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ARRAN
Orkney Bere Barley
(Aged 10 Years)
Distilled 2004
Bottled 2014

グラス:テイスティンググラス(ブランド不明)
量:30ml
場所:BAR飲み(Jam Lounge)
時期:開封後半年〜1年程度
暫定評価:★★★★★★(6)(!)

香り:厚みのある麦芽香と程よいオークフレーバー、ドライパイナップル、ほのかな土っぽさ、徐々に白粉の甘み、微かに青みがかったアロマ。やや単調だが香味に幅があって味への期待が膨らむ。

味:リッチな麦芽の旨みを感じるややドライな口当たり。乾いた麦芽、ドライパイナップル、洋梨、木のえぐみも少々感じる。オーク系のフルーツフレーバーが幅のある麦芽風味に上手くマッチしている。
余韻は長くしっかりと残る、軽いスパイスと蜂蜜の甘み、近年寄りのトロピカルフレーバー。 


アラン蒸留所が2004年に二週間だけ試験的に仕込んだ、大麦の古代品種であるベレ(ベア)種によるモルトウイスキー。
近年リリースされたアランモルトの中では、ハデさはないもののむしろレベルの高い出来で、なぜ売れ残っているのか謎なボトルです。

ウイスキー製造現場における麦芽品種は、スコットランドの厳しい気候でも安定した収穫が得られるよう、またアルコールを抽出しやすいよう、品種改良が繰り返されてきました。
その結果、特にアルコール量については非常に安定して抽出ができるようになったようですが、同時に出来上がったモルトウイスキーからは味の深みや、複雑さが失われ、特に1970年代後半から1980年代以降、ライトで単調なウイスキーが増えていきました。 

酒質が軽くなった原因は、樽の違い、フロアモルティングに代表される製法や設備の違い、そして麦の違いといくつかの要因が重なり合った複合的なものだと考えられています。おそらくそれは間違いではないのでしょう。
そして近年ではフロアモルティングを復活させたり、樽にこだわったりと多くの試みがあるわけですが、中でも個人的に1番影響が大きいと感じているのは、麦芽品種に古代種を用いたウイスキーです。

今回のアランオークニーベアは、でんぷん質が近年の麦芽に比べて少ないためか糖化がうまくいかず、濾過工程でも目詰まりを起こす等、蒸留工程に至るまで非常に苦労があり、蒸留もミドルカットをかなり厚くとったそうです。
しかしその甲斐あって、1980年代流通のハイランドモルトを思わせる分厚い麦芽風味とフルーティーさが備わって、今すぐ飲んでも、10年後に飲んでも間違いなく楽しめるボトルのに仕上がっているように感じます。
なかなか大量生産できないボトルだとは思いますが、温故知新、原点回帰の精神で、ぜひこうしたリリースが増えていってほしいなと思うばかりです。