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かつて、秩父蒸留所の前身とも言える羽生蒸留所を操業していた東亜酒造。
イチローズモルトのファンであればその名を知らない人は少なく、地ウイスキーメーカーとしてはゴールデンホースが有名であった酒造メーカーです。
11月11日、この東亜酒造からウイスキー事業に再度参入する旨の宣言が行われ、休売していたゴールデンホース2銘柄の販売が開始されました。


・ゴールデンホース ピュアモルト武蔵 700ml 43% 
・ゴールデンホース ブレンデッド武州 700ml 43% 
※引用及び参考:
http://www.toashuzo.com/lineup/whisky/

販売を開始するのは上記2銘柄。ピュアモルト仕様の武蔵、ブレンデッド仕様の武州。どちらもかつて販売されていた、ゴールデンホースのブランドです。

ファンも多かった銘柄が復活するのは喜ばしいことですが、原酒を供給していた羽生蒸留所は、2000年の休止後に取り壊されてしまっているため、既にこの世に存在しません。
また、貯蔵していた原酒も破棄されることとなり、それが肥土伊知郎氏と笹の川酒造によって買い取られ、後のカードシリーズ等に繋がったことは、もはや説明するまでも無いかもしれません。
東亜酒造が今回のゴールデンホースの発売に合わせて発表した"ご挨拶"でも、多少トーンは違いますが、そのことが触れられています。

既に同社は蒸留所を保有しておらず、ストックも無いため、あくまで原酒はスコットランドから買い付けてブレンド、販売を行うこととしています。
商品説明にもそのことが書かれており、特にブレンデッドの武州は、「3年以上熟成したブレンデッドウイスキーと、モルトウイスキーをブレンド」とあります。
これはグレーンを単体で購入したのではなく、バルクウイスキーとしてブレンデッドとバッテッドモルトを買い付けてブレンドしていることを意味していると考えられます。

ブレンド技術を磨きつつ、ゆくゆくは原酒の製造も再開していきたいと、それをもってクラフトウイスキーの1社に加えて頂きたいとする同社のご挨拶。
日本で作ったとは一言も書かない潔さ、慎重に言葉を選んだような文章。。。
確かに軌道に乗れば蒸留所建設に動く可能性もあるのでしょう。
ただ、私自身このことでやや疑心暗鬼の念に駆られているのは、きっと他の要因によるところで、少なくともこうしたPRとなったのは、例の一件や基準を作るという動きがあったからなのだろうなと感じました。
まあ、良い傾向と言えるのかもしれませんね。


さて、先述のとおり、歴史あるゴールデンホースの2銘柄が復活することは、歓迎すべきことと感じます。
他方で、こうして今現在日本に存在するメーカーが増えるということは、ますます競争が過熱し、少ないニーズを食いあって結果自滅という事に繋がりかねない危険もあります。

実際、輸入原酒を使ってブレンドを作ると企業は増えつつあり、どうしても味が似通ってきます。
例えば、これだけ国内に蒸留所が増えてきたのですから、スコットランドのように別なクラフトディスティラリーと提携するなど、ブレンデッドメーカーとして活路を見出す方法も選択肢に出てくるのではないかと思います。
同社が今後どのように動いて独自色を出していくのか、注目していきたいです。