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ちょっとした予定から、バックストーリーが面白いウイスキーを手持ちから選定することになりました。
確かにあるはあるんです。でも開封済みだったりして未開封ボトルは無難なモノしか残っていない。
困ったことにネタ的な要素が強いボトルは、買うとすぐ開けてしまうんですよね。。。
さーて困ったな、何があったろうか。
開封済みボトルを眺め、なぜ2本買っておかなかったかナァと、当時の自分に疑問投げかけつつ昨日は酒棚を漁っていました。
とりあえず今夜はその酒棚から出てきた1本で、なぜか最近家飲みのコースから外れていたものを。

GLENLIVET (MINMORE)
CADENHEAD
Authentic Collection
AGED 22 YEARS
Distilled 1974 Aug
Bottled 1997 Apr
52.2% 700ml

評価:★★★★★★★(7)

香り:バーボンオークの芳醇なオーク香、樹液のような艶のある香りでもある。パイナップル、煮たリンゴ、微かに甘栗のような香ばしさとシナモンのアロマ。飲み進めて揮発が進んでいくと、さらに多様なフレーバーが顔を出してくる。

味:口当たりはフレッシュで勢いがある。煮たリンゴを思わせる果実感、蜂蜜、麦芽の香ばしさ、そしてスパイシー。フィニッシュはほのかにシナモン、ニッキのようなクセを伴う。オーキーでチャイなどのアジア系の紅茶を思わせる長い余韻。
加水するとリンゴ感、甘みが引き立つ。特に味ははっきりと青リンゴ(王林タイプ)の果実感、ボディや全体の構成は崩れないのでストレートで飲みつつ少量加水から試したい1本。しかし加水後はほんの少しパフュームライクな表情もあり、危うさを感じる一面も・・・。


バーボン樽はバーボン樽でも、ホグスじゃなくてバレルのほうで、強い樽感を感じるものの、熟成期間が適度であることから、バランスのいい香味に仕上がっています。
特に香りが素晴らしい。ローカルバーレイなどの伝説的なボトルからもこうした艶のあるオーク香が感じられることがあるのですが、それと同等のオーク香で、そこだけで思わず笑顔になってしまいます。
そして加水するとさらにリベットらしいリンゴ感が分かりやすく、樽の良いところと原酒の熟成状況がマッチした、まさに熟成のピークにある酒だと感じます。
いったいどんな樽だったらこういう香味に仕上がるのでしょうか。興味は尽きません。

ラベルに書かれたグレンリベット・ミンモア(Minmore)の意味は、グレンリベット蒸留所の所在地に由来しています。というのもケイデンヘッドのオーセンティックコレクションは、かつてスコッチに勃発したグレンリベット騒動(例えばマッカラン・グレンリベット表記)の時代を踏襲しており、○○・グレンリベットという表記が多く存在します。
その中で、使われているグレンリベットと差別化を行うため、ミンモアにあるグレンリベットだよという、独自性をPRするための策だったと聞いています。
またミンモアで熟成させたグレンリベット(つまり熟成後オフィシャルから買い付けたもの)にはMinmore表記があり、蒸留段階など若い段階で買い付けて違う場所で熟成させたものにはMinmoreの表記が無いという話も聞きましたが、これはどっちの話が正しいのか。



たしかにオーセンティックコレクションのリベットにはこの表記のあるものとないものがあります。
まぁ最近はともかく、当時のラベルデザインや表記は、スコットランド人よろしく結構テキトーなことが多いので、一概に言い切れない部分はあります。
いずれにしてもグレンリベット蒸留所の所在地に由来することに違いは無いので、さらにテキトーな私は「どっちでもいいか」くらいにしか思って無いんですが(笑)

それにしても、これだけ開封済みが転がっていると死角に入っちゃう子はいる。
不遇な扱いをしてしまったことを詫びて、今後は集中的に介錯していこうと思います。だっておいしいから。