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先々週の飲み会で飲んだ素晴らしく旨いハイランドパーク。
諸々あって記事化に時間がかかり心苦しいですが、書かないのはもっと申し訳ない。
サンプル交換の後、相手のコメントを見ながら飲み直すのは楽しみの一つです。
リアルタイムで意見交換、共有するのも楽しいですが、こういう楽しみ方もある。
「そうだよ、ここが良いんだよ。」とか、ブラインドなら「この要素あるよなー」とか「ここまで絞ってきたかぁ」とか、一人でにやにやしてるわけです。
うん、完全に変態レベルですね。あれ、この話どこかで聞いたような・・・(笑)。

だったら飲ませて貰った相手のボトルも「どう旨いか」まで踏み込んで伝えたい。
今回は特に好みだというボトルをいただいているので、しっかり飲ませて貰いました。

HIGHLAND PARK
Distilled 1970 Nov
Bottled 2001 April
Aged 30 years
700ml 50%

暫定評価:★★★★★★★★(8)(!)
(抜栓後1週間程度をテイスティング。今後さらに開きそうな印象を受けたため、!として要注目。)

香り:蜂蜜や熟したオレンジ、濃い紅茶を思わせる厚みのある濃厚さ。リフィル系のバランスのいいシェリー感、徐々に嫌味のない土や植物の香り、これはヒースだろうか。
スワリングするとこれらが混然となって容赦なく周囲に発散する。そのアロマは凶悪の一言。

味:コクのある滑らかな口当たり、分厚く濃厚な麦芽感、蜂蜜、ママレード、香りよりも蜂蜜的な要素が強く、その後柔らかいピート香が蓄積していく。余韻は甘くスモーキーで長い。
香りに対して味が開ききっていない印象を受けたものの、飲み進めれば半年後くらいにさらに開いていきそうなポテンシャルも感じる。


やはり1970年代のハイランドパークは素晴らしいものが多いなと感じさせてくれる1本。
大変すばらしい1杯(+おかわり)に感謝です。が、欲を言えば先日飲んだ中で一番手元で変化をみたいボトルでしたw

このボトルはウイスキー仲間のR氏持参の1本ですが、自分が一番うまいと思うハイパを持ってきたという言葉通り、おっしゃる通りとしか言えないボトルです。
ハイランドパークらしさはコクのある蜂蜜のような甘さと、そこを引き締めるピートの苦み。
所謂ハニーヘザーと言われる要素において、このボトルは特にハニー系の要素が強く、ピートが控えめなのはそれだけ当時の製造方法にバラつきが多かったか、あるいはブレンドに回す原酒等で作り分けをしていたか、熟成以外の要因もあるのでしょうか。

OMCは元々ブレンデットを作っていたメーカーで、買い付けていた原酒をボトラーズとしてリリースするようになったのは1990年代に入ってから。最近こそ原酒枯渇が見られますが、2000年前後のOMCのリリースは他の古参ボトラーズ同様に伝説的とも言えるレベル。ボウモア、アードベッグ、ブローラ、ポートエレン・・・印象に残っているボトルを上げるだけできりがありません。今回のハイパもその一つにカウントされるボトルであることは間違いありません。
ただ、シングルモルト業界に参入する前は、こんなに素晴らしい原酒でもブレンドに使われていたという事なのでしょうから、シングルモルトフリークからすれば「なんてことを・・・」と嘆きたくもなります。