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ARDBEG 
Cadenhead 
Aged 22 Years 
Distilled 1993 
Bottled 2015 
700ml 55.3% 

グラス:サントリーテイスティング
量:ハーフショット
場所:BAR飲み(Y’s Land IAN)
時期:開封直後
暫定評価:★★★★★★(6ー7)

香り:消毒薬のようなヨード香、少し焦げたカラメル、焼きリンゴ、鉛筆の削りカスを思わせる木香とピートフレーバー。

味:スパイシーでパワフルな口当たり。徐々にオイリーで程よいコク。シェリーのニュアンス、焦げた木材、りんごのカラメル煮、黒砂糖。エステリーでヨードもしっかり感じられる。
余韻は一口目の奥には杏のフルーティーさもあるが、2口目以降はピートスモークとヨードが支配的に。鰹節やダシっぽさも。
ピーティーでほろ苦く、おがくずを思わせる木のアロマが口の中から鼻腔に滞留する。


ここ最近では珍しいシェリー系のアードベッグ。 シェリー系といってもバランス型からちょっと薄いかなくらいのシェリー感ですが、力技でまとめたような強い味わいで、一度に飲むのはハーフ〜1ショットくらいで良いかなーと感じてしまいます。

日本国内への入荷は片手で足りる程度しかなかったという話で、機会があれば飲むくらいに思っていたところ、「例のボトル飲んでみるか?」と口開けで頂くことになりました。
シェリー樽由来の厚みや甘味に加え、鉛筆の削りかすを連想するようなウッディーさとピートフレーバーが特徴的。一口目は味の後半に杏のようなフルーティーさも感じ、熟成感のある構成ながら、2口目以降はピートが強く、アードベッグらしいヨードやオイリーさが中心になっていきます。
人によってはこのシェリー感に拒否反応があるかもしれませんが、アイラの近年のシェリー系としては上等な1本だと思います。

今でこそ栄華を極めるアイラモルトですが、90年代前半はウイスキー業界全体としては受難の時期にあたります。
アードベッグも1989年に再稼働はしましたが、当時のグループ元であるアライド社がラフロイグ重視の戦略をとったこともあって生産量は少な目。1996年には生産調整のため再度蒸留を休止しています。 
そうした背景からか、そもそもリリースが少なく、総じて値段も高いものの、最近のリリースは結構いいボトルが多いように感じます。

たまたま20年以上の熟成を重ねたアードベッグが良い仕上がりになっただけなのか。それとも1993年はアイラモルトにとって当たり年だったのか?
同ビンテージで当たり年と言えば有名なのはボウモアです。まあボウモアは1993年に限らず、その前後も含めて良いものが多いのですが、ラフロイグも評価の高いボトルがありましたし、アードベッグもまた以前紹介したラトレーなど、これはと感じるものがあります。 

プラシーボ効果か、たまたまの偶然か・・・多分この頃のアードベッグの酒質が適齢期を迎えているだけとは思いますが、例えば麦芽供給元の方で何かがあったとか、色々考えてしまいますね。