ラフロイグ 30年 リミテッドエディション 2016 53.5%

カテゴリ:
LAPHROAIG
Aged 30 years
Limited Edition 2016's
Distilled 1985
Cask type ex-bourbon barrels
700ml 53.5%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
場所:BAR飲み
時期:開封直後
暫定評価:★★★★★★★(7)

香り:焦げたピートのスモーキーさ、淀みのない香り立ちで勢いがある。ヨードや塩素、バニラ、時間経過で柑橘、ドライパイナップル、ややエステリーでハーブのアクセント。乾いたウッディネスのスパイシーさも感じられる。

味:香り同様に勢いがあり、フレッシュでフルーティ。グレープフルーツ、オレンジママレード、淡いトロピカル要素。奥からピートのほろ苦くスモーキーな味わいがしっかり。ナッツと乾いた麦芽、スパイスの刺激。
余韻はスモーキーでフルーティー。ハイトーンでオークの華やかさとウッディなドライさが長く残る。

長熟ラフロイグらしいフルーティーでピーティーなキャラクターがしっかりとある魅力的な1本。枯れた感じの少ないフレッシュさ、度数相応のアタックが開封直後は硬さにも繋がっている印象。
少量加水すると華やかさは増すが、思ったよりボディが伸びずピートもぼやけてしまう。時間をかけてじっくりと楽しみたい。

順番が逆になりましたが、昨年2016年にリリースされたラフロイグのリミテッドエディションです。
リフィルのバーボンバレルで30年熟成させた複数樽をバッティングした、シングルモルトのカスクストレングス。長期熟成オフィシャルのカスクストレングスで、この度数というのも近年珍しい仕様ですが、それ以上にバーボンバレルのみで30年熟成はボトラーズでもすっかり見なくなりました。

バーボン樽熟成とあって近年仕様のラフロイグを象徴するような、あるいは目指す姿の一つを見るような1本。
シェリー樽のニュアンスがない分、逆に樽感にキレがあり、全体を通しての華やかさやフレッシュさが強調されている一方、それが飲み口の硬さにも繋がっているようにも感じます。
例えばここで25年などに使われているリフィルシェリー樽やホグスヘッドなどが使われて入れば、もっとマイルドでコクのある味わいになったかもしれません。ただ、それは時としていい意味でも悪い意味でもオフィシャルバッティング的な味わいとなり、主張のはっきりとしたキャラクターになるかは別だと感じます。

言わば塩で味付けた料理(特にスープ類)に醤油を入れるようなモノですね。
このリミテッドリリースがそうした複数種類の樽を使ってこなかったのは、単に原酒の選定上そうなっただけとは思えず、作り手側に何か狙いがあったのかと感じてしまいます。
前年の32年がこの逆、複数タイプの樽を使って総合的に旨くレベルの高いボトルを出してきているだけになおのこと。

ちなみに今年リリースされた2017とはキャラクターは同系統ですが、樽使いの傾向の違いもあって、30、27、25で好みが分かれるなという印象です。
自分の好みとしては、樽感がストレートに感じられる30年はもう少し時間を置きたい。27年はバランスが良いものの、度数の低さ故勢いにはかけるのであまり時間はかけないほうがいい。とすると面白みは乏しくとも、毎年度リリースされている25年の安定感は流石だなぁとか感じています。

シャトー カントナック ブラウン 14% メドック格付第3級

カテゴリ:

CHATEAU CANTENAC BROWN 1980

CRU CLASSE EN 1855

MARGAUX

750ml 14%


セット買いしたリキュールについてきたワイン。カントナックは神の雫効果か、日本市場で扱いの多い銘柄で、自分も名前だけは知っていました。


この銘柄は、近年こそ品質の向上が目覚ましいが、古いものに見るところは少なく、特に1960〜70年代はバッドビンテージであるとパーカーさんあたりが言ってるとか。

1980年代も特筆して評価された記録はなく、あるのはこの1980年から所有者がレミーマルタンに変わったということくらいです。(ここからワインの作りが軽くなったという話も。)

品種はカベルネ主体、飲み頃は2000年ごろまで。今回の1本は既に10年以上オーバーしている古酒であるだけでなく、入手がオークションの抱き合わせ品ですから、状態含めまったく期待していませんでした(笑)

ま、レストランのグラスワインレベルで楽しませてくれれば良いよーってくらいに考えていた訳です。


 

届いてから1週間程度縦置きして、オリを沈めて抜栓。グズグズかと思えば意外とコルクがしっかりしていて、色合いもオレンジ系の中に赤みや透明感があって見た感じは期待出来そうです。


注ぎたては長期熟成らしく落ち着きのあるきめ細やかなタンニンや焙煎香、アーモンド、胡桃の皮、少し埃っぽいような古い家具、果実香はあまり開いていない。

30分~1時間くらい経つと蜜っぽい甘みと酸味、プラム、カシスソース、徐々に赤い果実を連想させるアロマ。

口当たりはまろやかで濃厚、余韻は柔らかいタンニンが重なるように残る。


最初はちょっと逝ってるかな?と思い警戒しましたが、全然飲めるレベル。思ったほど過熟という感じもしないですね。

ただ特段華やかというわけでも、果実味がしっかりあるわけでもなく、たぶん元からそういう系統でガッチガチだった赤が、時間経過でまろやかになったという感じ。ピークはもっと甘みが立ってきたのだろうと思うのですが、逆に拒絶されるような要素はなく、生ハム、煮込みハンバーグなど「塩気や酸味」を伴う肉料理との相性が抜群でした。



あれ、これってテーブルワイン以上に楽しませてもらったんじゃないか?w

ラベルは日焼けしてる感じはなく、一部水分で退色したような汚れ具合。飲んでるうちに見えてきたラベル裏は、酒石酸?の蓄積した後もあり、恐らく地下倉庫かセラーかで保管されていたワインが、何かのきっかけで最後の1~2年流れてしまった感じかなと推察。

ちゃんと飲んで介錯できてよかったです。


最近ウイスキー愛好家だけでなく、ウイスキーに興味を持たれたワイン愛好家の方々が、当方のブログを読んでウイスキーテイスティングや購入の参考にされているという話を聞き。また、先日紹介したカーサのアパッシメントなど、ウイスキー愛好家の方からデイリーワインで愛飲するようになったなんて話も伺いました。

どちらの意味でも門戸を広げることに貢献出来ているのは嬉しいことですね。

そんなわけで、今日は逆に自分がワインの投稿です。

ワインのジャンルはわからないことだらけですが、周囲にその筋の方々も多いので、いろいろ教えて貰えたらいいなと思っています。


ニッカウイスキー 宮城峡 蒸留所限定 ブレンデッドウイスキー 40%

カテゴリ:
NIKKA WHISKY
MIYAGIKYO
Limited Blended Whisky
2017's
500ml 40%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
場所:個人宅&自宅
時期:開封後1週間以内
評価:★★★★★(5)

香り:フレッシュで爽やかなアロマ、ツンとした刺激、林檎、レモングラスを感じる若いモルティーさ。ほんの微かに硫黄も漂ってくる。

味:甘みと水っぽさ、少しピリピリした刺激のある口当たり。レモンバウム、クラッカー、ほろ苦い味わい。余韻はドライであっさりとしている。

爽やかで若いウイスキー。若さに伴う嫌味な部分は少なく、スイスイ飲めてしまう飲みやすさと万人向けの味わいがある。ストレート以外に様々な飲み方で楽しめそう。


今年の7月にリニューアルした、ニッカの蒸留所限定ブレンデッドウイスキー。先日は余市蒸留所限定品を紹介したところ、今回は宮城峡蒸留所の限定品。
友人宅での持ち寄り会に参加した際に、ブラインドで出題された1本です。

結論から言うと、ブラインドはほぼ完璧に正解しました。ヤングエイジの宮城峡主体ブレンデッド回答で、違ったのは度数を43%指定にしたくらい。
若い宮城峡の爽やかながら刺激も伴う味わいに通じる要素があり、それでいて余市のブレンデッドよりもはっきりとしたグレーンのニュアンス。余市、宮城峡の両銘柄にはオフィシャルスタンダードの個性を備えつつ、ブレンデッドとしての飲みやすさもある共通した構成が感じられました。

ブラインドで飲んでいる最中には、シェリー感を主体的に感じ、硫黄感と合わせて銘柄特定のポイントとなりましたが、改めて飲むとそこまでシェリーという感じでもないですね。
一般市場向けのニッカ製品でこういうキャラクターのものはないですから、蒸留所限定の8年か新製品か。飲んだことのないボトルでしたが、熟成感からジャパニーズとして絞り込めるかがテイスティングの鍵だったと感じます。

と、こんな感じでいつもならブラインドテイスティングとしてまとめるところですが、今回は使ったグラスが少々特殊で、しかもテイスティング後の食事用となる餃子を作りながらブラインドもするという、テイスティングに適しているとは言い難い状況だったため、落ち着いてから改めていつものグラスでテイスティングしています。


「くりりんさんは放っておくと当たっちゃうからハンデね。」として渡されたグラスがこちらの「お猪口」。
なんでも由緒正しい伝統あるお猪口らしいですが・・・その形状よろしく、ウイスキーでは致命的に香りが立たないので、香りから入って舌で味わうというルーティンは不可。また、サイズも10ml注げるかというくらい小さいもので、一口二口に集中していかなければなりません。

つまり口に含んだ味わいと、鼻抜けの香りで判断するブラインドであるわけですが、これがかなりいい経験になりました。
ブラインドでそもそも先入観がないところ、香りでもイメージが作れないままいきなり舌で判断するわけですから、今回のボトルのようにシェリー感を強めに拾ったり、通常のテイスティングと誤差のある部分とない部分がこういう形で出てくるんだなと。
今後は定期的にこういうスタイルでも飲んで、舌からくるイメージも測っておきたいです。



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