カテゴリ:
シェリー樽熟成のモルト中心にリリース を行う蒸留所にアベラワーがあります。
かつては質の良いシェリー感豊富なリリースが多かった蒸留所ですが、この蒸留所も他に例を見ず疑似シェリー系の味が中心になっています。
知りませんでしたが、日本では正規代理店が無いんですね。
今回その免税向けニューリリースである、シェリーカスクの12年を飲ませて頂きました。

ABERLOUR
12 Years old
SHERRY CASK MATURED
1000ml 40%

暫定評価:★★★★★(5)

香り:ドライオレンジ、レーズンなどのドライフルーツを思わせるシェリーと木材の香り。重さはあまりないが生木っぽさのある香りで、近年のシェリー樽熟成という印象。

味:甘くスムーズな口当たり。レーズン、キャラメル、ホットケーキの甘さ。徐々に木材のニュアンスがあるが、全体としては滑らかで甘口、後半に重さを感じる。フィニッシュはドライ、香り同様に生木っぽさが残る。


良くも悪くも近年スタンダードタイプ、多様なリリースがある最近のアベラワーの中では、アベラワーらしいと言えるバランスタイプのウイスキーなのでしょう。
個人的にはアベラワーは近年ではアブナック、オールドでは角瓶8年、濃厚シェリータイプという印象が強いのですが、1980年代頃からはVOHMや旧12年などシェリーをベースにしたバランス型のボトルが主軸にあったように思います。
まぁシェリー感という意味では別モノですけど。

メーカー側の資料を見ると、マスター・ディスティラーがスペインで買い付けた新鮮なオロロソ・シェリー樽で熟成されたモルトとあります。上述の流れの続きになりますが、スペインのどこで買ったのか、そもそもオロロソっていうか樽仕上げ用のオロロソタイプの疑似シェリーじゃないのかとか、疑問がないわけではないんですが、過去との違いは明かなのですから、メーカー側もそろそろ公開しても良い気がするんですよね。

免税向けのボトルですが、平行品で国内市場にも入ってきており、値段はリッターサイズであることを考慮すると手頃なところ。この手のシェリー樽熟成ウイスキーが好きな方は、アベラワーらしくベースに変なクセは無いので安心して飲める味だと思います。


〜シェリー樽について〜
ウイスキー飲みなら聞いた事があるけれど、 知識としてアバウトである代表例が「シェリー樽」。
「シェリー樽はシェリー酒の熟成に使われ、 ソレラシステムから払い出される樽」
こうしてざっくりとした分類のみが一人歩きしていましたが、 スペインで起こっているシェリー樽を取り巻くビジネス事情に光が 当たり始めたのは、つい最近のことだと思います。

いわゆる疑似シェリー酒を詰めたシーズニングによる、ウイスキー熟 成用のシェリー樽の製造。また、 ヘレス地方では無い他の地域で作られた酒精強化ワインを熟成させ ていた樽も、シェリー樽に分類しているという話など。( 一部の方々は早くから疑似シェリー樽ビジネスについてご存じで、 私も色々教えて貰いました。自分は詳しくない人です。)
これら疑似シェリー樽をシェリー樽分類することについては、現 地で規制の議論が行われているそうです。まぁそうですよね・・・ 疑似シェリーはシーズニング後に捨てるか蒸留するかしてしまうそ うで、 市販のシェリー酒と同格で扱うかは素人目に見ても議論の余地があ ります。
自分はうまけりゃいい派ですが、 例えば本当にソレラから払い出したモノはソレラ・ シェリーカスク。 疑似タイプでシーズニングが浅いものはフレッシュ・ シェリーカスク。シーズニングが長いものはオールド・ シェリーカスク。とか、 分けて貰えると飲み手側の議論が進みそうだなと思ったりもします