アラン  イリシット スティルズ スマグラーシリーズ  2015年リリース

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ARRAN 
The Illicit Stills 
The Smuggers' Series Vol,1 
Limited edition 8700 bottles 
700ml 56.4% 
暫定評価:★★★★★(5-6)

香り:品の良い麦芽香、おしろい、乾いた牧草、柔らかいピートフレーバー。微かに若い葡萄のような酸味と洋梨を思わせるフルーティーさもある。香りは平坦で盛り上がりはそれほどでも無いが、複数の異なる系統のフレーバーがある。

味:ややテクスチャーの荒さを感じる麦芽風味から、すぐに焦げたピートフレーバー。ピートはあまり強くないが存在感があるハイランドタイプ。乾いた木材とえぐみ、ほのかにドライフルーツの酸味、フィニッシュにかけてスパイシー。
ピートのほろ苦さと序盤の麦芽風味がそのまま残る。

アラン20周年パーティーでのテイスティング。
アランが今後展開するスマグラー(密造者)シリーズ3部作のうちの1つ。The Illicit Stills は密造のために使われた、違法な蒸留器を意味します。
8700本限定、価格は85ポンド(約16000円)。イギリスでは今年8月に発表され、10月にはアランのWebショップの販売分が売り切れた事が公式発表されていました。どうやら日本にはこれから入ってくるようです。

かつて密造が盛んだったアラン島、そのウイスキーは"アランウォーター"と呼ばれていました。
アラン島では密造時代の終焉後、1836年から約160年間ウイスキーは作られておらず、アランが1995年に操業してそこから20年後、180年の時を経て蘇るアランウォーターということなのでしょうか。
その要素を冠したリリースが、20周年を迎えたアランの次のマーケット戦略なのか。
時系列的には後に発表されたThe bothy も、密造関連のキーワードであり、別シリーズとはいえスマグラーシリーズの流れを感じます。

密造時代の作り方がされているわけでは無いですが、イリシットスティルはピーテッド原酒を用いて当時を意識した仕上がりです。
ケースに書かれた情報では5種類のカスクタイプ、ピートタイプの原酒で構成されており、バッティングらしく味わいには多様性がある。
特にアランのピーテッドは若さを感じる印象も強かったのですが、このボトルはその辺もうまく作られているなという印象でした。

ニッカウイスキー ピュアモルト ホワイト 2014年6月製造品

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NIKKA WHISKY
PURE MALT WHITE
Lot 2014.6
43% 500ml
暫定評価:★★★★★(5!)

香り:スモーキーで華やか、オークの乾いた木とバニラのアロマ、時間共に若さのある麦芽風味、チャーオークのニュアンスも微かに感じられる。

味:口当たりは加水らしく軽やかな飲み口だが、舌触りはやや荒さを感じる。
麦芽の香ばしさ、ヨードを伴うピートフレーバー。余市原酒らしい焦げた樽香、蜂蜜の甘み、ほのかにドライアプリコットの華やかさ。
余韻はピーティー、若い原酒のえぐみ、ドライで長く続く。

余市蒸留所のヘビーピート原酒をメインに据えたバッテッドモルト。西のほうのIさんに幾つかサンプルをお送りしたところ、お礼にと頂いた1つ。こいつをテイスティングするのは久しぶりです。
加水の軽さゆえか少々浮ついた感じのあるフレーバーですが、若さも目立たないレベルで、ピーティーな余市モルトの特徴が分かり易い。価格を考えたらその辺のオフィシャルスタンダードを喰える、素晴らしいコスパだと思います。
そして悲しいですが、終売になるのも納得でした。これがあったら新余市なんて売れませんよ(汗)。

元々ピュアモルト白は、1987年の発売時は「輸入したアイラモルトを使った」というPRで売り出していました。つまり特級表記があるピュアモルトホワイトは、1980年代流通のアイラモルトとジャパニーズのバッティングということに。
うはwww夢が広がるwwwと期待して手に入れてみた特級時代は、パフュームフレーバーでした。そうです、ボウモアが使われていると見て間違いないでしょう。

その後1990年代、2000年代はメーカーPRがアイラモルトのままでしたが、2010年ごろだったかしれっと切り替わったんですよね。あれは2007年、大学の研究室で飲もうとスモーキーじゃないのをくださいと言って某酒屋の店員に間違えて白を売りつけられたことがあるので、その当時のWEBサイトの記述は良く覚えています。
今回、その旧ロットに当たる1999年製造の同銘柄も頂きましたので、飲み比べもさせていただきました。左が2014年、右が1999年です。
もうまるっきり別物ですね。アイラモルトと言われるとそれっぽさを感じるというか、少なくとも直近製造のような余市らしさではありません。
色々混じってる味わいで、奥に感じるのはボウモア…いやラフロイグでしょうか。
以前ニッカの方に「一時期だがラフロイグと繋がりがあったんだよ」と聞いたことがあり、それはこれだったのかなと思ったところ。

9/1の大変革から既に2ヶ月、元々扱い店舗が少なかったことと、乱獲のため都内ではずいぶん長くこのボトルの姿を見ていません。
赤と黒は生き残ったようですが、ニッカって本当に面白いリリースが多かったですよね。

グレンキース40年 1970年蒸留 2011年ボトリング ウイスキーフェア

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THE WHISKY FAIR
GLEN KEITH
Aged 40 years
Distilled 1970
Bottled 2011
Matured in Bourbon hogshead
700ml 51.8%
評価:★★★★★★★★(8) 
(開封直後の評価は★6)

香り:クッキーを思わせるバターと小麦、メープルシロップのしっとりとした甘さに、ドライフルーツの甘酸っぱい香り。アプリコット、パイナップル、熟した洋梨、非常に充実したアロマ。

味:口の中に広がる華やかなオーク香、ナッツ、麦芽、微かにヤクルトのような乳酸感。続いてパイナップルの缶詰やリンゴのコンポートを思わせるしっとりとしたフルーティーさが顔を出す。
余韻はオークの渋みと共に微かにトロピカル系のフレーバーの戻りがある。心地よくドライで、長く華やかな余韻。

グレンキースはシャープでドライと言われるくらい、そもそもボディの強い酒質ではありません。60年代は3回蒸留で尚更シャープな感じ。70年代以降はクセの少ない樽主体になっていき、モノによっては枯れていたり、ギスギスした樽しゃぶり系な味わいであることも珍しくありません。(なので多少こなれたほうが、個人的に好みに振れるのだと思います。)
3回蒸留時代は別物とするなら、2回蒸留となった1970年や71、72年あたりが、麦芽、樽のアドバンテージにより、キースの当たり年の一つと言えるのかもしれません。

1970年蒸留の中でもこのウイスキーフェアのキースは、度数が高いこともあって時間経過でもへたれず、強い樽香を受け止めています。
口開けはチーズのような妙な乳酸感が強く、面白いけどぱっとしない。その時点でのテイスティングなら、高い評価はつかなかったボトルでした。この時ちょうど持ち寄り会をしていて、みんなの反応も「フーン」だったような。
それが開封から約2年半、徐々にフルーツが出始め、そしてここまで開くとは…。 
今がまさにピークという感じ、香りもさることながら、味わいが絶妙な開き具合です。
評価は★7か★8で悩みましたが、伸び代の評価でギリギリ★8とします。

同時期にリリースが集中した1970のキースは、妻が気に入っていたため自宅ストックのみならず色々飲んできました。
フェア、MOS、TWA、SS…その中でも、このキースがランキング急上昇。70キースの中でベストボトルだと思います。
こういうボトルは、改めてみんなの感想を聞いてみたいですね。




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