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「キリン、富士山麓やめるってよ。」
富士山麓NAとボストンクラブが生産終了、そんな情報が入ってきたのは先月のことでした。

富士山麓 樽熟原酒 50% のレビュー記事はこちら(3/23追加)
http://whiskywarehouse.blog.jp/archives/1054458385.html

オイオイマジかよキリンさん。
モノは全然違うけど、18年に続いてノンエイジもか。
っていうかこの前蒸留所の見学設備を一新したばかりじゃん。主力商品ツブしてどうすんの。
と、あまりに唐突な知らせに驚きを隠せません。
某酒屋のメルマガでは終売を匂わせつつ生産調整のお知らせまで報じられてるし、こりゃ本格的に流れがきてるのか?
答えを見つけるべく、自分もいくつかツテを当たってアンテナを広げてみました。

結論はタイトルの通り、従来品の富士山麓 樽熟50%が終売。
さらに往年のファンが多い、ボストンクラブもそれぞれ終売となることが決定。
そして来春2016年3月には、新商品として「富士山麓 樽熟原酒50%」と「オークマスター 樽薫る」がリリースされるそうです。
サントリー、ニッカが大変革を起こした中でここまで沈黙を保ってきたキリンですが、この年末に大きな動きです。
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【新発売】
・オークマスター 樽香る  40%(640ml、2700ml、4000ml)
・富士山麓 樽熟原酒 50% (700ml)
※いずれも価格はオープン(富士山麓は1500円程度を予定)、発売予定日は2016年3月22日を予定。
 
【終売】
・ボストンクラブ 豊醇原酒(640ml、2700ml、4000ml)
・ボストンクラブ 淡麗原酒(640ml、2700ml、4000ml)
・富士山麓 樽熟50%(600ml、4000ml)
※ボストンクラブは2016年6月上旬終売予定、富士山麓樽熟50%は2016年3月上旬終売予定。
該当ブランドについては前もって生産調整、生産終了となるため、キリン側の在庫が無くなり次第出荷も終了する。期日前であっても注文に対応できない可能性もある。


キリンウイスキーの古参ラインナップであるロバートブラウンは、今回のラインナップ刷新は対象外となり販売を継続する模様です。(ただしメーカーサイトではろくな紹介もされてないので、今後の動きはどうなるかわかりませんね。)
決まってしまったものは仕方なく、逆に新しい商品の味や価格が気になる人も多いと思います。 

オークマスター樽薫る
"オークマスター樽薫る"は「ウイスキーらしい樽香、チャードオークの薫香が感じられるブレンド、スッキリと飲みやすくハイボールにぴったりの味わい。」とのメーカーコメント。
同銘柄はかつてメルシャンからリリースされており、メルシャンがキリンに統合された後終売になっていましたが、ここで復活するようです。メルシャン時代とは原酒の構成が異なりますので、味わいは違うものと思われますが、元々デイリーウイスキーとして最安クラスだった価格設定方針はそのまま。オープン価格ですが、ボストンクラブの価格帯を引き継ぐという情報が入ってきています。
 
"富士山麓 樽熟原酒50%"については、一言で従来品の富士山麓のノンチルフィルタード版。富士山麓はウイスキー原酒が持つ多くの香味を残すというコンセプトから、同価格帯としては珍しい50%の高度数が採用されています。
ニューリリースでもその方針を踏襲し、より原酒に近づけるのが狙いのようです。
メーカーコメントは「澄んだ味わいの中に広がる、甘い樽熟香が特徴」とのこと。富士御殿場蒸留所の原酒のテーマである"クリーン&エステリー"をほうふつとさせるキーワードです。
価格についてはこちらもオープン設定ですが、従来品の富士山麓よりは容量も増えて若干の値上げとなるようです。
キリンの販売価格帯で考えると、ロバートブラウンが1500~2000円ですから、同じかちょい上くらいなんじゃないかと思いますが。。。個人的には5000円くらいにして、そこそこの原酒使ってくれてもええんやで、と。

→2月17日、報道発表で価格も公開されました。1500円前後になるとのことです。

富士山麓 樽熟原酒 50%

実際、富士山麓 樽熟原酒50%は、関係者情報も含めると、「ノンチルフィルター仕様」に加えて「熟成感も増した」「円熟味アップ!」とのことで、原酒配合も変えているのでしょう。ただの値上げ、というワケではないようです。
しかし正直なところ、従来の富士山麓自体がそこまで熟成感があるウイスキーではないため、そのスタート地点から期待はほどほどにすべきと言うのが個人的な経験論でもあります。
それは某N社のリニューアルで嫌と言うほど感じた話。良いですよ、これでドリンクスで販売されている20周年ピュアモルトやブレンダーチョイスくらいの熟成感を出してきたら、いくらでもスタイリッシュ土下座しますからw

なにはともあれ、メーカーの顔とも言えるウイスキーに新商品誕生と、今後の世代交代に繋がりそうな動き。
富士山麓 樽熟50%をデイリーウイスキーにしていた人から見ればショックなニュースかもしれませんが、銘柄が無くなるわけではありませんし、今のところは足される要素があるリニューアルです。
御殿場蒸留所は18年筆頭に結構好みな原酒を作ってくれていたので、明るいニュースになることを期待しています!

追記:12月10日、ビラが手に入りましたので画像を追加しました。