ポートエレン 32年 1982 モルツオブスコットランド ダイヤモンド 57.9%

カテゴリ:
PORTELLEN
MALTS OF SCOTLAND
Aged 32 Years
Distilled 1982
Bottled 2014
Cask type Bourbon Hogshead
700ml 57.3%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
量:30ml程度
場所:個人宅(マッスルKさん)
時期:不明
暫定評価:★★★★★★★(7)

香り:スパイシーでピーティー、バタークッキーを思わせる甘み、奥には麦芽香。徐々にグレープフルーツ、林檎を思わせるエステリーなフルーティーさもあり、時間経過で強く感じられた。

味:オイリーでピーティーな口当たり。序盤は乾いた麦芽風味やナッツ、昆布出汁、磯っぽさ、出汁をとったスープのようなクリアなニュアンスから、後半は蜂蜜やエステリーさが香り同様に盛り上がるように広がる。
余韻はスパイシーでキレが良く、乾いたウッディネスやスモーキーフレーバーを伴う。

やや荒削り感はあるが、バーボンホグス樽由来のフルーティーさに、クリアで出汁っぽさと1980年代のポートエレンらしい強いピートフレーバー。シングルカスクだからこそのはっきりとした樽感と強い個性を楽しめる、ボトラーズに求めているような1本。


ドイツのボトラーズ。モルトオブスコットランド(MOS)のハイグレードモデルである、ダイヤモンドシリーズ。最近はアメージンングカスクやエンジェルシリーズなど、新しいハイエンドクラスが展開されていますが、調べてみると海外では2016年にポートエレン等がリリースされていた模様。
MOS全体としてはこれまでも様々なリリースがあったところですが、自分の中では多くは安定しているが、たまに「ドイツらしい」妙なリリースがあるというイメージです。

その筆頭がダイヤモンドシリーズでリリースされた、グレンゴイン1972でした。ウイスキーエクスチェンジなどドイツ系のボトラーズは「不自然にフルーティー」だったり、リキュール系のフレーバーがあるようなウイスキーをリリースすることがあり、グレンゴイン1972も海外評価は高かったものの、ブラインドで飲んだ時はコニャックなんだかよくわからないようなシロモノで、びっくりしたのを覚えています。

そのため、このポートエレンをウイスキー仲間のマッスルKさんから勧められた時は、思わず警戒してしまったところ。しかし飲んでみるとこれが中々。テイスティングの通り、1980年代のポートエレンらしい強いピートフレーバーがあり、樽でやや強引にバランスをとったような印象はありつつも、開封後の変化で良い具合にまとまり、麦芽風味も開いています。
この辺りのビンテージのポートエレンは近年もたまにリリースがありますが、過去のボトルから総じてアタックが強い印象があり、長期熟成や瓶熟(但し加水を除く)に向いているのかもしれません。

(1983年の閉鎖以降、精麦工場として稼働しているポートエレン。敷地内のウェアハウスはラガヴーリンなどの熟成に使われている。蒸留所として稼働はしていないが、立ち上る煙に哀愁が
漂う。。。Photo by T.Ishihara)

ポートエレン蒸留所はウイスキー業界の不況の中で、需要と供給のバランスを取るために閉鎖された背景があります。
現ディアジオ社(当時のDCL)はカリラかポートエレンかで天秤にかけたそうですが、ジョニーウォーカーなどの主軸だったカリラを生かすのは、確かに納得の処置でもあります。

ではその味わいはというと、決して悪くない、むしろ良いボトルが多いです。個人的に今すぐ飲んでバランスが取れているのは1970年代後半あたりで、キレの良い口当たりにピート、そして塩気、ボトルによってはスペイサイドのような柔らかい麦感もあり、単に閉鎖蒸留所としてだけでなく、人気があるのも頷けます。
他方、このMOSのリリースは当時国内流通価格で10万円を越えており、モノを見たときは「とんでも無いことになってるな〜」と感じたわけですが、今にして見ればポートエレンで10万円越えはザラ。
ますます高嶺の花となってしまい、飲めるうちに飲んでおかなければならない酒になってしまいました。

貴重なボトルをありがとうございました!

マッカラン 12年 シェリーオーク 40%

カテゴリ:
MACALLAN
Highland Single Malt
Sherry Oak
Aged 12 years
700ml 40%

グラス:サントリーテイスティング
量:30ml
場所:BAR飲み@(Y's Land IAN)
時期:不明
暫定評価:★★★★★(5)

香り:黒砂糖や紹興酒を思わせる甘みと酸味を伴う香り立ち。ドライプルーン、鉛筆の削りカスのようなウッディネス。ややのっぺりとした感じもある。

味:とろりとしてスパイシーな口当たり、黒砂糖やプルーンの甘みから、ほのかにオロロソっぽい酸味、ウッディネスは徐々に生木っぽさを伴う。後半は単調。余韻はべったりとウッディ、シーズニングオーク、キャラメルの甘みを伴い長く続く。

シェリー樽由来の甘さはあるが、のっぺりとしていて香味共に後半単調で開かない。酒質だけでなく樽の厳しさを感じる1杯だが、これを大量生産しているシステムはある意味で凄い。ロックで飲む分にはそれなりに味はキープ出来る。


だいたいの人が一度は飲んだことがあり、今の時代のスタンダードの一つであるマッカラン12年シェリーオーク。
実は世界中で販売されている訳ではなく、シェリーオークはアジア圏を中心としたリリースで、免税向けには様々な樽を使ったノンエイジ商品に、欧州、アメリカなどではファインオークが中心という話。
少し古いデータですが、同社では年間26億円(2013年時点)を樽関連に投資しており、スコットランドに入るシェリー樽の約8割を確保するという、様々な努力の上で、なんとか成り立っているウイスキーです。

ただそのイメージは、好きな方を悪くいう訳ではないですが、BARでロックを飲むとなんとなく雰囲気の出る(ように感じる)ウイスキーで、合わせてハロッズ読本に書かれた「ロールスロイス」という表現が、お約束のように使われる。
一般的な知名度の一方、ウイスキー愛好家からは「今のマッカランは。。。」と軽くディスられ、そして率先して飲まれる機会は減っていく。
マッカランのスタンダードに対するイメージを書き出すとこんな感じですが、今回は先日発売したダブルカスク12年と比較するため、久々にスタンダード品もテイスティングしてみました。

単品で飲んだ印象は上述の通り。しかし飲み比べてみると、ダブルカスク側にあるアメリカンホワイトオーク由来のの癖やシェリーオーク側のスパニッシュオークらしい甘み、ウッディネスがわかりやすく、これは相互リンクしているウイスキーだと実感。どちらもシェリー樽原酒100%で構成比率の違うウイスキーであるため、逆に違いがわかりやすいのだと思います。
もう一つのマッカラン、ファインオークだと樽構成が違いすぎて、飲み比べても「まあバーボン樽入ってるから違って当然だよね」となってしまうのです。

ちなみにロールスロイスという表現は、その当時のマッカランの品質、こだわり、高級品としてのステイタス等の数々から例えられたものと言われているものの、実際当時の状況等からどうだったかというと、一つの本に書かれたに過ぎない言葉が、日本で独り歩きしている感はあります。
ロールスロイス社は1970年代に経営破綻、買収など紆余曲折ありましたが今尚高級ブランドとして存続しており、ゴースト、ファントム等に代表される、基本特性プラス超豪華な内装、設備を売りにしたクラクラしてしまうほどの高級車を少数生産で展開しています。(モーターショーくらいでしか見たことないですけどw)

マッカランも現行品の最上位グレードまで行けば、味の良し悪しはともかくロールスロイスとも言えるこだわりを見ることは出来ますが、勿論数は作れない。そう、ロールスロイスなんてそんなにバンバン走ってないんです。
この表現に拘るなら、現行品12年はさながらロールスロイスから技術提供を受けたメーカーが作った軽自動車、という印象。
結果、色々比較するとそんなに悪くないと思いつつ、ついついもっと頑張れよと思ってしまうのです。


グレングラント 1964 ロンバートコレクション ゴルフシリーズ No,39 46%

カテゴリ:
GLENGRANT
The Lombard Collection No,39
Distilled 1964
(Bottled 1989)
(Aged 25 Years)
Cask No,23_30
750ml 46%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
場所:自宅
時期:開封後3年程度
評価:★★★★★★★(7)

香り:濃い甘みを感じる香り立ち。少し絵の具っぽさがあるが、枝付きレーズンとチョコレート、時間経過でほのかに黒土っぽさと濃く入れた紅茶を思わせるウッディーな渋みもあり、非常にリッチ。

味:甘酸っぱくリッチな口当たり。レーズン、黒蜜、熟したプラムのようなフルーティーさも感じられる。ボディはミディアム、ふくよかで甘いアロマが鼻腔に届く。
余韻にかけては軽くスパイシーでアーシー。ビターチョコレートを思わせる苦味が染み込むように残り、長く続く。

シェリーの系統はGM系。色は非常に濃く、その通り濃厚な味わいだが、加水が効いて際どいところでバランスが整っている。複数樽バッティングであることも憎い仕様、是非ストレートで楽しみたい。

ジュエルオブスコットランドなどでおなじみ、ロンバート社がかつてリリースしていた通称ゴルフ、こと"ゴルフ界の偉人ラベル"。
このシリーズ最大の特徴はソサイエティのように蒸留所の記載がなく、独自のナンバリングによって整理されているところにあります。(蒸留所の分類はボトルに付属する小地図に記載されています。)

ただ、全蒸留所をリリースにするほど原酒が確保できなかったのか、あるいは加水バッティングで量は発売されたものの、人気が出ずに捌き切れなかったのか・・・このゴルフシリーズとしてはスプリングバンク、トマーティン、グレングラントなど10蒸留所に満たない少数をリリースし、あとはナンバリングすらないシングルモルトの12年ものなどに止まって終売となってしまったようです。

このボトル、社会人になってウイスキーの道に本格的に入ったころ、通っていたBARの1件で「この辺飲んでおいたほうがいいですよ」と勧められてテイスティング、わけもわからず美味いと感じたのが最初。
その後、今から4年ほど前、どこから出土したのかオークションに12本セットが大量に出品され、仲間と共同で購入して自宅で開封したのが2度目。
妻もお気に入りでちびちび飲んでいましたが、そのボトルがこの度、天に還って行きました。最後は残ったのを全部注いだら、入れすぎちゃいました(笑)。

熟成年数やボトリング年数がボトルに記載されていませんが、同じボトルで「特級表記」のあるものがあり、とすると、1989年前後のボトリングと推察、熟成年数は25年程度のようです。
1964蒸留で1989年詰のボトルなど、今の市場状況では極めてレア。プレミア価格でなら現在も購入することはできるようですが、出来ることなら4年前の自分に「ボーナス払いにしてでもケースで買っておけ」と声を大にして言いたいです。

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