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LONGMORN
GM for Intertrade
Highlander label
22 Years old
Distilled 1969
Bottled 1991 
750ml 61%
暫定評価:★★★★★★★★(8)

香り:ドライパイナップルを思わせるオーク香、麦芽、微かに灰っぽいミネラル感、グラスをスワリングすると奥からトロピカルフルーツ、黄桃等の熟した黄色いフルーツが顔を出してくる。香りは発散するイメージでどんどん広がる、実に充実している。

味:アタックはしっかりあるが、アルコールの角は丸く、テクスチャーは整地されている。瓶熟ゆえの程よい古酒感。
序盤は香り同様のオークフレーバーと麦芽風味、蒸かした栗の甘み、中間以降は微かなスモーキーさと共にどんどんフルーティーなフレーバーが広がる。熟したパイナップル、黄桃、ドライアプリコット。
余韻は柔らかいハイランド系のピーティーさとフルーティーさが混然となって2段階、3段階と非常に長く続く。


WL最古参会でのテイスティング。タケモトさん持参の1本。
知ってる人はラベルを見るだけで高まってしまう、最強クラスのロングモーン。
このボトルもまた複数回飲ませていただいているのですが、特に今回は最初からいかせて頂いたことで、かなり印象に残ったボトルでした。
最初はグラスの特性かオーク系のニュアンスが強く感じられましたが、その裏からどんどん出てくるフルーティーさ、味も余韻にかけてぐんぐん広がり、変化しながら長く残る余韻。
いやーたまりませんね。これぞロングモーンという感じです。 

最近リリースの多い1980年代、90年代のロングモーンは、シェリーは難しくとも、バーボン系なら樽感は共通するモノが出ることもあります。
しかし樽要素とは違う部分、酒質そのものと言える味わいに大きな差があります。具体的には味わいの底支えになる部分、中間から広範にかけて広がるフレーバー。そのフレーバーは所謂トロピカルフルーツと称される熟成香。それも熟したそれが発する、妖艶と言うか人を虜にするのに充分すぎる味わいがこのボトルにもあります。 

また4〜5年前に集中的にリリースのあった60、70年代蒸留の長期熟成については、素晴らしいボトルも多いのですが個性が弱っていたり、枯れてドライな風味が強くなっているケースも見られ、こうした60年代蒸留で20年程度の熟成というスペックの素晴らしさを思い知らされます。
なおラストショットだったこともあり、前飲んだ時よりフルーツ感が落ち着いていた印象でした。潜在的には★9クラスの高いレベルにあるモルトウイスキーです。

テイスティング:ラストショット 及び 途中複数回。
使用グラス:木村硝子 古酒