キルホーマン10周年記念ボトル 2015年リリース

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今更ですが、飲んでなかったキルホーマンの10周年記念。
10周年なので2005年蒸留の10年ものかと思いきや、それを一部含むマルチカスク。
オーソドックスなアイラという感じで、荒さの残る熟成感に、香り、味共に塩気が強く感じられました。

KILCHOMAN
10th ANNIVERSARY RELESE
Only 3000 Bottle
700ml 58.2%

暫定評価:★★★★★(5)

香り:刺すような鋭いピートフレーバーに、バーボン樽由来の甘さとシェリー樽を思わせる酸味、バッティングらしく複雑さが感じられる。荒い塩気と昆布だし。乾いた麦芽のアロマもある。

味:荒さの残る若々しくフレッシュな口当たりに焦げたピート香。微かにシェリーのニュアンス。甘さと香ばしさ、そしてピートのほろ苦さ。奥にはバーボンオークのバニラやフルーツ感も見え隠れする。
鼻抜け、フィニッシュともピーティーでスモーキー。舌の上に塩気と微かにオークフレーバーを伴う余韻。

飲んでみると短熟を含む複数年、複数樽のバッティングらしく、若々しいアタックに熟成由来と思える奥行きがあり、オフィシャルのカスクストレングスとしては可もなく不可もなく。
キルホーマンの5年以上のバーボンカスクはラフロイグに共通する要素を感じていたのですが、今回のボトルはどちらかと言うとカリラに近いかなと感じました。

2009年にはじめての3年ものがリリースされてから6年、様々なリリースを繰り返してキルホーマンは生き残りました。月日がたつのはなんとも早いものです。
そういえばあの時の記念ボトル(キルホーマン3年46%)は、生臭いと酷評されていた記憶があります。
10周年記念ボトルはそれほどでもありませんが、高望みしすぎたか、せっかく10周年を記念するならもう一押しほしいかなと言う印象は否めませんでした。

カリラ15年 ハイプルーフ 1980年代流通 バロックレイド

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かつてカリラを所有していたバロックレイド社、その時代のカリラ15年ハイプルーフ。 
今でこそシングルモルトは珍しくありませんが、当時はほぼ全ての原酒がブレンデッドに使われていたため、シングルモルトがリリースされない蒸留所も多く。
カリラでは1974年の改修・増産後1980年代にシングルモルトがリリースされたことは、当時のモルトラヴァーには待望の出来事だったそうです。
安定して完成度の高いカリラでも、突出した出来で100点満点中80点から上を攻めていけるボトルの一つ
飲ませてくださったRさん、ありがとうございました!

CAOLILA
Aged 15 years
Bulloch lade & co.ltd
1980's
700ml 57%

評価:★★★★★★★★(8)

香り: 燻したようなピート香と上質な塩味のスープを思わせる香り。透明な海の塩素系のアロマ、ピート、昆布だし、 薄めた蜂蜜の甘さから奥にパイナップル、フルーツ感は徐々に前に出てくる。多彩で充実したアロマ。

味:口当たりはコクがあって度数ほどのアタックは感じないが、ハイプルーフらしいボディの厚さ、焦げ感のあるピートフレーバーが広がる。その奥から麦芽や塩気、 そしてフルーティーさ。フルーツ感はパイナップル等の同時期蒸留のモルトにみられるトロ ピカル感がある。
余韻は染み込むようなピートと塩分のうまみ、舌をコーティングするように長く残る。


一口飲んで、良いカリラだわと納得せざるを得ないボトルです。
何が良いと言われると、一言で多彩さとバランスですね突出したトロピカル感があるわけでもなく、 シェリー感があるわけでもなく、しかしカリラという蒸留所の枠の中で出せるであろう、フルーツ、 樽、 ピート等の各要素が全て高い次元でまとまってバランスが取れている。
ピートの奥から顔を出すフルーティーさが心憎い。外連味なく、ごまかした感じもない、 経年によって丸みを帯びたこともプラスに働いているのでしょう。
伝え聞く最高のカリラと言う評価は納得の1本です。

個人的にはこれでも十分素晴らしいカリラでしたが、ボトル差でさらにフルーツ感が出ているモノもあるとのこと。
こういうボトルを追求しだすとまさに"沼"なわけですが、この手のボトルは経験値がある人ほどハマりやすそうです。 沼に引きずり込むには十分すぎる魅力があるように感じます。 

また、カリラに関しては先日某所にて2015年ロットのカリラ12年の 出来が良いという話を聞きました。これは確認途中で2014年らしいボトルと、 2015年らしいボトルをほぼ同時に飲みましたが、確かに旧ロットよりも個性がはっきりしていてオフィシャルとして は良い出来だと思います。
現行品からオールドまで、この蒸留所のポテンシャルはすさまじいなと、今後のリリースも安心して飲んでいくことが出来そうです。

キングスバリー カロデン 11年(2004-2015)61.4% ブレンデッドモルトウイスキー

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中身不明とされているキングスバリーのニューリリースブレンデッドモルト。
カロデンと言えば、スコットランドの地名であり、有名な「カロデンの戦い」。
そのカロデンの近くにあり、かつて「カロデンの戦い」を銘打ってリリースされたボトルがある蒸留所といえば・・・グレンモーレンジです。

グレンモーレンジはボトラーズからリリースされない蒸留所として有名ですが、最近はモーレンジの原酒にほんの少し他社のモルトを混ぜて、味はグレンモーレンジながら名目上はブレンデッドモルトとしてリリースされる機会が多くなっています。
いわゆるティースプーンモルトと呼ばれるものですね。
リリースされたばかりの本品ですが、サンプルを飲ませていただける機会がありました。


【テイスティング】
香り:少しドライな香り立ちだが、蜂蜜、ハーブ、リンゴの白い部分を思わせる品のいいバーボンオーク香。加水すると甘さが引き立つが、溶剤のようなアロマも。

味:香り同様フレッシュで華やかなオークフレーバー主体。バニラ、ドライフルーツ、徐々に樽材由来の渋み、ほろ苦さ。余韻はピートも感じられる。

モーレンジと言われればモーレンジ、それも最近増えてきたライトピーテッドタイプ。
やや単調で、少し若さゆえのクセもありますが、ハイプルーフのカスクストレングスらしく飲みごたえがあり、余韻で感じられるピートフレーバーが、単調になりがちなオーク主体の味わいを引き締めています。
モーレンジって樽いじり系はともかく王道タイプはあまり外さない印象で、このボトルも結構レベル高いですね。
BARで見かけたら、改めて飲んでみようと思います。

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