カテゴリ:

NIKKA WHISKY
PURE MALT WHITE
1987〜1989's 
ウイスキー特級
43% 500ml

グラス:木村硝子テイスティンググラス
量:30ml
場所:BAR飲み
時期:開封直後
評価:★★★★★(5)

香り:酸味と磯っぽさのあるスモーキーな香り立ち。若干植物感、徐々にパフューミーなアロマ。

味:ナッツ、乾いた麦芽、軽やかなこうばしさから香りのスモーキーさを裏切って広がるラベンダー、入浴剤、いわゆるパフューミーなアロマ。
鼻抜けはフローラルで余韻はピーティー、ほろ苦くパフューミーなニュアンス。

ニッカウイスキーがリリースしたピュアモルトシリーズ3兄弟、その末っ子と言えるホワイトです。
レッドとブラックが1984年に発売された後、さらなる個性として余市モルトにアイラモルトのバルクをブレンドし、1987年にリリースされました。

香味に若いニュアンスはあまりなく、10年程度のモルトが使われているように感じます。つまり流通時期から逆算すると、ベースは1970年代後半から1980年代初頭の蒸留原酒ということになります。
当時価格で2500円程度、今もそう高騰しているボトルではありません。
多少余市や宮城峡が混ざっていても、これって今普通に同時期蒸留のアイラモルト買うよりお得なんじゃね!?と喜び勇んで飛びつく先に待っているのは、アイラモルト80年代蒸留の罠です。

テイスティングコメントからお察しの通り、使われているアイラモルトには相当量のボウモアが含まれているようです。特に味はかなりのものですが、ピュアモルトであるため、後半にかけては違うニュアンスも出てきて、同時期蒸留のボウモアにありがちなレモン石鹸やラベンダー大爆発とはならず、あくまで穏やかにまとまっていく印象がありました。
また、香りにはそれほど80年代ボウモアの要素はなく、カリラを思わせる酸味やピートフレーバーが強いかなという印象です。
ただ、以前自分で購入して飲んだ時は香りからすでにそっち系だったため、同じ1980年代でも手に入った輸入原酒に微妙な違いがあったのかもしれません。

飲み手を選ぶボトルではありますが、先日コメントもありましたように、アイラが冷遇された時代だったためか、輸入原酒にもそこそこ良いクオリティのモルトが使えていたんですね。
決して若く低品質という味わいではなく、原酒の個性もしっかり感じられる良いリリースだと思います。
(パフューム系の香味に対する好み次第ではありますが。。。)