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SUNTORY WHISKY
HIBIKI 50.5
NON CHILLFILTERED
Aged 17 Years
700ml 50.5%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
量:30ml以上
場所:自宅
時期:開封後2週間程度
評価:★★★★★★★(7)

香り:華やかな熟成香、林檎のカラメル煮、ややアルコール感を伴うアタック。加水すると天津甘栗の香ばしい甘み、エステリーなニュアンス、ほのかにタバコ葉を思わせるウッディなアロマが開いてくる。複雑で多彩な香りだが少し野暮ったさもある。

味:とろりとコクのある口当たり、カラメルソース、アプリコットジャム、干し柿を思わせる甘み、ジンジンと舌を刺激するウッディネス。徐々に甘栗を思わせる香ばしい穀物風味。ミズナラを思わせるオーキーな熟成香が鼻腔に届く。
余韻はスパイシーで微かなピートを伴い長く続く。

ストレートはコシの強い香味が魅力的だが、ぜひ少量加水を試してほしい。より多彩な香味を引き出すことが出来る。
グラスは大振りのワイングラスを使っても面白い。

サントリーが2004年から2009年までの短期間、ノーマルの17年と並行する形で発売していたノンチル、ハイプルーフ仕様の響。2009年12月まで有効のマイレージ倶楽部シールが貼られているので、おそらく終売間際のボトルと思われます。
新年早々友人とのトレードで入手したボトルですが、トレードしたその場で「新年あけまして〜」のノリで開封しました(笑)

ウイスキー不況の時代、その打開を目指した動きをそのまま表すかのようなリリースで、販売価格は43%加水の17年(通常品)とほぼ同額。現在のラインナップからは考えられない設定でしたが、当時はそこまで話題にならず。
時期的にハイボールブームが起こり出したあたりで、角の原酒が足りない、山崎の原酒が足りないとなり、ふと気がつけば市場から消えていました。

香味の系統はノーマルの17年と同じですが、さすがに度数の高さに比例して香味が濃く、重層的という表現はまさにしっくりくる反面、野暮ったさすら感じるところもあります。(ノーマル17年の方が華やかで、洗練されている印象も。)
当時からノンチル仕様で香味を多く残していることがPRされると共に、飲み方はハーフロックや、トワイスアップなどの加水系が推奨されていますが、響の良さはそのバランスはもとより加水で開く香味にあります。
この17年50.5も少量加水することでブレンドの妙、香味の多彩さを楽しむことが出来る、まさに銘酒です。


余談ですが、自分が社会人になった2008年4月、初任給で初めて買ったウイスキーがこの響17年50.5%でした。
学生時代5000円以上のウイスキーは中々手を出せなかったので、よし買ってやるぞと。ノーマルの響17年と50.5ノンチル、どちらを買うか悩んでこの50.5を買ったわけですが、パワフルなその香味に「ノーマルにしておけばよかったかな」なんて感じてしまったのも、今にしてみれば懐かしい話です。