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JAMES MARTIN'S
Blended Scotch Whisky
12 Years Old
"Commemorating the visit of the lord mayor of London to Japan"
1984's
750ml 43%

構成原酒:グレンマレイ、グレンモーレンジ、など
グラス:SK2
量:30ml以上
場所:自宅
時期:開封後1ヶ月程度
評価:★★★★★★(6)

香り:甘くシロップや麦芽香、ほのかにナッツ、ハーブのニュアンスも感じられる香り立ち。若干ケミカルで蜂蜜っぽいグレーンの甘さも感じられるが、構成は総じてモルティー。時間経過で麦芽風味が強くなってくる。

味:まろやかでほのかな粘性を感じる口当たり。モルティーでコクのある甘み、ドライオレンジや蜂蜜、麦芽風味が強く、しっかりと広がる。
余韻はほのかに感じられる内陸系のピートフレーバー、麦芽風味、アルコール感がしっかり感じられるが、香味そのものは細く長く残る。


ジェームスマーティンといえば除菌消毒用アルコール・・・ではなく、グレンマレイがキーモルトなブレンデッド。ノンエイジクラスのVVOといったブランデーを模したような表記に加え、12年、20年などがリリースされいます。
シリーズ全体的にはあっさりとした穀物感の強い味わいで、これまでの印象は可も無く不可もなく、ただ積極的には追わなくていいなと感じていました。
加えて通常の12年は、当時のグレンマレイ12年と同じボトルが採用されている関係上キャップ裏に難アリで、とあるBARで頼んだところ金属臭バリバリのボトルが出てきて閉口。それ以来地雷原に足を突っ込みたくない気持ちから、購入はしていませんでした。

そんな中、ふと目に入ったのが角瓶仕様で、ロンドン市長が日本に訪問したことを記念して1984年にリリースされた記念ボトル。
当時は日英友好が引き金となって日本側に熱があったという時代背景は聞いていますが、1975年のエリザベス2世訪日や、1986年のチャーチル皇太子夫妻ではなく、市長レベルでこんなボトルまでリリースされていたとは驚きの一言。まず日本限定リリースで間違いないでしょう。

このボトルはこの時代でノーマルな角瓶形状であり、キャップも当然一般的なモノであること。つまり金属臭の危険性が減っていると推測されます。
予想通り、オフフレーバーは少なく、状態の良さから来るへたりの少ないモルティーな香味、熟成した原酒の甘酸っぱさも感じられ、余韻には淡い内陸系のピートフレーバーがじわりとくる。
序盤はマレイ由来のモルティーさ、余韻のピートはグレンモーレンジ由来か、中々レベルの高いブレンデッドに仕上がっています。
これが状態が良いジェームスマーティンの真の力なのか、あるいは記念ボトルだけにブレンド比率から違うのでしょうか。

余韻にもう少し華やかさ、モルティーな印象があったらなお良かったのですが、この出来であれば文句は言えません。
何より1984年という、自分の生まれ年が記念されているのもGOODです。