クライヌリッシュ28年 (1982-2011) オールドモルトカスク
一部関東地域の方にしか通じない話ですが、昨日の夜の突然の大雨、すごかったですね。
ちょうど駅に着いたときにパラパラと振り出していて、あぁこれは困ったなぁ、通り雨だろうしどこかで1杯やって通り過ぎるのを待つか・・・なんて考えたりしたのですが。
その後、まさにバケツをひっくり返したような大雨が降るとは。
飲んで遅くなってもいい大義名分を逃し、帰ってしまったことを若干後悔しました(笑)
でもおかげで部屋の空気がひんやりして気持ち良いです。
そういう環境ならウイスキーが旨い。
流石に熱帯夜に常温でフルボディなウイスキー飲むのはキツイですが、文字通り恵みの雨で1杯をじっくり楽しめました。
CLYNELISH
OLD MALT CASK
Aged 28 years
Distilled 1982 Dec
Bottled 2011 Aug
700ml 50%
評価:★★★★★★★(7)
香り:フレッシュでフルーティーな麦芽香。バニラの甘さ、蜂蜜レモン、オーク、そして程よいスパイシーさが鼻腔をキックする。樽香と麦感が良い具合に融合している。
味:香り同様の構成だが、ホットケーキを思わせる麦感をベースに、蜂蜜レモン、ドライパイナップル、オイリーでコクがあり、フルボディなモルトでスパイシー。
フィニッシュはオーキーでドライ。オレンジピールと蜂蜜、長く続く。
少量加水すると麦感が更に開いてくる。レモンピールを思わせる爽やかさを伴う麦芽風味に、余韻のスパイシーさは心地よく響く。ハイボールでは特筆する要素は無く、ストレートまたは少量加水でどうぞ。
ニャンです。・・・間違えた、ネコです。
クライヌリッシュ=子猫、山猫。 ブローラ=親猫、グリフォン。というのが仲間内での呼び方。
クライヌリッシュは新蒸留所と旧蒸留所があって、旧がブローラなワケですが、このブローラはかつてはクライヌリッシュと呼ばれていました。なので、当時のボトルは「親猫が子猫だったころのもの。」なんて言って区別したりしています。まぁ滅多に出会えませんが。
今回は子猫のほう、今では貴重になってしまった1980年代蒸留のクライヌリッシュ。ボトラーズのクライヌリッシュで久々にいいなと思った1本でした。1982はクライヌリッシュの当たり年でもあるらしいのですが、個人的には酒質に劇的な変化があるわけでもなく、樽次第な印象が強いです。
クライヌリッシュのキャラクターは70年代でも90年代でも、本質的なところは同じ方向を向いています。
簡単に文字に書き起こすと、オイリーで、ボディーがあって、麦芽系のフレーバーが豊富で、モノによっては柑橘っぽさが感じられる。良いじゃないですか、普通に美味しそうです。
流石に年代によってフレーバーの厚み等は違いが感じられますが、ハウススタイルを守り続けるそのスタイルにも好感が持てます。また様々なモルトの共通する香味を備えていて、ウイスキー飲みなら一度は飲んでおきたい銘柄でもあります。
(一説によると、このハウススタイルの一つであるオイリーさは、蒸留器のネック部分を洗わない事から生まれているとかいないとか。)
ただ、あるじゃないですか。人間関係でも。
この人は凄く良い人で仕事もそつなくこなすし趣味も合う。でも、私生活でまで交流しようとは思わない。
良いか悪いか、好きか嫌いかは別。そんなグレーな気持ちに折り合いを付けて大人になっていく。
ウイスキーブログで人生論とか何を語ってるんだコイツはって、いやつまり、自分あんまりクライヌリッシュに惹かれないってことなんです。
旨いボトルがあることもわかっていて、蒸留所のハウススタイルも安定している。大ハズシは未だ当たったことは無い。
オフィシャルボトルの値付けはさておき、先日発売されたセレクトリザーブも中々良い出来です。
そして今回の1982、発売当初から「当たり年」などと煽られていただけのことはあって(当たり年だったかはともかく)、しっかりしたボディーにフルーツ感、後を引くスパイシーさ、普通に旨いシングルモルトです。
あー悔しいけど旨い、けど何か悔しいな。グレーな気持ちに折り合いを付けて、今夜もまた大人の階段を上るわけです。
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