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APREVAL XO
Calvados Pays d'Auge
Aged 18〜24 years
700ml 42%

グラス:SK2
量:30ml以上
場所:自宅
時期:開封後1週間程度
(参考評価:★★★★★★★(7))

香り:深みのある甘さと少し湿ったような酸味、艶のある香り立ち。ザクロや黒ブドウのジュース、熟成梅酒。カラメルソースを思わせるウッディネスと、微かにハーブや黒土っぽさも感じる。時間経過で熟した林檎の甘酸っぱい香りがしっかりと開いて、より充実してくる。

味:まろやかでコクと厚みのある口当たり。一瞬ウッディーだが、すぐにザクロやレーズンを思わせる甘酸っぱさがフォローし、林檎系の香味、甘みとのバランスの良さを感じる。
余韻はドライで少し湿り気のあるえぐみ、ウッディーなタンニン、林檎のカラメル煮。果実味が染み込むように長く続く。

グラスに注いで少し温めていくか、スワリングしながら開かせていくと、さらに甘酸っぱくふくよかなアロマが広がる。
また、フィナンシェやダックワーズなど、洋菓子との相性が非常に良く、余韻で感じたえぐみなどのマイナス面を消し去ってくれる。
これからの時期にもぴったりな1本。


今回はウイスキーではなく、同じ蒸留酒でもカルヴァドス。ウイスキー好きにオススメしたい、味わいだけでなく、コストパフォーマンスにも優れた1本を紹介します。
このカルヴァドスは、京都の名店、カルヴァドールの高山氏が「日本に入って来ていない美味しいカルヴァドスがある」と信濃屋さんに紹介し、信濃屋系列の問屋が正規代理店となって昨年から輸入がスタートしたもの。少なくともウイスキー愛好家の間では、一部を除いてほぼ無名と言える銘柄です。

(信濃屋、北梶バイヤーによる、現地での買い付け風景。信濃屋公式サイトから引用)

原料となる林檎は、自社農園で有機栽培したものを100%使用。
製造の流れは各グレード毎に異なり、XOのグレードは、1200リットルの大きな新樽で熟成した後、400リットルの古樽に入れ直すことで熟成のバランスを調整しているそうです。
フィニッシュというよりは、ダブルマチュアードでしょうか。熟成年数は18年から24年までの原酒がバッティングされており、荒い部分は少しありますが、濃口でありながらバランスの良い仕上がりです。

近年、ウイスキーの酒質がどんどん軽くなって来ています。
また原酒不足から長期熟成原酒が高騰し、バーボン系の樽で軽い酒質を短期間で仕上げたウイスキーが主流。シェリー樽系統では、嫌味の少ない濃厚なタイプが絶滅危惧種なのは言うまでもなく、特に加水でしっかりした味わいと熟成感があるウイスキーは、本当に少なくなってしまいました。

そうした背景から、コニャックやラム等にもスポットライトが当たりつつあるところ。
以前紹介した、フランソワ ヴォワイエ XO Gold が華やかでフルーティーな長熟スペイサイドの代替なら。
このアプルヴァルXOは、熟成由来のまろやかで複雑な香味、しつこ過ぎない甘み。原料由来の華やかさ、加水調整も自然な感じで濃厚さと適度なボディを残しつつ、それらがじわーっと体の中に染み込んでいく。味は全然違いますが、安く売っていた時代(2000年代)のGMの長熟モルトに通じる感覚があり、懐かしい気持ちになれました。

(同店から後日リリースされるプライベートボトル。シングルカスクの1974。XOに比べてボディは軽いが、香りが特に素晴らしく、グラスの残り香は官能的。)

価格も8000円程度と、近年の相場で考えれば求め易く。さらにスタンダードラインナップなので、限定品でないところも嬉しい。最近のウイスキーに食傷気味な方や、加水でしっかりとした味わいのあるボトルを飲みたい方に、お勧めしたいですね。

※2018年9月追記
最近新しく入荷したアプルヴァルXOを飲んだところ、以下の写真のようにそもそも色合いからまったく異なっており、ベツモノな味わいになっていました。
その特徴というか、特筆すべきキャラクターだった色濃い樽感と濃厚な甘みは控えめになり、林檎の蜜っぽい甘みからホワイトペッパー、ややドライで一般的な熟成カルヴァドスと言う感じ。美味しくない!というワケではありませんし、むしろこれはこれでコスパのいい正統派カルヴァドスとして評価されるかもしれません。

こうした変化はお酒においてはいつ何時でも起こりうるもの。小さい樽での追熟期間短くなったのか、あるいは樽が入れ替わったか微かに硫黄香も混じるような・・・少なくとも完全にロットが切り替わってしまったという感じです。
現在、各ショップの在庫も切り替わりの時期にあると思いますが、ラベルはまったく同じですのでWEB注文の際は事前に問い合わせて確認されるなどご注意ください。

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