カテゴリ:
YAMAZAKI 
SHERRY CASK
2016 Edition 
Only 3000 bottles 
48% 700ml 

使用グラス:サントリーテイスティング
テイスティング量:30ml
場所:BAR飲み (IAN)
テイスティング時期:開封直後
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:穏やかで甘酸っぱさのある濃厚な香り立ち。クランベリー、レーズン、プルーン、豊富なダークフルーツ感。カカオパウダー、ブラウニー、深みを感じる。徐々に生っぽいスパニッシュオークの香りもある。

味:ウッディでドライ、濃厚な口当たり。カカオチョコレートを思わせる苦味が強くあるが、徐々に微かなベリー、香木、まったりとした黒蜜の甘さを舌の中央にかけて感じる。
余韻は穏やかなタンニンの渋みと、ローストしたナッツ。ビターで長い。


2月2日に発売した、山崎シェリーカスク2016。
前回リリースされた2013は海外向けオンリーでしたので、日本国内としては2012から約4年ぶりとなるリリースです。
原酒構成は前作2013の原酒を更に2年間熟成させたものをベースに、25年以上熟成させた長熟原酒と組み合わせたもの。メーカー説明文ではスパニッシュオークであることが強調されており、深い熟成感と濃厚さがポイントだそうです。
実際色はかなり濃く仕上がってますし、らしい風味も感じます。 


山崎シェリーカスク2013は、ウイスキーバイブル2015でウイスキーオブザイヤーに認定され、世界一のウイスキーとして話題になったボトルです。
このニュースは偶然か意図的か、マッサン効果のウイスキーブーム最盛期と重なったことで様々なメディアで取り上げられ、知名度、希少性はうなぎ登り。今回のボトルもまた、その余波を受ける形で発売前から大きな話題になっています。
1月12日、発売に関するサントリーの公式発表後から酒販店の電話は鳴りっぱなしだったとか。しかし元々日本全体で1500本(抽選販売分除けば1300本)しかなく、更にそれがBAR等に優先的に展開されたこともあって、個人で入手するのは相当難易度が高かったようです。 

その肝心の中身は、過去リリースされた一連の山崎シェリーカスクらしい味わいが炸裂しており、濃厚でこってりとして、しつこいくらいのシェリー感。まさに海外の方が好みそうな構成に仕上がっています。
香りは味に比べてバランスが取れていますが、口に含むとウッディーでビターな風味がダイレクトに、甘みは後から追ってくる感じで酒質そっちのけの圧殺系です。 
ただ序盤の苦味としつこさは「ウーン」となるものの、余韻にかけてのドライさやタンニンは柔らかく、濃さの裏側にある香味の複雑さに、バッティングと加水の妙を感じる。じっくり時間をかけて、1杯を楽しむことが出来ました。
今回は口開けでのテイスティングですので、時間を置けば苦味が落ち着く、あるいは果実味が開く等のポジティブな変化が得られるかもしれません。 (その逆もありえるのが、シェリー系の難しいところでもあるのですが。)

以下余談。
毎年この時期にはウイスキーの世界的なコンテストであるWWA(ワールド・ウイスキー・アワード)の日本代表ボトルの選定があります。
今回のこのボトル、これだけの話題と濃厚さです。WWAに間に合わないにしても、今後何かしらの賞を受賞する流れにあるのではないかなと予想しています。