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昨晩、ちょっとお届けものがあって銀座の信濃屋さんに顔を出しました。
で、さっと帰ろうと思ったんですが、アレ飲みました?から始まって色々試飲させてもらっちゃいました。
銀座の街が動き出す夜の時間、お忙しいところお邪魔して申し訳ございません。
信濃屋さんからはつい先日、ケイデンヘッド・アルターベン1992とデュワラトレー・ボウモア1989がそれぞれリリースされ、いつものごとくネットは瞬殺だった模様。
ハズレの少ない安定したリリースを続ける信濃屋さんのネットワークは流石だと思います。

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アルターベン1992は所謂最近のケイデンヘッドや一時期のダンカンテイラーによくあったような、フルーティー&バニラなオーク味。
口に入れた瞬間ふわっと広がるレモンキャンディーやドライフルーツの香味、バニラ、シトラス、かすかなシナモンと後に続くドライなオーキーさ。非常にわかりやすい味で変なクセもない、実に優等生という印象です。
ただ、厳しいことを言えばその裏に続く味が無く、あくまで近年リリース的構成なのも事実。この手のボトルは今後もリリースされることは間違いないでしょうから、買えなかった方は落胆せずBARで1杯飲んで次に備えれば良いと思います。

そしてもうひとつ、今回注目のリリースがボウモア1989 デュワラトレー。
最近1990年代リリースもめっきり無くなったところに10年またいで1980年代。しかし心ときめかないのは、1980年代のボウモアが魔のパフューム時代だから。まぁパフュームボトルも最近貴重になりましたよね。
が、このボトルはそんなに気にならないようです。
どばどばサンプルを注いでくれたときは 「おい、パフュームダメだって知ってるだろw」
ってツッコミたくなりましたが、引きつる顔を抑えて恐る恐る香りを確かめると・・・あれ、確かに居ないと。


A.D.RATTRAY
BOWMROE
For Shinanoya
Aged 24 years
Distilled 1989
Cask No,7920 (1st fill Bourbon barrel)
700ml 47.4%

”うっすらとダシ、塩水、ピートスモーク、黒土、かすかに花のような香りがある気もするが明確にパフュームと認識されるそれではない。味はピートが強く、そこにバーボン樽らしいオーク感。1990年代のボウモアの構成をそのまま持ってきたよう。”

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ボウモアにおいて1990~1992年はパフュームからの脱却時期で、あるものと無いものが混在する。
そして1993~4年あたりからは完全脱却の認識だったのですが、1989年にもこういう樽があるんですね。
フルーティーというよりはダシ、ピートメインで93、94、95あたりにあった強いフルーツ感には及びませんが、王道のボウモア味で安心して飲めます。
ひょっとしたら口開けはパフュームがもう少し香るのかもしれません。サンプルを飲む限りでは1980年代と1990年代の融合という売り文句は正鵠を得ていると言う感じです。

残念ながらこのボトルは既に売り切れていますが、信濃屋さんの店頭在庫で気がついたのが、同ビンテージの1989の25年モノ、樽は1st fill バーボンバレルで同じ、樽番号2番違いの7918が日本市場に入ってるんですね。

参考:デュワラトレーボウモア1989(25年) 46.7% Cask No,7918 
http://www.shinanoya-tokyo.jp/shop/shopdetail.html?brandcode=000000003248&search=%A5%DC%A5%A6%A5%E2%A5%A2%A1%A1&sort=

値段がビミョーにというか結構違いますし、これは飲んで無いのでなんとも言えません。
メーカーコメントでは同じような傾向である気がするんですが・・・隣の樽でも全然味が違うのがウイスキー。
しかしこういうボトルこそ、飲み比べとか出来たら面白そうですし、ボトラーズのモルトを飲む楽しみの一つだと思います。