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このウイスキーを飲むのは実に7-8年ぶりです。
確か大学院時代、今から8年前。竹鶴12年でウイスキーの魅力に取りつかれはじめたころ。
学生だった自分に余市10年は高嶺の花、気になるけど買えない・・・そんな日々の中でノンエイジの余市が販売されることを聞き、これは素晴らしいと歓喜したわけです。
北の風土に磨かれた、熱い炎に鍛えられた。アメージンググレイスが流れるCMも妙にカッコいい。
ところがいざ飲んでみると、若い原酒のえぐみを強く感じてしまった自分は「このシングルモルトは失敗作だ。使えないよ」とおいしん○゛よろしく言い放ち、そのまま今日に至ってしまう。飲み手として完全に悪い例です。
そういう背景から、自分の未熟さと、ノンエイジ余市の良い部分がわかったテイスティングでした。

NIKKA
SINGLE MALT
YOICHI
43% 180ml

評価: ★★★★(4) (!)

"華やかでザクロやドライアンズを思わせる甘酸っぱい香り立ち、食パンのふっくらとした麦の香り、香りはパワフルというかトゲトゲしさがある。時間と共に若い香りが強くなってくる。
口当たりは同価格帯のスコッチと比べるとリッチで飲み応えがある。香り同様の甘酸っぱさと若いモルトのえぐみ、微かなニューポットっぽさ、そして中間からトースティーな香ばしい麦芽風味が出てくる。
フィニッシュはややべたつきがある。スモーキーで、微かに石炭のアロマ、香ばしい余韻。 "


余市終売の一報をはじめ、ディープブレンドの発売、さらに今後のNAニューリリース。
余市関連は今後大きな変化が予定されており、とりあえず教材として小瓶くらい持っておいても損は無いかなと、近所のコンビニで購入したのがきっかけ。
飲み始めの頃の記憶しか無かった自分ですが、こうして飲んで見ると余市らしさもしっかり感じますし、少々単調ですが良いシングルモルトだなと感じます。

特に現行品10年に通じるフレーバー構成であることはポイントです。
10年からシェリー感(硫黄含む)と多少の熟成感を抜いた感じと言いましょうか、余市の特徴と言える麦芽感と厚みのあるフレーバーを感じます。
むしろ12年、15年よりNAの方が変に樽感が強くないので、特徴がわかりやすいくらい。
これなら余市好きな方が普段飲み用に重宝されているのも頷けます。

加水は若さが強く感じられるようになり、ハイボールもえぐみが感じられるのであくまでストレートで。

今のノンエイジは、これだけの味と構成をこの価格で出してるわけですから、ニューリリースの話がある新NA余市はがんばらないと納得してもらえませんね。