南投酒廠 OMAR バーボンタイプ 46%

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ウイスキー仲間の一人がいきなり台湾に旅立ち、観光がてら蒸留所めぐりをしてきました。

台湾と言えば今やKAVALAN、WWAでもワールドベストモルトを受賞して、元々高かった注目度がさらに上がったわけですが、もうひとつ台湾にはKAVALANからさらに南にある、2010年に蒸留を開始した南投蒸留所があります。
日本には未入荷の台湾期待の星、お土産としてそのモルト原酒をおすそ分けいただきました。

Nantou Distillery
OMAR
Bourbon type
700ml 46%
南投ウイスキー

評価:★★★★(4)

"乾燥した木材、ドライパイナップル、クッキー、軽い甘さと酸味から、
微か乾燥した牧草のようなピートを感じるアロマ。
口当たりはニューポッティーさ、若いクセのあるフレーバーに金平糖のような甘み、木香。
フィニッシュにかけて蜂蜜レモンに植物質なえぐみが出てくる。余韻はあっさりとしている。"

酒質が素直なバーボン樽熟成の若いウイスキー。
ナントウは2010年創業なので、このボトルは3~4年ものくらいでしょうか。

熟成期間を考えると良くまとまってる印象を受けますし、これから先が楽しみと思う反面、ボディがライトなところに樽が強く効きはじめていることも感じられます。
台湾の環境を考えれば、今後加速的に進む熟成に対してどの時点で線を引くか、今後の調整が難しそうです。

HPさん、貴重なサンプルありがとうございました!!

バーボン業界の復活、スコッチ業界の衰退?

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先日公開したウイスキーブーム考察の中で、参考記事としてスコッチウイスキーの輸出増加に関する発表のリンクを張っていたんですが、誤って2011年度統計のモノを貼ってしまっていました。飲みながらやると仕事が荒いですね(汗)。
あ、こりゃいかんと新しいモノに張り直すため、以前見た記憶があるニュースをネットで掘り起こしていたところ・・・丁度4月2日付けで2014年統計の速報的なニュースがWSJに載っていました。
 
スコッチウイスキーの輸出額は、2013年度はほぼ横ばい(3%増)という発表がありました。
まあユーロ圏がごたごたしていたし、アメリカも本調子じゃなかったから誤差の範囲だろうと思っていたところ。
それに過去10年スパンで見れば大幅増であるわけですから。ところが2014年は7%減という発表です。

ジムビーム蒸留所
(Facebookより写真引用、ジムビーム蒸留所蒸留棟。撮影、編集、Ishihara Tatsuya氏。)

参照:スコッチ、パーティーではのけ者 バーボンに押され世界輸出7%減(WSJ)
まとめると、中国市場でスコッチの売り上げが鈍化。
アメリカ市場もスコッチからバーボンへの切り替えが起こりつつある。
輸出総額は2013年を7%下回り、米国市場では約9%の売り上げ減少となったとのこと。
 
バーボンは価格面のアドバンテージもさることながら、ブレンドもスコッチに比べて容易という点もあるとの見方。
確かにバーボンは製法(連続式蒸留で新樽貯蔵)の関係から、スコッチに比べて安価で品質が安定しやすくブレンドも容易である印象です。
 
また、最近バーボン業界はフレーバーウイスキーを展開し、若手層の獲得にも積極的で、
ジャックやワイルドターキーのリリースする、蜂蜜などで甘みを付けたウイスキーがうけており、販売数を増やしているようです。
こうしたところから、パイの取り合いですが、じわじわスコッチからバーボンへの動きが出たのでしょう。
 
参照:ファイアボール人気で熱気帯びる米ウイスキー市場(WSJ)
 
あぁなんてことでしょう。スコッチ危うし、ついにアメリカ市場に飽きられたか!
確かに現行品のスコッチ、特ににブレンデットの質は・・・。
なんて中身の話は直接的な原因では無いでしょうから置いておいて、スコッチの生産側から見ると、バーボンの消費が増えることはマイナスばかりでは無く、歓迎すべきニュースでもあります。
 
スコッチの熟成に使われる樽として、バーボン樽の需要が増加しているのは周知の話ですが、バーボン樽がスコッチに使われるようになるためには、加工に1~2年程度、バーボン熟成に2年以上と、最低でも4年近いタイムラグが発生します。逆算してみると、最近流通している樽というのは、かの悪名高いリーマンショックからアメリカ経済が停滞していた時期の製造にあたります。つまりこの時期の樽が少ないんですよね。
その影響は現在明確に出て来ており、各社樽の安定供給を受けるため奔走した結果、樽の価格が高騰し、スコッチ値上がりの一端を担ってしまったというものです。
バーボンとスコッチはもはや表裏一体、バーボン樽の品質が上がればスコッチの品質向上に繋がり、供給量が増えれば価格の低下にも繋がる、将来的に良い影響を与えると期待出来ます。
 
参照:樽が足りない? 【前半/全2回】
 
 
ただし、樽がいくら良くても中身が伴わなければ樽香だけでスカスカのウイスキーになってしまいます。
これはバーボン側の問題では無く、スコッチ側の問題です。
1990年から2000年頃、グレンモーレンジを筆頭に各社が取り組んだのが樽でした。
そして現在、フロアモルティングや古代種の復活といった、麦、原材料のがピックアップされています。
 
この辺はまた後日まとめていきたいです。
 

キリン 富士山麓18年

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ただいまジャパニーズウイスキーの人気が凄いことになっているのは周知のとおり。
ニッカ、サントリーは言わずもがな、新進気鋭のイチローズモルト、復活したマルス、何気に古株な江井ヶ島も好調です。
そんな中、ただ1社だけ過熱感を感じないのが・・・キリンです。

確かにリリースはぽつぽつ出てますし、先日はスモールバッチシリーズをリリース。しかし限定リリース=即完売のこのジャパニーズ人気の中で未だ購入可能という状況。
このままだと、そのうち江井ヶ島にSMWSの登録まで先を越されそうな・・・。

でも個人的にこの蒸留所、決して悪くないと思うんですよ。むしろポテンシャルはあると感じます。
今日は自分が愛飲してる1本の富士山麓18年から。

KIRIN WHISKY
FUJISANROKU
18 years old
43% 700ml

評価:★★★★★★★(7) 

"エステリーでドライな香り立ち、甘酸っぱくフルーティーな熟成香が充実していて思わず顔がほころんでしまう。熟した洋ナシ、アプリコット、黄桃、微かに天津甘栗のようなオーク香。スモーキーさもある。
口当たりは柔らかい甘みがあり徐々にドライさが強くなる。香り同様のアプリコットなどのフルーティーさ、フィニッシュはピーティーでドライでビターな余韻。"


香りだけなら★8くらい付けても良いってぐらいの熟成香で、特に注ぎたては笑顔が止まりません。
自分好みのピーティーさもあって、オイオイすごいじゃないか~と。
でも飲んでみると不思議なほどボディが軽く、味も香りほど強くない。そしてグラスに注いでからヘタれるのが早いのと、長熟原酒にありがちなドライさが強いのが、このモルトの特徴。

この特徴、思い当たるのが、ダンカンテイラーのロナックや、ハートブラザーズなどのリリースに見られる40度ギリギリまで度数が落ちた長熟ウイスキー。
そういえばキリンは50%あるいは50%に近い、低い度数でバレルに詰めて熟成しているんでした。
18年用の原酒まで同様の整理かはわかりませんが、熟成で45%くらいまで落ちたバーボンバレル熟成原酒でブレンドして調整レベルの加水をしてるのだとしたら、香りの強さと味の弱さ・ドライさは納得です。
まぁドライささえ許容できれば、最初の1杯に持っていっても良い感じです。


それにしてもこの香りは凄い・・・。 先日ウイスキー仲間にブラインドで出しましたが絶賛でした。
60%くらいで詰めて、50%くらいでリリースするシングルカスクは作ってないんでしょうか。
フォアローゼスとパイプがあって樽の供給は安定してるでしょうし、今後が楽しみな蒸留所でもあります。

キリンも「氷結」が売れてるうちは、閉鎖しないでしょうs・・・おや、誰だろうか、こんな時間に。

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