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ARRAN Peated
Private Cask for Japan
Aged 10 Years
Distilled 2005
Bottled 2016
Cask tyep Bourbon Barrel #101
700ml 59.3%

グラス:サントリーテイスティング
量:ハーフショット
場所:BAR飲み(Y's Land IAN)
時期:開封直後
暫定評価:★★★★★★(6)(!)

香り:オーキーでスモーキーな香り立ち。濃い目の樽香と麦芽香が、バタークッキーの甘い香りやおしろいの白っぽさ、ドライフルーツの華やかな酸味に通じる。

味:ねっとりとした口当たり、香り同様バーボンオークのフレーバーが主体で、奥には白っぽい麦芽の甘みが味に厚みを出している。蜂蜜、バニラ、ドライオレンジ。
余韻はスモーキーでピーティー、ピリッとしたスパイスを舌先に感じ、オークとグレープフルーツの華やかで長い余韻。

2005年から仕込みが始まったアランのピーテッドモルト。今回のボトルは熟成期間満10年を迎えた初めての日本向けのカスクという事ですが、思いもかけぬ良い出来栄えにびっくりしました。
まずここ最近の傾向として、あまりピート麦芽を使ってこなかった蒸留所が仕込むピーテッドは、それが際立って強くアンバランスな傾向があったように思います。しかし今回のアラン10年は、それほど自己主張していないというか、バランスの良いタイプなのです。

10年でカスクストレングスというだけあって、まだ荒い部分は残っており、★7にはもう一歩という感じですが、アランの素直な酒質を考えると、これが第一の飲み頃と感じます。
麦感は厚めでおしろいのような麦の芯を感じる白っぽい甘み、そこにバーボン樽特有の華やかでフルーティーなオークフレーバーが強めに乗っかっており、パワフルでリッチな飲み心地です。
ここまでは純粋にアランそのものというか、普段ならここで終わって、後は余韻が華やかでオーキーでドライで・・・となるところ、今回はピーテッドです。スモーキーで程よいピートフレーバーが余韻にかけて仕事をして、ただ華やかで終わらないのもポイントです。

アランでピーテッドというとマクリムーアが加水もハイプルーフもリリースされていましたが、その完成度は頭一つ以上今回のボトルのほうが抜け出ています。
今すぐ開けて飲んでも楽しめますし、開かせても樽感が馴染んでバランスが良くなるでしょう。10年くらい置いて一体感が出てから飲んでも良い方向に作用すると思います。