね(^^)
そこでくりりん様のお返事の中で
50年代の一樽とありましたが
何万本のブレンドロットに一樽ですか?
うーん。
エッセンス程度の配合量なんですね(^^;)
このエッセンス程度の古樽が
感じられるかどうか...。
少々不安になってきました(^^;)
また、よろしくお願いします(^^)
これもまたブレンドの妙というか、方向性の違いとして、2種類のウイスキーを楽しんでもらえればと思います。
50年代の60年熟成原酒が使われたのは、ニュースでも有名になったブレンダーズスピリットのほうで、これは12000ケース
約14万本に1樽という話を聞きました。
そのニュアンスは・・・仮に200リットル入ってるとして、1本あたり1ml程度ですから、全体のバランスに寄与しているのだろうと考えて頂ければと思います。
(これは嘘ではなく、ブレンドは1滴入れるだけで味が変わるというケースもあります。特に香味の濃い長期熟成原酒はなおのことです。)
そうした原酒が使われたからか、ブレンダーズスピリットは非常にバランスのとれたウイスキーだったと思っています。