ブルイックラディ 27年 1968年蒸留 1996年ボトリング 52.6% GM

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BRUICHLADDICH 
Gordon & Macphail 
Natural Cask Strength 
Aged 27 years 
Distilled 1968 /12/11 
Bottled 1996 /6 
700ml 52.6% 
評価:★★★★★★★★(8) 

香り:エステリーな華やかさとややドライな樽香、メープルシロップ、リンゴのカラメル煮、微かなハーブ、徐々に焼き芋やカステラのような甘さも感じる。
香りの要素にジャパニーズ的な艶を感じるのは樽由来だろうか。

味:口当たりで広がる高貴なウッディネス。艶のある樽由来の苦味と色の濃い甘さはリンゴのカラメル煮、マロングラッセを思わせる。
濃厚だが甘さと渋みのバランスが良く、負担に感じるところがない。後半にかけてスパイシーな刺激もある。
余韻は程よくウッディでドライ。キャラメルムースのような豊かな甘みが長く続く。

自分が求めているブルイックラディの味わいは、ピートではなくフルーティーなのだと再認識した1 本です。

閉鎖前、それも1980 年頃までのブルイックラディは穏やかなスペイサイドモルトのような味わいで、おおよそアイラとは言い難い構成であることは改めて説明するまでもないところ。

このボトルもまたそうしたキャラクターの通りで、そこに樽香やリンゴを思わせるフルーティーさ、そして樽要素は強いものの熟成期間から負担に感じるレベルではなく、なんとも完成度の高い味わいです。

 

1968のブルイックラディはイントレ、ペニーブラック、レガシーなど評価の高いボトルが多いんですよね。 早いうちから伝説的な扱いを受けたボトルもいくつかありますが、全体的には割と最近になって高騰しだしたように思います。

ロングモーンとか買えなくなってきたから、次はコイツだ! みたいな流れでしょうか。

それこそ60年代~1970年あたりのラディは、 選ばなければ2~3万くらいで2014年頃まで買えたように思います。自分もだいぶお世話になりました。

最近は・・・ちょっと難しいと思いますが、ウイスキーのテイスティングを深めていくなら、1 度飲んでおきたいラディのキャラクターです。

スチュワート ダンディー 1970年代後期流通

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STEWARTS DUNDEE 
8 Years old 
Rare Blended Scotch Whisky 
1970-1980’s 
43% 75CTLS 
構成原酒:グレンカダムなど 
暫定評価:★★★★★★(6-7) 

香り:黒砂糖やカラメルを思わせる濃厚な甘さ、微かに椎茸っぽさ、オールド系のひねた香味、素性の良いオールドシェリー香だが、あまり厚みは感じられない。 スワリングしていると徐々にレーズン、チョコブラウニー、クリーミーな甘さ。

味:スムーズで滑らかな口当たり、ボディはミディアム程度で重くは無いが、古酒感のある濃厚なシェリー風味。黒砂糖、ミルクキャラメル、レーズン、ほのかにモルトスナックの香ばしさ。 余韻はじんわりとタンニンが広がり、序盤の甘さと共に長く続く。 

スチュワートは日本ではあまり見ない銘柄ですが、イギリスでは有名なブレンデッド銘柄の一つなのだとか。
使われているキーモルトの一つ、グレンカダムはバランタインのキーモルトでもあり、別名「大麦のクリーム」と呼ばれるクリーミーな味わいが特徴。スチュワートシリーズではクリームオブザバーレイという、まさにグレンカダムを連想させる銘柄も販売されています。

今回テイスティングしたダンディーは、クリーミーな舌触り以上にこってりとしたカラメル系のシェリー風味。濃厚で味わい深く、そこに古酒系のヒネも合わさって何ともオールドラヴァー好みに育っています。
スチュワートシリーズはいくつか種類がある中で、このダンディーは特に日本市場で見かけないボトルですが、海外オークション等見かけたら送料合わせで購入してみても良いかもしれません。

ハイランドパーク 25年 2005年頃流通 オフィシャル 旧ボトル

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HIGHLAND PARK  
Aged 25 years 
2005's 
750ml 50.4% 
評価:★★★★★★★(7) 

香り:濃厚なシェリー香、微かなラッカー臭にひねた印象も少し感じられる。黒土、ドライクランベリーの甘酸っぱさ、スモーキーで多層的なアロマ。

味:とろりと濃厚な口当たり、微かなベリーにオレンジピールチョコ、じわじわと広がるカラメリゼの苦味を思わせるピートフレーバー。うっすらと陶酔感もある。
余韻はピーティーでスモーキー、長く続く。土っぽさと微かに乾いた植物、燻した麦芽、ブラウンシュガー、ややドライなウッディネス。鼻抜けは華やかなシェリー香とスモーキーさ、舌の上には濃く入れた紅茶のタンニンが長く残る。

へザーハニーが薫るモルト、北の巨人ハイランドパークの旧ボトル。
流通時期は2002年頃から5年ほど。ハイランドパークのみならず、マッカランやボウモア等でラベルチェンジが相次いだ2007年頃には、現在のボトル形状に変わっていたと思います。(よって特段断定はできていないのですが、2005年頃として本ブログでは記載します。)
シェリーの効いた香味、アイラとは異なるタイプのピーティーさ、濃厚な甘みと果実味、じわじわと広がるほろ苦さ。原酒としては1970 年代後期から1980年頃となり、 ハイランドパークが特に旨かった時期にギリギリかかっています。

ハイランドパークはラベルチェンジをするたびに長熟のグレードをリリースしており、現在のボトルでは40年までが主要なオフィシャルリリースとして発売されています。
これらのオフィシャルスタンダードボトルは、その時代毎のものさしで計るとハウススタイルが良く出て完成度の高いボトルが多く。なかでも、ハイプルーフでリリースされる25年シリーズが、蒸留所のキャラクターや酒質の強さを比較するのに一番面白いグレードだと感じています。
2世代前の25年のバランス、完成度は称賛されるべきレベルで文句なしに旨い。
されどこの1世代前のボトルの濃厚な味わいも捨てがたく、現行品の25年は少々やんちゃな感じですが、これはこれで面白い。飲み比べすると違いがはっきりわかります。

惜しむらくは25 年以上のグレードの生産量が非常に少なく なってしまい、 値上げに次ぐ値上げとなっている事なんですよね。ここ1 年ちょっとは18年も品薄で、かつての価格の2倍以上という状況 は目を覆いたくなる惨状です。
今回テイスティングした25年は、実家(都内)の近所の酒屋で2年ほど前に複数本まとめて購入したもの。
地方の酒屋等で在庫が残っていたら、是非ゲットしたい1本です。

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