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ロシア資本に買収された当時のグレングラッサがリリースした、ある種のコラボボトル。
クリミアのワイナリーとして有名なマサンドラの各種ワイン樽によるフィニッシュで、リリース当時は「ほとんどストックが残ってないグラッサの貴重な長期熟成原酒になんてことを。。。」と思っていました。
ただこれまでいくつか飲んだ印象と、今回初めて飲んだシェリースタイルフィニッシュの感想は、むしろよく出来た長期熟成モルトという感じです。
 
GLENGLASSAUGH
"The Massandra Connection""Sherry Style Finish"
Aged 39 years
Distilled 1972
Bottled 2012
53.3% 700ml
 
評価:★★★★★★★(7)
 
"樽熟した白ワインのようなドライでスパイシーな華やかな香り、皮付きのリンゴのような青さと果実味も感じられる。
口当たりは粘性があり、イチゴやシロップ漬けの白桃を思わせうるコクのある甘さ、微かにハーブ、後半にかけてスパイシー。
フィニッシュは強めの木香、ドライパイナップル、爽やかな香味を伴う長い余韻。"
 
近年リリースされた長期熟成のグラッサは、草っぽさが強いボトルが多い印象。
これをプラスと取るかマイナスと取るかは人次第ですが、このボトルもまたグラッサらしさがありつつ、果実味があることで好みの方向に仕上がってました。
長期熟成はカスクマネジメントが重要なんだなと思うボトルでもあります。


ウイスキーってシングルカスク至上主義に見られるように、単一の何かをであることを良しとする動きがユーザーサイドに少なからずありますよね。
確かにそのまま出して素晴らしいモノはどんどんリリースするべきですし、そうでなくても蒸留所の個性を探る上でシングルカスクが必要なのは間違いありません。
ただ、美味しく飲みたいということを主眼に置く場合は、たいして美味しく無いものを、どうだと出されても、お、おう…となってしまいます。

最近樽の詰め替えについて、Whiskylinkのタケモトさんが海外情報を集めてメルマガで公開されてました。
詳しい転記は避けますが、某蒸留所に問い合わせたところ、シングルカスク表記であっても熟成途中で樽詰め替えなどがマネジメントとして結構な頻度で存在するというものでした。

これは賛否あるものと思いますが、自分は美味しいモノが出来るならフィニッシュしかり樽の詰め替えしかり、なんでもやってくれというスタンス。
伝統を守ることも大切ですが、美味しいウイスキーを作るために新しいことをどんどんやって欲しいですね。