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 BALLANTINE’S 
Signature Distillery 
Scapa Edition 
2016’s 
Aged 17 Years 
43% 700ml 

グラス:サントリーテイスティング
量:ハーフショット
場所:BAR飲み(Y’s Land IAN)
時期:開封後2~3週間程度
暫定評価:★★★★(4-5)

香り:穏やかな香り立ち。バニラやサトウキビを思わせる植物感のあるライトな甘さ。奥には乾いた麦芽香、ほのかにドライフルーツ、セメダインのような若干の溶剤香もある。

味:のっぺりとした穀物系の甘い口当たりでグレーン感が主体的。にがりを思わせるエグみ、乾いた木、徐々に柔らかいスモーキさとモルティーな甘み。
余韻は軽くスパイシーで、序盤の甘さがべったりと舌の上に残る。


バランタインがキーモルトの一つを際立たせるようにブレンドした、シグネチャー・ディスティラリーシリーズのスキャパエディション。
第一弾は免税店向けで2012年に発売されましたが、今回のボトルは2016年にサントリーから正規品として発売された、第2弾(新たにブレンドしたらしい)のボトルです。 
以前の記事にもまとめましたが、スキャパは1994年から2004年に再稼動するまで蒸留を休止しており、本来ならこの期間の原酒は存在しません。
ただし休止と言いつつも、1997年頃から少量生産はされていたという説もあり、17年の熟成期間を考えると、前回2012年のリリースは閉鎖間際の原酒、今回のリリースは1997年から1998年頃の少量生産時代の原酒が使われているのではないかと考えられます。

実は2012年リリースの味わいを全くと言っていいほど覚えておらず、記憶での比較も出来ませんが、今回のボトルはスキャパエディションと言いつつグレーンの風味が強く、序盤ににがりっぽいえぐみ、その奥にモルティーな華やかさがあってピートは通常の17年よりも控えめ。通常の17年に比べて少々アンバランスになったのをグレーンでまとめようとしたのかなと感じた仕上がりでした。 

本ボトルの国内リリースと同時に、スキャパのスキレンも正規品が国内に展開を開始。
ノーマルのバランタイン17年、スキャパエディション、そしてスキレンと3種類の飲み比べも面白いかもしれません。
ただ、単体として飲むならストレートよりもロックかハイボール向きという味わい。まだ試していないので予想でしかありませんが、スッキリとした飲み口になりそうです。

余談ですが、以前リリースされたシグネチャー・ディスティラリーシリーズは全部で4種類。スキャパ、ミルトンダフ、グレントファース、グレンバーギーがありました。
なぜかグレンバーギーだけが本国限定、並行品すら国内に入らず。飲みたい方は200mlが4本セットになったコレクションセットを買うしかなく、よりによって一番美味しそうなボトルが入らないとは・・・と少しだけがっかりした記憶があります。
今後サントリーから同シリーズの正規品が発売されるかはわかりませんが、やるんだったら4種類全部やってほしいなと、ささやかに希望しておきます。