カテゴリ:

VERY OLD ST,NICK
Aged 25 Years
Barrel Proof Estate
750ml 86.4 Proof (43.2%)

グラス:SK2
量:50ml(サンプル@愛知のKさん)
場所:自宅
時期:不明
暫定評価:★★★★★★★(6-7)
※ボトル写真に写っているグラスの中身は違うものとのこと。

香り:リッチで濃いチャーオーク香。焦げたカラメルやメープルシロップ、干した藁、コーン、トゲトゲしさがなく落ち着いているが存在感のあるウッディネス。
奥からニスを塗った家具のような、薬品系のアロマも感じられる。

味:まろやかで濃厚、まるでシロップのように甘い口当たり。シロップ漬けのチェリー、熟したバナナ、駄菓子のフルーツゼリー、チャーオーク。中間はあまり開かず平坦だが熟成年数からくる深みとコクが感じられ、ピチピチと微炭酸のようなスパイス、オーク由来のタンニンが染み込んでくる。
一口目の余韻はあまり長くなく、スッと消えてしまうが、杯を重ねるごとに蓄積して、スパイシーでメローな余韻が長く続く。


聖人のバーボンこと、ベリーオールドセントニック。今回のボトルは同ブランドにおける最長熟成品です。
名前の由来は禁酒法時代にやたら旨い密造酒(バーボン)を作っていたというニック爺さんで、あまりの旨さに聖人扱いされていたのだとかなんだとか。ただ、ベリーオールドセントニックの中身はヘブンヒル蒸留所から買い付けた原酒で作られており、ニック爺さんとの繋がりはありません。
まあ「旨いバーボン」という点では、共通点がありそうだと言えるわけですが。

自分が飲み始めた頃はこの25年含め17年や20年など様々なボトルを見かけましたが、最近はエンシェントカスクなどのごく一部の銘柄を除いてすっかり見なくなってしまいました。
また、この唯一流通していると言っても過言ではないエンシェントカスクシリーズは、それまでのビンテージ品と比べて熟成感が大きく異なり、もはやベツモノ。長期熟成原酒の不足か、良質なオーク樽の不足なのか、ヘブンヒルも苦しいんだろうなと推察します。(火事もありましたしね・・・。)

今回サンプル交換から久々にこの25年を飲ませていただきましたが、長期熟成ならではのまろやかさ、コクと深みのある甘さ。そして熟成年数の割りに余韻のタンニンが柔らかく、甘いオーク香と合わさってなんとも優雅なフィニッシュに繋がっています。
若干ケミカルっぽさが感じられるのと、度数の低さから突き抜けるような陶酔感はもう一歩というところですが、ハイプルーフのボンデッドバーボンが背中を叩いて元気付けてほしいときに飲みたいバーボンなら、これは優しくその日の疲れを労ってくれるような、体に染み込むしみじみ旨い1杯なのです。


追記:最近本業のほうが忙しく、日々終電帰りであるため1日1本しか記事をUPできていません。サンプルやネタとなるボトルは多数あるのですが、更新できないのが歯がゆいばかり。
コメントもまとめて返答することが多くなってしまっており、サンプルを頂いた皆様、読者の皆様、お待たせしてしまい申し訳ありません。