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BLAIR ATHOL 
Signatory Vintage 
Aged 26 Years 
Distilled 1988 
Bottled 2015 
Matured in a Wine Treated Butt 
700ml 59.6% 
 
グラス:創吉テイスティング
量:20ml程度
場所:BAR(Ambrosia)
時期:開封2~3か月経過
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:ほのかな酸味を伴うドライなシェリー香。梅酒、イチジク、黒砂糖やかりんとう、香ばしい麦芽のアロマ。徐々に生木っぽい香りもあるが、強くは感じない。
高度数のためかベタつきは少なく、高いトーンで続いて行く。

味:粘性のある口当たり、かりんとう、プルーンを思わせる香ばしい黒砂糖系の甘さとほのかな酸味。ウッディでスパイシー、微かに硫黄のニュアンスも感じられる。
余韻はビターチョコレートの甘み、ヘーゼルナッツ、やや強めのアルコール感でヒリヒリする。
 
先日のTWDの合間、これ、どう思いますか?と出されたブラインドテイスティング
「どう思いますか?」の意図を測りきれず、予想蒸留所(モートラック)と簡単な感想しか伝えられなかったことは、少々申し訳なく思っているところ。
というのもこのボトル、"Matured in a Wine Treated Butt"という特殊なシェリー樽で熟成されたボトルで、言ってみれば今のシェリー感との違いを問われていたわけです。
 
ワイントリーテッドバットとは何かというと・・・武蔵屋さんのサイトにわかりやすい説明がありましたので引用します。
"古い樽にPaxarette (パクサレット)と言われる度数の高いシェリーを詰めてリフレッシュさせた樽のことです。スコッチ業界では1990年にその行為は禁止されました。"
https://www.musashiya-net.co.jp/products/detail.php?product_id=10575

早い話が、樽感の抜けた使い古しの樽に、濃く甘いシェリーを入れて再度シーズニング(というかリンス)し、シェリー感をエンチャントして熟成させているわけです。
製法だけ聞くと、樽材由来の木香は控えめになって、純粋にシェリーの香味が強調されてきそうですが、実際は混ぜている形に近かったという話。
これはオールドボトル(特にオールドブレンデッド)とも関係のある話ですが、それはまた後日まとめるとして。。。
 
今回のボトルはどうだったかというと、まぁ普通にファーストフィルシェリーと言われればわからないレベルのシェリー感。ほんの少し硫黄も感じましたが、全体的にはそんなに悪くない仕上がりだと思います。ベースにあるシェリー樽が、そこまで出がらしではなかったのかもしれません。
ネット市場の在庫を見ると、1988ビンテージのブレアソール&ワイントリーテッドバットのボトルはいくつかリリースされている中で、このシグナトリーのカスクストレングスだけは売れ残ってるんですね。
他のボトルはまた違うのか。BAR等で見かけたら試してみたいと思います。