カテゴリ:
IMG_0314
SASANOKAWA
963
Blended Malt Whisky
Aged 8 Years
59% 700ml

グラス:SK2
量:30ml以上
場所:自宅
時期:開封後1週間程度
評価:★★★★★★(5-6)

香り:ツンとした香り立ち、シトラス、レモンピールの爽やかさから蜂蜜の甘み、バタークッキー、パンの白い部分を思わせる麦芽風味。ほのかに梅干を思わせる酸味も感じる。時間経過で一体感が出てきて、蒸かしたサツマイモのようなオーク香や程よい酸味のあるモルティーさが全面に感じられる。

味:粉っぽさのある口当たり。麦芽風味、砂糖漬けのレモンピール、酸味とほのかなニューポッティーさ。中間から盛り上がるオークフレーバーに蜂蜜を思わせる粘性もある。
余韻はバニラの甘さと乾いた木のえぐみ、オークフレーバー、スパイシーな刺激を感じる。


笹の川酒造と、その正規代理店とも言える福島県南酒販がリリースしたブレンデッドモルト。
ブランド名称となっている963については、先の記事にも記載の通り「福島県郡山市」を中心として設定されている郵便番号の頭3文字から。先日リリースされたノンエイジのブレンデッドに続く、8年モノのモルトウイスキーです。

一言で、多少若さもあるものの、バランスの良いブレンデッドモルトです。
複数蒸留所の原酒を使っているため香味には複雑さがあり、アルコール度数は前作同様59%と高めな設定で、体感的にも50%以上だと感じられます。 
注ぎ立ては若いモルトの爽やかな香味がダイレクトに感じられるのですが、奥にはねっとりとしたオーク、蜂蜜やバニラ、サツマイモなどを思わせる熟成した原酒のフレーバーもあり、これらは時間経過で馴染んで一体感が出てきます。
開封直後ならグラスに注いで少し時間を置いたり、少量加水してみるのも良いですね。 

香味から推察するに、構成原酒は8年ものの若い原酒に加え、長期(推定15年~20年)熟成の原酒もそれなりに使われているようです。比率的には4:6くらいでしょうか。
樽感もクドくなく、ジャパニーズというより、そうしたスペイサイドとハイランドモルトの合わせ技っぽい構成だと感じました。

IMG_0320 
飲み方はストレート、加水、ロック、ハイボールと一通り試しましたが、全般的にすっきりとした夏向きな味わいで、どの飲み方でも崩れることなく楽しめます。
中でもロックは、注いだ後でステアし、少し氷を溶かして冷やした状態が綺麗にオーキーで華やかな香味が立つように感じました。 
冷やす飲み方は香りが立たないというイメージがあるようですが、モノによってはえぐみや若いフレーバーなどのネガティブな要素が軽減され、熟成由来の香味が残ることもあり、今回は後者の印象です。 

このリリースでは地域名称や蒸留所名を使わず、ブレンデッドモルトとして輸入原酒を含め様々な原酒が使われているようです。
こうしたリリースには否定的な意見もあるかもしれませんが、何度か書いてるように自分は旨けりゃ良い派。そもそもクラフトディスティラリーは原酒の種類や量で大手と比べると大きなハンデがあるんですから、他の蒸留所と連携して原酒やブレンド技術のノウハウを融通し合うなどしていって、共存共栄を図った方が未来があると思うんです。

その点、963ブレンデッドモルトウイスキーはよく出来た商品だと思います。
個人的な好みを言えば、もう少しピーティーなフレーバーがあると良いなと思うので、次があるならもうひと匙、隠し味のピートをお願いしたいです。