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ニューリリースがあったら試してみようと考える蒸留所の一つが、エドラダワー。
昨年飲んで思わず購入したオフィシャル10年、その特徴であるクリーミーさは、シェリー、バーボン、どちらの樽とも相性が良いようで、直近のリリースではフェアリーフラッグにバレッヒェン、良い出来だと感じるボトルでした。

エドラダワーはボトラーズからのリリースは少ないですが、シグナトリー資本の蒸留所であるため、シグナトリーからは年何回かのリリースが行われてるようです。
今回、2015年詰めのニューリリース、アンチルフィルターコレクションのエドラダワー10年をテイスティングすることが出来ました。


Signatory Vintage
The Un-Chillfiltered Collection
EDRADOUR
Aged 10 Years
Distilled 2004 Nov
Bottled 2015 Jan
46% 700ml

暫定評価:★★★★★★(6)(!)

香り:お菓子のカラメリゼを思わせる焦げ感の少しある甘い香り、バタークリーム、プルーン。生木っぽさも少々あるが、全体的には嫌みの少ないふくよかで濃いアロマ。

味:口当たりは甘口濃厚でしっかりしたシェリー感、そこにエドラダワーらしいクリーミーさ。濃い目のシェリー感と合わせてカフェオレのよう。プルーン、葡萄の皮、タンニンがフィニッシュにかけて感じられる。コクのある味わいで、余韻も長い。
このクリーミーさが無ければ、ひどく単調なただの近年シェリー系ウイスキーになっていた。


シェリー樽は影響が強いので、スペイサイド・ハイランド系は全体の完成度で比較することが多い中、エドラダワーは濃い味わいの中でも個性が感じられるのが特徴だと思います。
このボトルもこってりとしたシェリー感に現行エドラのクリーミーさがマッチ。先日記事にしたフェアリーフラッグにも似た構成です。加えて値段が5000円程度になるということで、流石資本元のボトラーズリリース。
猛暑の夏には閉口してしまう構成ですが、秋の新作としては店頭に並ぶのが楽しみなボトルです。

それにしても、エドラがここまで面白い蒸留所だとは思いませんでした。
まだ直近のリリースで突き抜けたボトルに出会ったことはありませんが、将来性を感じる味わいです。
昨今、ボディというかコクというか、ウイスキーそのものの味が薄くなったということは、たまにテイスティングの中で触れますが、このコクをクリーミーさが補ってくれて、飲み応えのある味わいに仕上がる傾向が感じられます。
オフィシャルの通常進化はもとより、例えば2000年頃の蒸留で、25年くらいでバーボン樽、ピーテッドで48%とか良さそうだなあと、先のリリースにも期待しています。