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KOAMGATAKE 
Nature of Shinshu RINDO 
MARS WHISKY 
Japanese Single Malt Whisky 
Limited 8200 bottles 
700ml 52% 
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:エッジの立った香り立ち、トーストしたパンの香ばしさに、乾いた草、スモーキーさ。加水すると華やかなアロマに麦芽風味、オーク香も微かに感じられる。

味:重みのある口当たり、樽感は淡いタイプでモルティーな味わいから微かに若さを感じる酸味、ピーティーなフレーバーが開く。
余韻は心地よいピーティーさと、ドライアップルやケーキシロップを思わせる、華やかな甘みがじわりと出てくる。少量加水するとバランスが良くなる。


20年以上熟成したモルト原酒と、2012年蒸留の3年モノの若いモルト原酒をバッティングしたシングルモルトウイスキー。
前者は1992年の休止前の信州蒸留所の原酒で、後者は再稼働後のものでしょう。 やはりNAであってもブレンドにおける長熟原酒の働きというのは偉大なもので、 ここ最近リリースされたマルスのシングルモルトウイスキーの中では、レベルの高い1本に仕上がっています。

マルスウイスキーの一時閉鎖は1992年、再稼働は2011年2月。現時点でそこから4年と10か月少々しか経っていません。閉鎖前のシングルカスクを除くと現在使える原酒は若いカスクのみ 。あとは某所から買い付けたとされる、数年前までリリースされていた駒ヶ岳10年用に使っていた原酒もあるんでしょうけど、どれだけ残っているかはわかりません。
リリースされるシングルモルトやブレンデッドには当然若い原酒の風味がついて回り、奥行きや味わいの幅も狭いため、 ブレンドしても苦しい仕上がりになります。どの蒸留所にしても、稼働直後は通る道ですよね。
それでも何とか飲みやすいを商品をと、 マルスではワインカスク等の濃いフレーバーで若さを塗りつぶす方針が主流になっています。低価格でそれなりに飲めるものを提供する工夫としては、評価できるのですが、それで良いかと問われると・・・。

話が逸れてしまいましたが、今回テイスティングした駒ヶ岳 竜胆は、若い原酒に熟成した原酒を加えることで、最近のマルスにはなかったバランスのとれた味わいに仕上がっています。
多少若さが垣間見れるものの、原酒の中にピーテッドタイプが使われているためか、しゃっきりとしたピートフレーバーがプラスの作用に変えている。少量加水での開きも悪くないです。 

ネイチャーオブ信州は長野の自然をテーマとしたシリーズで、この竜胆が1stリリース。
次のリリースに期待出来る1本だと思います。