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つい最近、かと思ったらモノとしては2013年にアメリカ向けを想定して新発売していた、シングルバレルの新シリーズ。バーボンバレルに12年、そこから加水調整しての樽出しで、ロット差は多少あるもののボトリングはだいたい1ロット300本前後とのこと。
日本には2014年末くらいに平行で入ってきはじめたように思います。
気になっていたボトルで、ちょうど先日の持ち寄り会で飲むことが出来ました。
(GSさんいつもありがとうございます。)

THE BALVENIE
SINGLE BARREL
Cask type FIRST FILL
Aged 12 years
700ml 47.8%

暫定評価:★★★★★(5)

香り:ふかした栗やサツマイモを思わせるでんぷん質な甘さ、林檎や少しの草っぽさ、オーク材由来のフルーツ感のみならず、渋みや木材感と合わさって、モンブランのよう。全体的にはツンとしたアルコール感がある。

味:ザラメを思わせるドライな甘さ、オーク香、バニラ、麦芽風味、ツンツンした刺激の強さを感じる酒質で中間含め勢い良く広がるイメージ。
フィニッシュはドライでオーキー。乾いた木材やドライパイナップルの爽やかなフレーバー。若干のえぐみも伴う。

まさにバーボン樽熟成の代表格的な味わい。すなわち、近年のモルトウイスキーを代表するタイプのひとつと言ってもいい構成。
少量加水するとクリーミーな風味も出てくる。ストレートではアルコール感が強いため、飲み方で調整したい。ハイボールは気持ち薄めが良い印象。爽やかな味わいで悪くない。

そういえば以前飲ませて頂いた、蒸留所限定カスクサンプルもこんな感じでした。ただし度数が高い分カスクサンプルの方が荒らい印象はあり、こちらのほうがうまくまとめてるなと思います。
個人的にはこういう華やかな乾いたオーク系のフレーバーより、メイプルシロップを思わせる、少しの琥珀色を帯びたバーボンバレル熟成のタイプの方が好きなのですが、そちらはあまりリリースされませんね。

もともとバルヴェニーは15年で同様のリリースを行っていましたが、15年を終売とし、そのノウハウで新しく展開した形となったのが、このシングルバレル12年です。
今のウイスキー業界の流れだと、熟成年数が若くなったり、あるいはノンエイジになる変化はお約束的展開。
それでいて値段も据え置きか若干値上がりかというところでしたが 、バルヴェニー12年に関しては、 据え置きあるいは値下げとも言えるラインで、 良心的な設定となっています。

他の蒸留所を見ても、オフィシャル、ボトラーズ含めてリリースされやすい味わいで、1杯あるいは1本買って飲んでも今後の経験として損は無いと思います。