カテゴリ:
先日仲間内で忘年会を開催したのですが、いつもウイスキーばかりというのも芸がないので、ちょっと良いワインをメインにした会を開催してみました。

最近ウイスキーの値上がりがハンパないので、相対的にワインが手ごろに思えてきてしまったんですよね。ただそうはいってもワインは銘柄も作り手も桁違いに多いし、何より保存状態、熟成等ウイスキー以上に"環境"がモノを言う酒です。なんの知識もなくそこに手を出すのは忍びないし、リスクも高い。
それが今回、ウイスキー仲間がとある酒屋からプライベートストックを譲ってもらえる(しかもワイン初心者でも分かり易いワイン)とのことで、申し分ないところが揃い、ワイン会の開催となりました。

準備したワインは全てグランクリュ、いわゆる特級畑のもの。さらにすべて当たり年あるいは優良年とされるビンテージです。
また、赤の2本にはそれぞれ当て馬として同ワイナリーのハウスワインや、モンペラ等も持ち込まれました。(GSさん、準備ありがとう!)
ワインについてはほとんどと言っていいほど知識が無いので、詳しいことはいつも以上にグーグル先生任せです。気になる方は銘柄でぐぐってもらえればと思います(笑)。


まず1本目。白からいきます。
フォラン・アルベル
コルトン-シャルルマーニュ 2010 グランクリュ
FOLLIN ARBELET Corton-Charemagne Grand Cru



モンラッシュと並ぶブルゴーニュを代表する名門白ワインなのだとか。
自分は赤ワインは結構飲めるので、気が向いたときに2000〜3000円くらいの評判いいモノを調べて飲んでいるのですが、白ワインはどーも苦手で敬遠しがち。
しかしこいつは良いですね。穏やかでありながらレモンパイやを杏のジャム思わせる酸味と濃縮感と、白ワインらしい硬質感。ミネラルは丸みがあり、徐々に樽由来の渋みが口の中に表れてきます。
今回はマリアージュも狙えるかと、事前にワインの味の傾向を調べて料理もいくつか準備してありました。ボイルした野菜のクリームソース和え、スペアリブの煮つけ、ローストビーフ・・・などの中でもやはり定番、クリーム系の料理によく合いました。


2本目は自分も名前を知っていた作り手と銘柄で、今回1番のアタリ。
ジャッキー・トルショー
シャルム-シャンベルタン 2005 グランクリュ
Jacky Truchot Charmes-Chambertin 2005 Grand Cru



ワイン通に名を知られる作り手ジャッキー・トルショー。そのジャッキー・トルショーが2006年に引退する前に作り出した、ファイナルビンテージとなるグランクリュ。
ウイスキーにしろ、ワインにしろ、正直最後の年だから良いとかそういうモノでもないんですが、2005年は当たり年で作り手の評価も高いとくれば期待せざるを得ません。
これは確かに素晴らしいです。ピノノワールらしく繊細なタイプで飲みごろにかかっていると思います。香りが迫ってくるといいますか、ベリーやカシスを思わせる果実香、微かな酸味、微かな土の香りと熟成されたワインの艶、丸み、このアロマはヤバイです。
繊細なタイプだけに、味も香りもグラスの違いやサーブの違いがダイレクトに感じられます。


3本目はDRCロマネコンティ・・・の通路挟んで隣の畑。
フォラン・アルベル
ロマネ-サンヴィヴァン 2009 グランクリュ
FOLLIN ARBELE Romanee-Saint-Vivan 2009 Grand Cru



いやもう、本当に車一台通れるくらいの通路を挟んだ隣の畑なんです。調べて写真を見てびっくりしました。ただワインってほんのそれだけの違いでも、作り手のブドウ作りによって大きな違いが出るらしいですね。
で、正直このワインは最初の飲みごろというか、ウイスキーでいう個性のわかりやすいビンテージを迎えていると感じますが、まだまだ熟成するワインだと思います。
ルビーのような艶のある赤みを帯びた色、フルボディでしっかりした香り立ちは濃縮されたブドウやチェリーを思わせる果実味、後半は微かにハーブ、花のようなアロマ。タンニンと酸味も存在感があり、さらさらとした舌触り。濃厚ですが、その濃厚さの中から様々な要素を感じられるのが評価されるゆえんでしょうか。


ちなみに、ロマネサンヴィヴァンには同じく濃厚タイプで評価の高い、モンペラ・ルージュ2011をあててみました。所謂芸能人格付け、ブラインドテイスティングです。

ブラインドで飲み比べてみると、サンヴィヴァンの複雑さがさらにわかりやすいですね。モンペラのほうが後半に甘味が強く、柔らかいタンニンが心地よい。
自分は先にロマネサンヴィヴァンを少量テイスティングしていたので当たりましたが、モンペラのほうが好みだという回答になりました。仲間内はというと、挑戦した4人中3人が間違えて、さらにモンペラのほうが好みだという結果に。

2万円から10万円近い価格で取引されるワインと、方や3000円前後のワイン。
ウイスキーは価格じゃないなんていう話はよくありますが、それでもある一定値までは残酷なほど価格帯による違いがあるところ、ワインはここまで無差別級の戦いが出来るモノなんですね。
これは面白い、ウイスキーとは違った深み、迷宮があります。
こうして飲むことができたからこそ垣間見れた世界であって、非常に貴重な体験ができました。
ただまあ。。。自分はモンペラで良いかなあ(笑)