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GLEN GARIOH
Samaroli
Aged 13 years
Cask type Fino Sherry Butt
Bottled by R.W.Duthie 
Select & imported by Samaroli 
1980's
750ml 57%
  
グラス:木村硝子テイスティンググラス
量:30ml程度
場所:個人宅(KuMC@Nさん)
時期:不明
暫定評価:★★★★★★★★(8)

香り:枝つきレーズンやドライアプリコットを思わせる甘酸っぱいアロマ、麦芽香、そして古酒感の混じる妖艶なスモーキーフレーバーをしっかりと感じる。スワリングで土っぽさと使い古したレザーの香りも。

味:とろりとオイリーな口当たり、フレーバーは強くしっかりとしている。香り同様にアプリコットの酸味と麦芽風味、蜂蜜、ナッツ、どっしりとした"らしい"土っぽいピートが余韻にかけて開いていく。フィニッシュはピリッとスパイシーで刺激があり、落ち着いた甘みを伴うスモーキーフレーバーが長く続く。

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ただならぬ雰囲気を感じる、サマローリのグレンギリー。当時のボトルらしく不明点が多いですが、おそらく1980年代流通、1970年代蒸留と思しき1本です。
ラベルに書かれたBottled by R.W.Duthieの表記も愛好家として見逃せませんね。ダッシー(ケイデンヘッド)が所有していた樽を、 サマローリが買い付けてボトリングしてもらい、イタリアにインポートしたというところでしょうか。
当時のサマローリのみならず、ダッシーはファンの多いボトラーズですから、このダブルネームだけで高まってしまう愛好家も多いと思います。    

その味わいは当時のグレンギリーらしいどっしりとしたピートフレーバーに、強い旨味と樽由来のアプリコットなどのフルーティーさ。酒質由来の香味の存在感は野性味すら感じる、例えるならばジビエのような魅力を感じます。
1杯飲んですっかりやられてしまい、思わずもう1杯。うーん、ギリーいいですねーギリー。

ちなみにこのボトルをの所有者であるNさん曰く、これフィノシェリーのあざとさとギリーの強いピートが喧嘩して拷問かと思ったんだけど・・・一応飲む?と前置きがあった上で飲ませていただいたのですが。
「あれ、これめっちゃ美味しくないですか?」   
「え、あれ、美味しいぞ」
となったことから、経年が良い方向に作用した結果の産物であり、実はボトリング当時は現在のフィニッシュモノや樽感ベタベタのボトルのように、必ずしも高い評価を受ける味わいではなかったのかもしれません。

最近日本市場にボトラーズリリースが入ってくる動きを見せているグレンギリー、ノンピートになって華やかで綺麗な1997年以降のモノも良いですが、最近買えるところでは1990年でピートと樽由来のフルーツ感があるボトルにらしさが感じられて楽しい。
瓶熟次第では、今回のようなボトルに仕上がっていくモノも出てくるのでしょうか・・・。