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ニッカ値上げに関する詳細情報を先日の記事でUPしましたが、その値上げの対象となるひとつが伊達。
9/1からの値上げ額は670円で、税込約3900円に。まぁこれまでが割安感のあったブランドなので、これでトントンくらいかなぁと。 
このボトルは今年の誕生日に宮城在住のオヤジから送られて来たモノで、ちょうどいいタイミングでした。
仙台に実家がある自分としては、思い入れのあるウイスキーです。

NIKKA WHISKY
DATE
SENDAI MIYAGIKYO
43% 700ml

評価:★★★★★(5)

"甘く香ばしさのある樽香、スーっとするメンソールのようなアルコール感、モルティーだが微かに若い原酒由来のえぐみも感じる香り。
口当たりは柔らかくリッチな甘さ、ほんのりとカラメル風味、そこからじわじわとオーク由来のフルーティーさ。
フィニッシュは熟したバナナのような甘さ、徐々に樽材由来のウッディーな渋みが顔を出す。
加水するとアルコール感は引っ込み、柑橘系の爽やかなアロマと麦芽香が前に出てくるが香りが開く印象はない。また、味のほうもスムーズにはなるがフルーティーさが弱くなってしまう。余韻の苦みは変わらない。"

伊達は初版の500mlから…この700ml仕様で4版目でしたっけ。昔はネットでも買えないご当地限定として話題になりましたが、今では普通に買えますね。
記憶を遡ると、以前のバッチではシェリー樽由来という甘酸っぱさが主体的に感じられましたが、このロットは竹鶴12年簡易版的な、モルティーでフルーティーな風味に切り替わって、これはこれで旨いウイスキーに仕上がっています。
当時はそもそもシェリー樽熟成であんな甘酸っぱさが出るのか、実はアップルブランデーの熟成樽なんじゃないのかという疑問があったりもして、結果真相は分からず、まぁニッカ味だねなんて落ち着いたのが懐かしい。

少々脱線してしまいましたが、この伊達はブレンドにしてはモルティーで、現行ニッカの正統派路線ともいえる香味の構成です。竹鶴シリーズに比べてフレーバーの輪郭はボケているものの、竹鶴17年、21年に共通する、バーボンオーク樽熟成の原酒に見られるフルーツ感があり、フィニッシュが安ウイスキーにありがちなべったりした感じにならないのも好印象。
ただ繊細なバランスの上で成り立っているのか、少量加水でもキャラクターがガラっと変わって特に香味が開くわけでもなかったのは意外でした。

ストレートで飲むなら充分イケるウイスキーです。