ハンキーバニスター 12年 1980年代流通 特級表記 43%
HANKEY BANNISTER
Aged 12 Years
Scotch Whisky
1980's
750ml 43%
グラス:木村硝子テイスティンググラス
量:30ml以上
場所:自宅
時期:開封後4ヶ月程度
評価:★★★★★★(5-6)
香り:香ばしい穀物系のアロマ、殻付きの麦芽や干し藁の乾いた植物感に、ほのかにメレンゲクッキーを思わせる甘みが混じってくる。
味:しっかりとした骨格を感じる口当たり。ママレードジャム、カルメ焼きの香ばしさを伴う甘さ、ほのかに乾いた植物感。徐々にほろ苦い麦芽風味が、みたらしの焦がしたようなニュアンスに変わっていく。
余韻はほろ苦く、軽いスパイシーさが染み込むように長く続く。
使われた原酒の酒質の良さを感じるブレンデッド。しっかりとした骨格があり、モルティーな味わいと樽由来の甘みが飲みごたえにつながっている。
それゆえ加水にも負けず、穀物や干し藁系の香味に代わりに甘みが引き立ち、飲スウィートな麦芽風味もある。ハイボールにしても同様で、余韻にかけてしっかりと味が残る。
グレンファークラスがキーモルト、と聞くだけで少し気持ちが前のめりになってくるブレンデッド。ハンキーバニスターの1980年代後期流通品です。
ハンキーバニスターの中身に関する情報は、1年ほど前に書いた同時期流通のノンエイジ品の記事にほとんど載せてしまったので、実は改めてこれと書きづらい部分があります。
なので、残ったスペースでは流通時期とリリース、ラベルの特徴について少し触れて結びとしたいと思います。
ハンキーバニスターのラインナップは、NA、8年、12年、15年、21年の5種類が確認できます。
NAから12年はスクウェア型のトールボトル、12年、15年は花瓶のようなデザインのフロストボトル、21年は藍色が映える陶器ボトルが特徴的です。
この全てのラインナップが揃うのが1980年代で、1970年代となると15年、21年はリリースされておらず、NA、8年、12年がリリースの中心。
シンボルマークは1980年代が1ポンド硬貨を思わせるイラストであるのに対し、1970年代以前はエリザベス女王の紋章をモチーフにしたようなデザインが使われています。
1978年の一件で、紋章を使えなくなったための変更でしょうか。
コメント
コメント一覧 (2)
フロストボトルは「スペシャル」と銘打っていますが、
柑橘系の甘い香りが立ち味わいは上々、
「古酒って飲めるんだ」とこれで初めて知りました。
これを日本に紹介したの一人はとある宰相閣下御曹司の英文学者の方で、
良さそうだと思い安いうちにと薬瓶のようなスペシャル版を試したら、
大当たりでしたので、幾つか仕入れて貯めてあります。
今は相場も上がってしまいましたが、元々あまり飲まないのでこれで十分。
とっておきの機会と、いつかハウスウイスキーを作る機会があればモデルの一つとして、
殆どが未開封のまま何年目かの冬を越しています。
コメントありがとうございます。
飲めると分かった後は一直線ですね(笑)
当時はバブルのギフト用に結構数が出ていたようで、最近は全然聞かない銘柄というのも警戒心が生まれるポイントのように感じます。しかしキーモルトのよさでしょうか、こうして特級時代末期の1980年代にあってもレベルの高いブレンドが多く、飲んでびっくりする方も多い印象です。良い買物をされてますね!
ハウスウイスキーを作られるというのは、オリジナルブレンド・・・でしょうか。こんなブレンドが作れたら、普段飲みから、飲食であればカンバンに使えるハウスウイスキーとして注目が集まりそうです。