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FUJI GOTENBA 
Single cask whisky 
Cask No, M000806 
Aged 10 years 
Distilled 2002 
Bottled 2012 
640ml 45% 
評価:★★★★(4) 

香り:ツンとドライな香り立ちで、香りの質は重くなく軽やか。
ビニールや新しいゴム製品にあるようなケミカルな異臭と エステリーな華やかさ。未熟なバナナ、ドライパイナップル、アーモンド、時間とともにニューポット系の若いアロマ。

味:やや若いえぐみと酸味、そしてほろ苦いオレンジピールを思わせる風味の広がり。バニラ、湿気ったクラッカー、植物の茎、オリーブオイル、漢方系ののど飴。
余韻はほろ苦く、あまり長くはない。


富士御殿場蒸留所で2015年末に突如販売された限定品のシングルカスクウイスキーです。
御殿場蒸留所での限定販売は、基本的にはグレーンが中心なのですが、不定期に限定のシングルカスクモルトウイスキーが販売されることがあります。
今回販売されたボトルは2012年ボトリングのもので、何かのイベントでボトリングしたものの余りだという話。御殿場モルトの華やかな風味は好みなのでこれはうれしいサプライズです。ウイスキー仲間から情報があり、1本購入させていただきました。

期待を胸に口開けで飲んでみると、これが如何ともしがたい雑味というか異臭が…。
ゴムというか、長靴というか、ビニールの臭いというか、違う意味でケミカルな感じ。それでもその奥には御殿場らしいエステリーなフレーバーが感じられる。これはブレンドに忍ばせるには面白いけど、単体だと中々苦しいなと、テイスティング時期はずらすことに決めました。
その後、個人開催のウイスキー会に参加した際にこのボトルも持ち込んで、好きに飲んで良いよと置いたところ随分な売れ行き。普通に美味しかったという評価で、お墨付きもいただき今回のテイスティングとなりました。
まあ改めて飲んでみても、あんまり変わって無かったわけですけどw
あの時は他にも色々飲んでましたし、グラスもリンスで使い回しだったので、良い方向に味が変わったんだろうなと思います。やはりブレンドで光りそうな原酒です。

御殿場蒸留所はニッカ、サントリーの4蒸留所に比べると原酒の人気の面では劣りますが、決して実力が無い訳ではなく、もっと評価されていい。
それこそ終売になった18年やエバモアのように、長期熟成原酒で腰を据えたブレンドに関してはコアファンからも定評があります。
差し当たって3月にリリースされる新商品などにも、こうした傾向が出てくれるといいなと願っています。