カテゴリ:


THE WHISKY FAIR
GLEN KEITH
Aged 40 years
Distilled 1970
Bottled 2011
Matured in Bourbon hogshead
700ml 51.8%
評価:★★★★★★★★(8) 
(開封直後の評価は★6)

香り:クッキーを思わせるバターと小麦、メープルシロップのしっとりとした甘さに、ドライフルーツの甘酸っぱい香り。アプリコット、パイナップル、熟した洋梨、非常に充実したアロマ。

味:口の中に広がる華やかなオーク香、ナッツ、麦芽、微かにヤクルトのような乳酸感。続いてパイナップルの缶詰やリンゴのコンポートを思わせるしっとりとしたフルーティーさが顔を出す。
余韻はオークの渋みと共に微かにトロピカル系のフレーバーの戻りがある。心地よくドライで、長く華やかな余韻。

グレンキースはシャープでドライと言われるくらい、そもそもボディの強い酒質ではありません。60年代は3回蒸留で尚更シャープな感じ。70年代以降はクセの少ない樽主体になっていき、モノによっては枯れていたり、ギスギスした樽しゃぶり系な味わいであることも珍しくありません。(なので多少こなれたほうが、個人的に好みに振れるのだと思います。)
3回蒸留時代は別物とするなら、2回蒸留となった1970年や71、72年あたりが、麦芽、樽のアドバンテージにより、キースの当たり年の一つと言えるのかもしれません。

1970年蒸留の中でもこのウイスキーフェアのキースは、度数が高いこともあって時間経過でもへたれず、強い樽香を受け止めています。
口開けはチーズのような妙な乳酸感が強く、面白いけどぱっとしない。その時点でのテイスティングなら、高い評価はつかなかったボトルでした。この時ちょうど持ち寄り会をしていて、みんなの反応も「フーン」だったような。
それが開封から約2年半、徐々にフルーツが出始め、そしてここまで開くとは…。 
今がまさにピークという感じ、香りもさることながら、味わいが絶妙な開き具合です。
評価は★7か★8で悩みましたが、伸び代の評価でギリギリ★8とします。

同時期にリリースが集中した1970のキースは、妻が気に入っていたため自宅ストックのみならず色々飲んできました。
フェア、MOS、TWA、SS…その中でも、このキースがランキング急上昇。70キースの中でベストボトルだと思います。
こういうボトルは、改めてみんなの感想を聞いてみたいですね。