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TEELING
Vintage Reserve
Aged 24 Years
Bottled For 30th Anniversary of WODKA TONIC
Cask No, 6864
700ml 57.4%

グラス:リーデル ヴィノム コニャックテイスティング
量:30ml程度
場所:BAR飲み(Wodka Tonic)
時期:開封直後
暫定評価:★★★★★★★(7)

香り:ハッカの爽やかさに、蜂蜜の甘さ、程よい酸味ある香り立ちから桃やドライアップルを思わせるケミカル系のフルーツ香。

味:リッチで濃厚な甘味、蜂蜜、洋梨、香り同様のケミカル系のフルーティーさ。 余韻はウッディーで華やか、花のようなアロマが鼻に抜ける。 アイリッシュらしいフレーバーがあるが、口当たりに厚みととろみがあり、それが強みとして感じられる。


西麻布の名店、BARウォッカトニックが30周年を記念してボトリングした、アイリッシュウイスキー、ティーリングのシングルカスク。
ティーリングは2015年からダブリンで蒸留所を稼働させていますが、そもそもはボトラーズメーカーとして活動しており、このティーリング・ビンテージリザーブとしてリリースされているのはブッシュミルズの原酒と言われています。

一連のリリースの特徴は、非常にわかりやすいケミカルなフルーティーさ。メーカーコメントではトロピカルフレーバーとも例えられることも多いです。
それが1970年代中頃のベンリアックやトマーティンなどにも共通するフレーバーであることから、その系統が好みな方々がマークしているリリースでもありますね。

このボトルも例に漏れず、予想通りの構成ではありますが、流石ウォッカトニックさん、これは良い樽選んでます。
同じビンテージリザーブの中でも、紙っぽさや植物感が強く出すぎているリリースもある中、口当たりの甘みがしっかりとあり、ボディが軽くなりがちなアイリッシュらしからぬ厚み、そこに"らしい"フルーティーさと華やかさ。植物っぽいニュアンスも、アクセントとして良い感じに効いています。

ちょっと贅沢ではありますがこのボトル、ハイボールが旨いんです。
ストレートで感じた厚みが、 割ってもしっかり飲みごたえを維持。それだけでなくフルーティーさがバランスよく整って、林檎のコンポートー を思わせる綺麗な香味が広がるのです。
マスターのYさんオススメの飲み方で、半ば配給的に出てきたわけですが納得の美味しさでした。これはベンリアック1976のハイボールにも負けてないな~。

さて、先に述べたようにティーリングは2015年からダブリンで蒸留所を稼働させています。
新しい蒸留所はこのフルーティータイプを目指すのか、それとも他のアイリッシュのようにライトで軽い味わいに仕上げるのか、今回はその方向性のヒントとなる非常に面白いサンプルも飲むことができました。
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マスターが同蒸留所で入手されたニューポットです。
飲んでみると少しオイリーな口当たりから、あのケミカルさがまったく無く、クリーンで雑味の少ない綺麗な味わい。
これだとピークは15年くらいできちゃうかな、というのが第一印象で、フルーティーさは樽次第という感じ。
他方で以前そうしたフレーバーの無い原酒を、あるウイスキーの空き樽で熟成させた実験サンプルを飲んだ際は見事にケミカルなフルーティーさが出ており、今後どのように育つか楽しみです。

最後になりましたがウォッカトニック様、30周年本当におめでとうございます!