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先日UPしたノーマルのハウスホールドではない、THE付きのロイヤルハウスホールドです。
このボトルは特級時代明けの1990年代頃のモノ。ロイヤルハウスホールドは、古くは100年以上前から存在していますが、ロイヤルワラントと言う点では節目の時代のボトルでもあります。
THE付きの意味と位置づけを考えさせられるボトルでした。

THE ROYAL HOUSEHOLD
"Glentauchers distillery, Mulben, Speyside"
43% 700ml  (1990's)

評価:★★★★★★(6) 

"軽いヒネ香、モルティーで香ばしさもある麦芽の香り、瓜や青い洋梨のような果実香、乾燥しかけの牧草、ザラメ、微かなスモーキーさ。
口当たりはスムーズでバニラクリームから麦の甘さ、レモンやグレープフルーツを思わせる苦味と酸味、 
ハイランドらしい麦芽香とピート香が主体で、長熟ではないがモルティーでバランスのよさを感じる構成。フィニッシュは程よくスモーキーで染み込むように残る。"


日本とイギリスの特定箇所でしか飲めないという、王室の名を持つ希少?なウイスキー、ロイヤルハウスホールド。王室の要請で作られたとか、日本天皇陛下に献上されたとか、まあやんごとなきエピソードに事欠かないボトルです。

ロイヤルハウスホールドには、THE付きとそうでないボトルが存在します。
このTHEの有り無しがどういう意味なのか、すいません実はTHE付きのほうが古いくらいの認識しか持っていませんでした。 
ロイヤルハウスホールドの場合、THEの有り無しの違いは、ロイヤルワラントを受けているかどうかで変わっています。 
ロイヤルワラントについてはググっていただければすぐわかりますので、長々とは書きませんが、いわゆる王室御用達です。
ワラントの権限を持つ王族が、気に入った対象に使用許可を出し、それを承諾して王室に申請すると、ワラントを示す紋章を使えるようになるというもの。


THE付き→専用紋章&グレントファース蒸留所表記。
THE無し→ブキャナン社の紋章&ダルウィニー蒸留所表記。 

このロイヤルワラントは更新制で、一度申請すれば永続的に使えるわけではありません。
1990年代初頭に、ブキャナン社が更新しなかったのか、なんらかの理由でワラントが失効した結果、ラベル表記が微妙に変わったことと推察されます。
まあこのボトルは名前と製作エピソードがガチガチに王室であり、ワラントを受けてなくてもそれくらいの知名度とPR公開があるのも事実。一方で今のボトルがたまに「英国王室御用達」として販売されてますが、それ元じゃない?っていうか英国王室御用達のウイスキーって他にも結構…もごもご…(´Д` )。

前置きが長くなりましたが、ではTheの有り無しで中身は変わったのか?
という疑問は、少なくともこの1990年代と現行品については、味の方向性は同じように感じます。
確かに厚みやバランスは現行品より上ですが、ラベル表記をもって使用蒸留所が変わったというわけでもなさそうで。
(そもそも当時のダルウィニーとトファースという点でアレなんですが…。)

ただ、以前Whiskylinkで飲ませてもらった、ストラスコノン(ロイヤルハウスホールドのグレーン抜き、ピュアモルト)の1960-70年代流通は、冗談抜きで素晴らしいボトルだった記憶があります。
なかなか飲めるモノではありませんが、ザ・ロイヤルハウスホールドのさらに古い時代のものも飲んでみたいですね。