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MACALLAN 
EDITION No,1 
C8.V130.T19.2015-001 
Cask type Eight European & American Oak 
2500 Bottles 
48% 700ml 

グラス:サントリーテイスティング
量:20ml程度
場所:BAR飲み
時期:開封後1週間程度
暫定評価:★★★★(4-5)

香り:オレンジピールとカラメリゼ、ツンとスパイシーでビター。乾いた木や牧草、い草を思わせる植物質な香り立ち。奥にはドライプルーン、微かに硫黄。 所謂生木っぽいシェリー感が主体的。

味:口当たりはスパイシーで、エッジの立ったウッディネス。ビターなシェリー感を強く感じる。続いて椎茸、甘さ控えめのママレード、鉛筆の削りかす。加水するとメープルシロップを思わせる甘み。
余韻はドライでスパイシー。エグみと苦味をともなう。


マッカランが所有する多彩な樽原酒をバッティングした、リミテッドエディションの第一弾。
リリースした経緯は良くわかりませんが(説明もされていない)、マッカラン蒸留所の個性を際立たせるという目的ではあるようです。
メーカー資料によると、原酒は10年から25年の幅広い熟成年数のものが使われており、ラベルに書かれた以下のコードは、8種類のカスクタイプで130樽の原酒をバッティングしたことを表しています。

C8.V130.T19.2015-001
は、C8(8種類のカスクタイプの原酒を使用)
V130(130樽をバッティング)
T19(TINT、色の濃さを表す単位)
2015(ボトリング年)
001(エディションナンバー)

8種類のカスクタイプは、木材の種類であるヨーロピアンオークとアメリカンオーク、そして樽の種類と使用回数、さらには樽を作ったボデガ(またはクーパレッジ)の組み合わせからくるもの。

①ヨーロピアンオークバット (1st fill) Tevasa
②ヨーロピアンオークバット (1st fill) Toneleria
③アメリカンオークパンチョン (1st fill) Vasyma
④ヨーロピアンオークバット (1st fill) J&M Martin
⑤ヨーロピアンオークパンチョン (1st fill) Tevasa
⑥ヨーロピアンオークバット (1st fill) 生産者不明
⑦ヨーロピアンオークホグスヘッド (2nd fill) 生産者不明
⑧ヨーロピアンオークバット (2nd fill) 生産者不明

今回驚いたのが、樽を製造しているボデガをオフィシャルの資料で明らかにしている事。過去には以下のウイスキーマガジンの記事等でTevasa社による一括製造であることは書かれていましたが、それ以外の樽製造メーカーについても記載されているのは、これまでのシェリー樽とウイスキーの関係においては、なかなかない情報公開の仕方だと感じました。

ご参考: http://whiskymag.jp/mac_1824/

以上の構成でリリースされた、記念すべきファーストボトル。そのお味はというとまぁ大方予想通りというか、近年のマッカランらしさが全開です。
度数が通常のマッカランより5%程度高いこともあって、その分フレーバーに強さ、コシが感じられます。また、幅広い熟成期間の原酒の組み合わせに樽の種類も多いため、香味に多層感が感じられるのはいかにもオフィシャルらしさと言えます。
しかしそれによって強く感じられる要素がシェリー樽由来のリッチな甘みや果実味ではなく、口当たりのスパイシーさや、苦み、酸味、木のえぐみといった部分。ハウススタイルという点では見るモノがあるかもしれませんが、"好み"に限れば相当厳しい内容でした。 

ちなみに、本ボトルの続編に当たるエディションNo,2は16年冬発売予定。既に化粧箱の上蓋の裏には、No,2の予告も記載されています。
正直良い部分を見出せなかったボトル。次回はもう少し好みな傾向だったらいいなーと思います。