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先日、ウイスキー特級時代の魅力について記事をまとめる中で、リスクとして状態が悪いボトルについてもまとめました。
キャップの影響、あるいは経年での温度変化などによる香味の変質、こうした変化が積み重なって、飲み手にとって悪い味に認識される、劣化状態となったボトルが、いわゆる状態の悪いボトルであり、ハズレと言われるものです。オールドボトルの世界では光と影のようなもので、回避することが不可能な問題でもあります。

では状態が悪いボトルを引いてしまったら、どうすればいいか。
あきらめてボトルを廃棄し、次のボトルにいくなんてことは中々出来ることではありません。
散々手を尽くして、自分なりに納得できれば多少の出費も勉強代として納得できますがどうにかリカバリーすることはできないか。今回はそのリカバリー(ごまかし)方法として自分が実践しているものを、いくつか紹介いたします

①キャップをコルクに変えて放置する。
効果:金属臭、樹脂(プラキャップ)臭並びにヒネ香の軽減。
副作用:香味が多少ボケる可能性もあります。
コルクは写真のように少し浮かせて刺すのがコツです。コルクを通じて微量な空気が出入りすることで、通常よりも加速的に香味を開かせ異臭をごまかす、軽度なモノであれば体感的にはほぼ消滅させることができます。

なお、オールドボトルの口径は現在販売しているノーマルなボトルよりも太いことが多く、ワインコルクや大口径のコルクを用意しておくと良いですね。とりあえず1ヶ月くらいこの状態で様子を見ましょう。オフフレーバー対処法で最もオーソドックスな方法と言えます。

 ②ボトルを移し替える。
効果:プラキャップ臭の軽減
副作用:特になし。見た目が変わってしまうくらい。
現行品で飲み終わった別ボトルに入れなおして放置する。①と組み合わせると効果的です。理由はよくわかりませんが、以前樹脂系のキャップ臭が出てしまったボトルで試したところ、ただ放置したボトルに比べて効果が見られました。

 ③冷蔵庫で一度冷却する。
効果:ヒネ、味のボケの軽減。
副作用:檻が出る恐れあり。 
冷却状態から温めることで香味が開く効果が期待できます。液面低下の影響等で口開けで味がパッとしないもの、ヒネが強いボトルに効果が感じられます。
ワインセラー持ちの方はセラーで縦置きでも良いですが、一般家庭で妻子持ちの方は冷蔵庫の使用に理解を得る必要があります(笑)

④少しだけ違うウイスキーを加えてみる。
効果:プラキャップ臭、金属臭、ヒネ、味のボケの軽減。
副作用:もはや別物になってしまう。
最終手段と言える技で、違う原酒が入るため元のウイスキーベースの何かになってしまいます。お店で出す商品には使えませんね。ただそれがキッカケになるのか、オフフレーバーの軽減が感じられたケースがありました。ノーマルなブレンド他、どシェリーやバーボン樽のシングルカスクを少量加えてみても良いかもしれません。

⑤ハイボールにして飲む。
効果:軽度のコルク臭、金属臭、ヒネの軽減。
副作用:特に無し。
重度のオフフレーバーは出てしまうと手の打ち用が無いのですが、軽度であっても中々リカバリし辛いのがコルク臭です。放置しても抜けない、香りというより味の後半、余韻のところで強く出るため、誤魔化しにくいんですよね。これがハイボールにすると薄まるためか、状態が良いもので作るより味は落ちるもののなんとかなるケースがあります。ヒネに関しては良い塩梅に軽減されるため、自分がオールドハイボールを勧める理由でもあります。

科学的な検証は何もしていませんが、以上は実際に自分が飲んできた中で体感的な効果が得られたものです。これ以外には、グラスをテイスティンググラスからロックグラス、ショットグラスに変えてみるというのもあります。もともとダメなボトルですから、いろいろ試して何とかなれば儲けものですよね。
この他、こういう方法があるというのがありましたら、自分も検証してみますのでぜひ教えてください!