オーヘントッシャン31年 (1965-1997) Cask#2500 オフィシャルボトリング

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今年はラフロイグにアードベッグにと、 ビッグネームが創業200周年の記念の年でした。
そして来年はラガヴーリンが200周年を迎えるわけで、 今から記念ボトルが楽しみです。

これらビックネームの影で、時同じく200周年を迎えていた" らしい"蒸留所がオーヘントッシャン。
いまいち萌えない子のローランド筆頭だけに特段ニュースにもなら ず。4月頃に現地ローカルニュースが、 これまでの歩みを振り返っていたくらいでした。
ところがラベルやビンテージ等は公開されてないながら、 200周年が出る予定はあるようです。
オーヘントッシャンはローランドらしいクセがあるものの、 近年はフルーティーなモルトもリリースしてきている蒸留所です。 記念ボトルの産声を待ちつつ、 今夜の1杯はオーヘントッシャンを頂きます。

AUCHENTOSHAN
INDIVIDUAL CASK BOTTLING
Aged 31 years
Distilled 1965
Bottled 1997
Cask type: Hogshead
Cask No, 2500
750ml 48.3%


評価:★★★★★★(6)

香り:明確にバーボンを思わせる木の蜜のような甘い香り、ウッディネス、ハーブ、フレーバーの質はどっしりというよりも鋭い感じで、徐々に熟したバナナのクリーミーなアロマ。甘く独特の植物質な香りを含む、ローランドらしい香りである。加水すると麦芽系の柔らかく甘い香りが立ってくる。

味:ウッディーな口当たり、焦げた樽、チェリーのシロップ漬け、ピリピリとエッジのたった口当たり。
中間はあまり広がりが無くメープルシロップのような甘さ、紙っぽさ、ハーブ、フィニッシュはビターでウッディー。トーンの高い余韻が長く残る。
加水すると香り同様にキャラメルやナッツを思わせる甘みと苦味。少し刺激はあるが、加水無しに比べて断然飲みやすくバランスの良い味わいである。


オーヘントッシャンがディスティラリー・オブ・ザ・イヤーを受賞した記念に1997年にリリースされたうちの1本。ローランドモルト最高峰という呼び声もあるボトルで、他にも同ビンテージで何種類か樽違いがリリースされています。
仕様としてはオフィシャルのカスクストレングスで1960年代蒸留に長期熟成、なんとも価格高騰しそうな経歴ですが市場評価はそうでもなく。その他伝説的とあがめられる1960年代のモルトの中において、やはりいまいち萌えない子の位置づけは不動のようです。

香味の話をしますと、このボトルはトップノートで明らかにバーボンの香りがあります。樽の表記はホグスヘッドでこれだけバーボン感が出るということは、長期熟成バーボン払い出し後の1st fill バーボンホグスヘッドが使われたと見てで間違いないでしょう。常温ではバーボンの香りにローランドっぽいクセが混じって、いかにも通好みな構成となっていますが、温度を10度くらいまで下げるとローランドっぽさが引っ込んでバーボン感がはっきり感じられます。
個人的にこのバーボン系の香りは好きなので、冷蔵庫の野菜室で一度冷やしてから飲むようにしています。

加水するとカラメルやナッツ、麦芽系のフレーバーが出て来て滑らか、よりシルキーな飲み心地に。
ちょっと中間が薄くなる印象もありますが、これも中々悪くないですね。
飲み方としては好みで大きく左右されますが、ローランド感が好きな人はどうぞ常温ストレートで。
そうでなければ軽く冷やして飲む、あるいはロックで飲んでも良いかもしれません。


ご参考:オーヘントッシャン200周年記念ボトル
Auchentoshan 200th Anniversary, 57.5% abv
http://www.whiskyscores.com/whisky/12932/auchentoshan-200th-anniversary.html

ここから先は書籍等の受け売りになりますが、ローランドの伝統的な3回蒸留を行う蒸留所、オーヘントッシャン。その操業時期は1820年頃で詳しいコトはわかっていないそうです。
え、つまり1815年操業なのかどうかわからないのかよって思わず突っ込みたくなるのですが、メーカーサイトにもそう書いてある以上なんだか言ったモン勝ちな気がしてきました。
空襲でウイスキーが漏れて川に流れて動物が酔っ払ったというエピソードは、ウソかホントかウイスキー関連おもしろエピソードの一つ。
モリソンボウモア社に同蒸留所が買収されたのは1984年のこと。その後1994年にボウモア、グレンギリーと合わせてサントリーの所有となっています。

ニッカウイスキー シングルモルト宮城峡NA(43%) 2015年8月31日終売品

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仕事が早く片付いたのでさっさと帰ろうと、昨夜は19時の電車で帰宅。最寄り駅に到着したところで駅員がなにか叫んでいましたが、特に気にもとめずスルー。
風呂上がりにいつものジョニ黒ハイボール飲みながらニュースを付けると、JRが大変な事になってました。
いつもの帰宅時間だったら完全に帰れなくなっていたところ。それにしても巻き込まれた方の心中、お察しいたします・・・。

さて、先日ニューリリースの宮城峡の記事をUPしましたが、終売となるNA宮城峡を忘れていました。
1本買おうかと思って居たところ、丁度比較用として飲み仲間から"ボトルレンタル"を頂きましたので、記事化させて頂きます。


NIKKA WHISKY
SINGLE MALT MIYAGIKYO
Non Age
43% 500ml

評価:★★★★(4)

香り:甘い麦芽香と若さを感じるニューポッティーさ。ドライフルーツを思わせる果実感、酸味。
基本的には若く単調な香りで、特に気温が高い夏場の時期はアルコール感も強く感じる。

味:香り同様に麦芽風味と若さを感じる香味。すり下ろしたリンゴや若い洋梨のような甘みもある。
口当たりの刺激は少ないが中間の変化は乏しく、余韻にかけては麦芽風味とほのかなピートが感じられる。


蒸留所で販売している5年モノの味を丸めたような構成で、「10年とノンエイジでこうも違うのか。」と、飲んだ当初は非常に驚いた記憶のある1本です。
ノンエイジだけに若いんですよね。特に宮城峡は多少ピートを炊いているといっても、若さを隠すほどの強さは無いので、よりダイレクトに感じられます。
若さ以外では酒質由来の麦芽風味、うっすらとした果実感がメイン。原酒の質、スタートラインはこうですよという素顔の味わいでもあるため、これを飲んで10年、12年んとステップアップすると面白い。宮城峡を理解する教材としてはありがたい存在だったと思います。実際飲み方ハイボールやロックで飲む分にはそう悪くないです。


それだけに9月1日以降は10年、12年とステップアップ先だったボトルが無くなってしまうのが残念です。
値段のことを書くと、10年で4000円強、12年で7000円弱という価格設定は、一般の飲み手がそうそう常飲出来るものでも無かったかもしれませんが、まったく無くしていいかというと話は別です。次のボトルがあるからこそ新たな興味が生まれて、その違いも楽しむ事が出来るわけですから。
例えば15年とか、17年とか、来年4月くらいに原酒の目処を付けて販売してほしいものです。


余談:記事が増えてきたので、各評価毎にざっと見直して見ると、最近評価が甘くなってきたかなーという気がしてきました。
まぁ加点方式で、好みの要素があると大きく加点してしまう傾向はあるのですが、なるべく評価軸は一定に保たないとゼロからブログをはじめた意味が薄れてしまうワケで。
最近あまりの暑さにだれ気味ですが、気を引き締めて呑んでいこうと思います。

シグナトリー

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ウイスキーはシングルモルトがソロで、 ブレンデットがオーケストラという例えがあります。(ソロはシングルカスクのほうがしっくりきますが。)
オーケストラで楽器の種類や個別の音色がわかって、初めて合わさった音の中から個別の音源を認識出来るようになるように、ウイスキーもまた
普段から様々なフレーバーを意識して飲むことで、香味の関連づけが 頭の中で整理され、感じる香味の幅をある程度引き上げることが出来ます。

こうして知識と経験を詰むことで、過去飲んだウイスキーで新しい発見があったり、キーモルトの判別もしやすくなっていきます。ウイスキーを深掘りする、テイスティングの楽しみでもありますね。
しかし何事にも限度というものがあり、流石にこれはやり過ぎだろうというブレンドがウイスキー側にいくつか存在ます。まるで飲み手の限界を試すようなバッティング、っていうかどうしてこんなモノ作ったとブレンダーにツッコミを入れたくなる。今夜はそんな1杯です。

SIGNATORY
"SUPREME"
Pure malt scotch whisky
Bottled 1997
Number Bottled 500
700ml 43%


暫定評価:★★★★★★(6)

香り:グレープフルーツ果汁や柑橘系の爽やかな香り立ち。続いてバタークッキーや軽くトーストしたパン、若干のケミカル香。艶があり複雑、そして熟成感が感じられる。少量加水すると白い花やアロエを思わせるシルキーで柔らかく甘い香りが立ってくる。

味:加水だが濃厚さを感じる口当たり。一瞬沸き立つパフューム。厚みのある麦芽感、クルミ、柑橘系のフレーバー。ホットケーキにアプリコットジャムのよう。中間からケミカルなクセ、そして微炭酸を思わせる程度のスパイス。ドライパイナップルを思わせるオーキーな香りが鼻に抜ける。
フィニッシュは微かなピートとグレープフルーツピールやワタのようなほろ苦さが長く続く。


ボトラーズのシグナトリー社が1997年に500本リリースした、"最高位"と名付けられたバッテッドモルト(ピュアモルト)ウイスキー。
国内流通量があったのかすら定かではありませんが、海外サイトもオークション系が中心で、完全にコレクターアイテムになっているようです。
シグナトリー社もまだまだ潤沢な長期熟成ストックがあり、ダンピーボトルで色々リリースしていた時代です。そんな当時のシグナトリーが、なんの記念か作っちゃったんですね。


(化粧箱に同封されているレシピ。)

まるでJ&Bのウルティマのごとく実に104蒸留所の50年代から90年代蒸留(ほぼ60~70年代)原酒をバッティングし、シェリー樽で6ヶ月間のマリッジ。リフィルシェリー樽だったのかあまりシェリー感は感じません。
全体としては突き抜けたフレーバーはありませんが、複雑で厚みがあり、実に飲み応えがあります。これだけ混ぜてありながらなんだかんだでまとまっており、最高位の名の通り旨いは旨いですが、なんというか力技でまとめた印象もあります。

レシピに光るアードベッグ1967、クライヌリッシュ1965、グレンファークラス1959、ラフロイグ1966、マッカラン1964、ハイランドパーク1965などのビッグネームに加え、キリーロッホ1972、ローズバンク1960、プルトニー1964、グレンモール1963などなど、通好みも盛りだくさん、ウイスキーファン垂涎のレシピ。
これだけの名だたる原酒、名酒を使って不味く作れたらそれこそ才能です。

ここまで混じってると冒頭に書いた認識のスキルなんてムリゲーです。このボトルは個性の強い要素がいくつか感じられるので「あぁこれはこの辺かも」というのはありますが、確証は持てませんし、そもそも異なる個性の原酒が混ざれば混ざるほど大きな塊的味になって飲み手側で感じられる要素は減っていく傾向にあるのがブレンドです。まして最善の組み合わせだなんて判別不可能(笑)。
ただ不思議なことにボウモアが入ってないんですよね、この当時のシグナトリーなら持っていたはずなんですが。97年なら今のようにボウモアの人気があった時期でもありませんし。
っていうかスイマセン1口ずつで良いんで個別に味見させてください・・・。

ちなみに序盤、一瞬パフュームが感じられるような気がするのですが、他の要素も強くすぐに消えてしまいます。それはレシピのエドラダワー1976を見てしまったからかもしれません。
味以上にネタ的な意味で圧倒される最高位のピュアモルト。それにしても面白いウイスキーでした。

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