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MIDLETON
VERY RARE
IRISH WHISKEY
Drawn from cask and bottled in the year 1990
40% 750ml
評価:★★★★★(5)

香り:軽やかでライトな香り立ち。ヒネ香と黒砂糖の甘さ、徐々にアイリッシュらしいケミカルなフルーツ香。香料の入ったジャム、微かに草っぽさも感じるアロマ。

味:スムーズな口当たりだが舌先にはピリピリとした刺激を感じる。
古酒系のヒネ感、サトウキビ、アロエ、金平糖、全体的には平坦で、余韻はスパイシー、薬のシロップの甘さが残る。


ミドルトンベリーレアは熟成がピークに達したと判断した樽からボトリングされるため、ボトリング年数しか記載がないのが特徴。 主に12年から20年の原酒が使われているという話です。
現在のミドルトン蒸留所は1975年に操業した新設備であり、1990年のボトリングだと15年までの原酒しか使えないことになります。同様のルールに基づいているならば、このミドルトンベリーレアは1975年にその役目を終えた、旧ミドルトンの原酒も使われている可能性がある、貴重な一本です。

今回のボトルは先日のオールドブレンド会にウイスキー仲間のHさんが持参され、 適当に飲んで良いよと置いて行かれたもの。 いつもありがとうございます!
上述のように貴重なボトルなのですが、保存状態が悪かったのかヒネ感が強く、個人的には「アチャーw」という感じ。しかしグラスで放置すると抜ける印象もあったので、ワインコルクを刺しておく等、少し保管に手をいれ・・・多少改善が見られたので、お返しする前にテイスティングとなったわけです。
アイリッシュらしいケミカルなフルーティーさ、サトウキビ、アロエ、ピートは無くハイボールにすると持ち前の軽やかさと合わさってライトなフルーツ感、それなりに飲める印象です。ロックはまぁ・・・いいかな(汗)。


ここ数年リリースが増え始め、ティーリングシリーズでは即日完売等話題になることも多いアイリッシュ。ティーリングは蒸留所も違いますが、アイリッシュはアイリッシュ、共通するフレーバーが感じられます。アイリッシュならではの蒸留方法などが影響しているのでしょう。
それは一つにケミカルなフルーティーさ、そして軽いボディ。個性的な味わいです。
このフルーティーさは1970 年代頃のスコッチモルトのいくつかに見られた個性に似ているため、スコッチモルト原酒が高騰する中で、 その代替品として市場から注目され始めた流れがあるように思います。

しかしご存じアイリッシュは20世紀初頭からの冬の時代から立ち直っている最中であり、そこまで原酒が潤沢にあるわけではないとの話を以前某社から聞いたことがあります。
リリースが増えるわけでもなく、むしろベリーレアやティーリングシリーズは高騰する流れでもあり、最近は代替品としての強みもあまり。。。ですが、フルーティーなウイスキーとして評価は確立しています。
リリースも徐々に増えてきましたし、今後はさらに存在感を強めて行くのではないでしょうか。