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EIGASHIMA 
Blackadder & GAIAFLOW 
Distilled 2012 
Bottled 2015 
Cask type Bourbon #1242 
61.4% 500ml 
 
グラス:SK2
量:30ml程度
場所:自宅(サンプル瓶)
時期:開封後1か月程度
暫定評価:★★★★(4-5)

香り:ドライな香り立ち、メンソールのようなスーッとするアルコール感、乾いた木、ほのかにアロエ。あまり香りが立たない。徐々にクッキーの香ばしく甘い香りも感じられる。
少量加水すると蜂蜜の甘さ、レモンピール、少しケミカルな要素が顔を出す。

味:焼酎的なアルコール感と酸味のあるスパイシーな口当たり、ザラメ、梅シロップ、植物っぽいえぐみや青さも少々感じられる。
フィニッシュは香ばしい麦芽風味と微かなピートフレーバー。スパイシーでハイプルーフらしくトーンの高い余韻。加水すると序盤の酸味が和らぐが、香り同様ケミカルなニュアンスも。


ジャパニーズブームに乗じて名をあげた感のある"あかし"こと江井ヶ嶋。
今回のボトルはブラッカダーとガイアフロー社によるジャパニーズコラボレーションシリーズの一つで、つい先月発売されたばかり。このブログで江井ヶ嶋ブランドを紹介するのは初めてですね。
この蒸留所は以前見学させていただいたこともあり、いい意味でも悪い意味でも印象深いブランドです。
 
瀬戸内海のすぐ側の高台に位置するこの蒸留所は、おそらく日本で最も海に近い蒸留所の一つであると言えます。
蒸留器は初留と再留で1基ずつ、樽は外注以外に自社で所有するワイナリーのワイン樽を使える。麦芽は「商社の買い付けに任せているので詳しいことは良くわからないけどライトピーテッドです。」とは同社スタッフの説明。
江井ヶ嶋酒造は総合酒類企業であるため、日本酒→ブランデー→ウイスキーと1年の中でローテーションしながら人繰りをしつつ製造がおこなわれています。当時はウイスキーは3回仕込むと聞いていましたが、このウイスキーブームを受けてさらに回数を増やしているかもしれません。
それ以外にも色々聞いているのですが(例えば、某ボトルはスタッフ自身も失敗作だと認識しながらリリースしたなど)、あまりのアバウトさにびっくりした記憶があります。
最近はガイアフローさんが販売面で提携しているようですので、製造面も含めた改善を期待したいです。

 
さて、今回テイスティングしたボトルは2012年の蒸留で、丁度自分が見学した年の仕込みです。
バーボン樽による熟成で若いなりに飲める味に仕上がっていますが、香味は淡く、地ウイスキー的な癖も少ない。ピートは上述の通りライトピーテッドで余韻でほのかに香る程度、加水するといくつか得られる要素もあります。
江井ヶ島らしさはそういう点で見ると控えめ、小さくまとまってしまった感すらあります。
 
自分はこの年に仕込まれたニューポット3種類をテイスティングしているのですが、この3種類にははっきりとした違いが見られます。
平均的な江井ヶ嶋のニューポットは癖が強く、焼酎的なニュアンスもあり、いかにも地の酒、未熟な原酒という要素を強く感じます。ところが3回仕込まれるうちの1回目だけは、スムーズで癖が少なく、そしてフルーティーな要素さえ漂っているのです。
これはウイスキーの前に仕込まれるブランデーの香気が、蒸留設備の中に残っているというのが自分の予想。1回蒸気を通して清掃してますけどね、という説明があったものの、ここまで露骨に違うと確信犯ではないかとさえ思います。
その背景から今回のボトルの風味と照合してみると、この淡く淡麗な感じは1回目のニューポットが熟成した姿なのではと感じました。
 
だからどうしたという話でもありますが、いずれにしてもこの蒸留所はベースが安定していないので難しい。もちろんこのまま地の酒路線をいくのは良いですけど、そうであれば立地を活かして塩気を取り入れる工夫をするとか、もうちょっと個性を育てる工夫をしないともったいないなと感じる次第です。