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AULTMORE 
Of the Foggie Moss 
Aged 12 Years 
46% 700ml 

グラス:SK2など
量:100ml以上(個人所有)
場所:自宅
時期:開封後1~2週間程度
評価:★★★★★

香り:麦芽やバニラの甘く穏やかなアロマ、香料のような柑橘系のニュアンスもあり爽やかな香り立ち。スワリングしていると乾いた木のツンとしたエッジ、微かにハーブ、白葡萄を思わせる酸味も感じられる。

味:乾燥させた麦芽をかじったような、ほろ苦さと白い粥のような甘み。柑橘系の酸味と洋梨の香味がアクセントになって後半にかけて伸びて行く。ボディには程よい厚みがあり、浮ついた感じがない。
余韻はほろ苦い麦芽風味、じわりと染み込むように長く続く。
少量加水すると柑橘系の風味が強く感じられるが、バランスが良くなる印象はない。


ロイヤルブラックラ、マクダフ、クライゲラヒと並んで、デュワーズ社が「ラストグレイトモルト」シリーズとしてリリースした1本。
これまで同蒸留所は、原酒のほとんどをブレンデッド用としていたため、オフィシャルシングルモルトは花と動物シリーズや1980年代にリリースされていたものくらい。ほとんどはボトラーズの印象しかない銘柄でした。 
それが世界的なウイスキーブームを受けてか、ブレンド用だった蒸留所からもシングルモルトをリリースする流れが加速しており、今後の動きも含めて非常に楽しみな展開になっています。

オルトモアの酒質は癖の少ないタイプで、穏やかでありながらボディに一本芯がある、ブレンドに使いやすそうだと感じる味わいが特徴。言い換えればシングルモルトの場合はシェリーでもバーボンでも、樽との馴染みの良い酒質であると言えます。
今回のボトルもまた際立った個性はないものの、柔らかい口当たりから余韻にかけてバランスよく広がる麦芽風味とオークフレーバー、ノンピートでくどさのない穏やかな余韻。少し若さを感じる部分もありますが、気になるほどではありません。
香味全体を通して柑橘系の風味がアクセントになっていて、麦芽風味一辺倒の単調なタイプではないのもポイント。古き良きかつてのオフィシャルを感じる要素であり、オフィシャルスタンダードとして家飲みするなら丁度いい塩梅、と思える味わいに仕上がっています。