カテゴリ:
SCAPA 
"SKIREN" 
Cask First fill American oak 
Batch SK01 
700ml 40% 
評価:★★★★★★(6)

香り:ほのかな酸味を伴う甘く乾いたオーク香。ザラメ、杏、蜂蜜梅、奥からシリアルを思わせる香ばしい麦芽風味、微かにピート系のスモーキーさ。少量加水すると華やかに。

味:口当たりが少しざらつくが、中間以降はコクと厚みがある。
麦芽風味、金平糖、ドライパイナップル、オレンジピールの砂糖漬け。
余韻は樽材由来のほろ苦さ、舌の上にコクと蜂蜜の甘さが長く続く。加水で伸びる印象。

スキャパ蒸留所のニューリリースボトル。先日サントリーから2016年2月に正規品販売開始が発表されましたが、本国では2015年9月に発売されたものです。
これまで販売されてきた16年が終売となり、今後はこのノンエイジ仕様に切り替わります。

終売となる理由はスキャパの生産縮小(ないし休止)期間の影響が大きいのでしょう。最近はビジターセンターまで出来て順風満帆のスキャパ蒸留所ですが、2000年代には冬の時代がありました。 
その蒸留休止期間を考慮して熟成期間16年で逆算すると、最近のリリースでは蒸留時期の計算が合いません。おそらく在庫を払い出していたか、当時の樽を使ってオフィシャルボトルを細々作り続けていたのだと推測します。 

ご参考:"スキャパ蒸留所に関する謎" 
http://whiskywarehouse.blog.jp/archives/1022100566.html 


旧ボトルとなる16年は40%加水とフィルタリングの影響か酒質由来の味わいは没個性的でしたが、華やかなバーボンオーク香が主体となってわかりやすい味わいのモルトウイスキーでした。ファンも多かったようですね。 
ニューリリースのスキレンを旧16年と比較すると、オーク香主体の線が細くドライな香味から、あざといほどのオークフレーバーが抑えられた代わりに厚みやコクのある口当たりに。 
また若い味わいはそれほど感じないというか、熟成感は目立って変わった印象はなく(体感的には12年ものくらい)、酸味やほのかなピートフレーバーもあって、スキレンのほうが飲みごたえとフレーバーの種類は豊かになったと思います。

これは良い意味でのNA化なんじゃないでしょうか。バッチシリーズになるようなので今後の味の変化はわかりませんが、価格も6400円と旧ボトルと同じ(むしろ少し安くなった?)なのも嬉しいです。
ただ欲を言えば46%や48%仕様が欲しいところ。サントリーさん、今更バランタインスキャパエディション発表して合わせ技の前に、そっちのほうお願いできませんか(笑)。

ご参考:サントリープレスリリース 「スキャパスキレン 新発売」 (2015/12/8) 
http://www.suntory.co.jp/news/article/12530.html 

追記:国内正規取り扱いの始まった、スキャパスキレンですが、2016年5月現在で今回自分がテイスティングしているバッチ1からバッチ3までが流通しています。
バッチ毎の違いは・・・あります。バッチ1に比べて、バッチ3のほうが明らかにバーボン系のオークフレーバーが軽くなっていました。若さが強いとかそんな感じではなく、樽感のみの違いという印象ですが、個人的にはバッチ1のほうが好みでしたね。