カテゴリ:
image 
M&H CASK SELECTION
OLD SPEYSIDE
(GLEN FARCLAS)
Aged 40 Years
Distilled 1966
Bottled 2006
Cask type Sherry But
700ml 45.6%

グラス:リーデルソムリエ ブルゴーニュグランクリュ
量:30ml
場所:個人宅(Whisky link イベント@Nさん)
時期:開封直後
暫定評価:★★★★★★★★(8)

香り:ふくよかな香り立ち。黒砂糖や黒蜜を思わせる甘みと土っぽい苦味、徐々にベリー系の酸味のあるフルーツ感、徐々にタンニンが開いてくる。

味:粘性のある口当たり、黒糖、ベリー、黒ぶどう。果実味をカラメルやチョコレートでコーティングしたようなコクのある舌触り。余韻は長く、土っぽさと高貴なウッディネス、やや粘性がある黒蜜を思わせる甘み、タンニンは最初穏やかで蓄積してくるように残る。

GWのWhisky linkイベントにて、中身はグレンファークラス。
Nさんがこれは旨いと感じて初めてまともに買ったボトルなのだとか。
確かにこれは旨いボトル、濃厚なシェリー感でクラシカルなタイプと言いますか、嫌味の少ない濃厚さにベリー系のアクセント。タンニンはただ強いタイプではなく、徐々に蓄積していくため、飲み続けることで1口毎の変化に繋がっています。
リーデルソムリエ・ブルゴーニュ・グランクリュ グラスとの組み合わせもバッチリで、湧き上がるような芳醇なアロマがたまりません。
口開けだったのでこれからどんどん開いていくでしょうし、締めの1杯に飲んで一日を終えることが出来たら幸せだろうなと感じます。

今回のボトルをリリースしたM&Hはベルギーのウイスキー取扱業者。
日本ではあまり聞かない企業であるものの、ベルギーでは最大規模との話で、蒸留所とのコネクションもあるのでしょう。本当に良い樽だけを厳選してボトリングするというポリシーであるそうで、このファークラスを飲まされたら納得せざるを得ません。
その他にもポートエレンやカリラ、クライヌリッシュなど1970年代の優良ビンテージをリリースしたようですが、最近は活動しているのでしょうか。 あまり見かけませんね。

最近の状況では1970年代はおろか1980年代の樽すら確保するのは困難と思いますが、ボトラーズとオフィシャルは切磋琢磨して、時に共存し、時に競争してこそ業界が活性化していくのだと思います。
またシングルカスクが多いボトラーズのほうが、単一樽だからこその個性のわかりやすさ、テイスティングのしやすさも魅力です。
現状はボトラーズ側が厳しく、オフィシャルが優位な状況が定着しつつありますが、コネクションのあるメーカーが極力良い樽を確保して、ボトラーズ文化は存続してほしいです。