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先月中頃のこと、名古屋のウイスキー仲間Sさんが上京された際に、自分への「挑戦状」としたブラインドサンプルを某酒屋に置いて行かれました。
Sさんにはボトル情報からイベントまで、いつもお世話になっており、本当に有難い限りです。
「挑戦状」は、いつものようにノーヒントでオールジャンルのなんでもありルール。
それでは早速・・・と受け取りに行ったは良いものの、その直後に体調を崩して2週間ろくにウイスキーを飲めず。舌と鼻の感覚がほぼ元通りになった先週末、ようやくテイスティングをさせてもらいました。
各ボトルについては追って個別に記事をまとめさせてもらいますが、この2サンプルを比較しながらテイスティングする機会も中々ありませんので、比較テイスティング記事として先にまとめさせてもらいます。


2つのサンプルは、山崎のボトルに入ったものをサンプルA、白州のボトルに入ったものをサンプルBとします。

⚫︎サンプルの共通点
・スコッチウイスキーのオールドボトルと思しきニュアンスがある。
・スペイサイドやハイランド系を主軸にした原酒構成。
・モルティーで熟成感を感じる上位モデルの印象。
・モルティーな味わいだが、バッテッドにしては味の馴染みが良すぎる。
・モルト比率高めかつ、長期熟成原酒が使われたブレンデッドと予想。

サンプルAの印象
【仕様】
種類:ブレンデッドスコッチ
流通時期:1980年代後期あたり
熟成期間:30年クラスの長期熟成原酒の印象があるが、若い要素も多少感じられた。
度数:43%
銘柄:ジョンウォーカー・オールデスト 初期ボトル(Aged 15 to 60 years表記)

【総評】
旨いウイスキーだが味に微かにコルク由来と思しきオフフレーバーが混じっていて、それが本来の実力を邪魔している。
特に注ぎ立ては粗い部分が多少あるが、スワリングすると華やかで熟成感のあるアロマが開く。蜂蜜やアプリコット、カラメルでごまかしていない甘酸っぱく熟成したモルティーさ。後半はほのかにピーティーで麦芽風味。時間経過でピートフレーバーが強く感じられる。
テイスティングで感じた各要素に加え、以前飲んだ際の印象から、オールデスト初期ボトルが最も濃厚ではないか。

サンプルBの印象
【仕様】
種類:ブレンデッドスコッチ
流通時期:1980年代後期あたり→1970年代
熟成期間:15年クラスが主体の印象、長熟原酒のフレーバーもある。
度数:43%
銘柄:セントジェームスNA表記

【総評】
状態が良く、かなりモルティーで華やかなアロマ。ナッティーで香ばしい甘味、最初は若干植物っぽさが感じられるも、すぐに甘酸っぱい熟成したフレーバーと、余韻にかけて麦芽風味が開いてくる。ドライで長く華やかなフィニッシュ。
当初は1980年代後期あたりにあった長期熟成グレードのボトルの何かではないかと予想するも、序盤感じたナッティーさからグレンロセスを感じ、状態の良い1970年代のセントジェームスではないかと予想した。


●正解と比較
もう写真やタイトルから明らかですが、頂いたボトルの中身は
サンプルA:John walker’s Oldest Scotch Whisky (Aged 15 to 60 Years) 43%
サンプルB:Johnnie Walker Oldest Scotch Whisky (No Aged) 43%

現在はジョニーウォーカー・ブルーラベルとして販売されている銘柄の旧ボトルにあたる、ジョニーウォーカーの最高峰"オールデスト"の2種類でした。
サンプルAは完全正解。サンプルBは途中までは良かったですが、ロセス予想から脱線して年代をずらした以降ズルズル。並行して飲んでいながら似た部分を特定出来なかったのは、まだまだ修行が足りませんね。


オールデストはロットによってラベルが異なっており、
1980年代後期頃:John walker’s Oldest Scotch Whisky (Aged 15 to 60 Years) 43%
1980年代最後期頃:Johnnie Walker Oldest Scotch Whisky (Aged 15 to 60 Years) 43%
1990年頃:Johnnie Walker Oldest Scotch Whisky (No Aged) 43%
1992年頃〜:Johnnie Walker Blue Label Scotch Whisky (No Aged) 43%
となっているようです。
サンプルAでもある最初期のオールデストは、一説では発売が1986年という話。確かに当時はジョニ黒もジョン・ウォーカー表記で販売されていました。
そしてAged 15 to 60 years 表記は、読んで字の如く15年から60年までの熟成原酒を使っているという意味ですが、ウイスキーは最も若い熟成年数を表記するというルールに抵触し、1990年ごろ今回テイスティングしたNAのオールデストとなります。
(その後のブルーの味をみるに、単に原酒が確保出来なくなった理由の後付け…という気もしなくもないですが。)

前置きが長くなってしまいましたが、今回こうして2本のボトルを飲み比べてみると、状態の違いはさておき明らかに熟成感が違います。
テイスティングの通りどちらもモルティーでリッチなブレンドであることに違いはないですが、最初期ボトルの方が平均して10年くらい熟成が長いんじゃないかとすら感じるレベル。60年表記は伊達じゃないです。
NAオールデストも、その後のジョニーブルーに比べたら全然旨いしバランスも良いので、間違いなく良い原酒を使っていると思います。
また初期ボトルの方がピーティーで、熟成感と合わせて良いスコッチだなーと。自分はこっちの方が好みです。
NAオールデストも淡いピーティーさはありますが、ブレンドの違いか麦芽風味の方が感じられましたね。
後は後日、個別の記事で詳しくボトル毎の感想をまとめたいと思います。

最初期のオールデストを含め非常に貴重な経験が出来た今回の飲み比べ。
Sさん、貴重なボトルをありがとうございました!