ジョニーウォーカー 18年 ゴールドラベル 1990年代流通 43%

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JOHNNIE WALKER 
GOLD LABEL 
Aged 18 years 
1990-2000's 
750ml 43% 

グラス:国際企画テイスティンググラス
場所:お酒の美術館 神田店
時期:開封後1週間程度
評価:★★★★★★(5ー6)

香り:柔らかいスモーキーさと、杏や蜂蜜梅、奥にはみたらし、熟成した角のとれたウッディネスと乾燥した植物っぽさも伴う。

味:マイルドで穏やかなコクがあるが、後半にかけてウッディなえぐみと軽い引っ掛かりの感じられる口当たり。薄めた蜂蜜、林檎、あんずジャム、徐々に干し草や乾いたウッディネス。余韻はピーティーでしっとりとしたスモーキーさに、角のとれた酸味と軽いえぐみを伴う。

熟成した原酒のマイルドな口当たり、フレーバーの広がりから、1990年代以降のジョニーウォーカー味といえる、軽い酸とウッディなえぐみ、そしてカリラやタリスカーを思わせるピーティーさが特徴の1本。ボディはやや軽めであり、ストレートよりもハイボールがオススメ。出来れば濃いめで。

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1990年代後半、1992年から15年熟成でリリースされていたジョニーウォーカーゴールドラベルが、18年に熟成年数を上げてリニューアルした、その最初のラベルデザイン。近年では2012年にプラチナにブランド名を変えた後、ノンエイジ表記の上位グレードとしてゴールドラベル・リザーブがリリースされています。

ゴールドラベルのキーモルトはクライヌリッシュとされており、裏ラベルにもそれが書かれています。しかしこのボトルも近年のそれも、熟成したクライヌリッシュのスムーズでワクシーなモルティーさや、厚みのあるボディ感はグレーンで引き算されて分かりにくく。むしろ個人的には、タリスカーやカリラの個性のほうが感じやすいように思えます。
以前現行品をブラインドで出されたとき、タリスカーベースで大手が頑張ってそうな何かって答えてしまったのが、悔しい思い出だったりするほど(汗)

さて、ジョニーウォーカーの各ブランドは、1990年前後のラベルチェンジで、80年代までの濃厚な甘さとコク、スモーキーな味わいからボディが軽くなり、樽感に酸味と軽いえぐみを伴うような構成にシリーズ全体でシフトしていく傾向があり。この時代のゴールドラベルにも、ほぼ同様の特徴が備わっています。
蒸留時期を振り替えると1960~1970年代には、ブランドを所有するDCL傘下の蒸留所で規模拡大や製造効率化のための改修工事が行われているのですが、その影響が1990年代にかけて徐々に出てきたのかもしれません。加えてDCLからUDにシフトしたことでの、作り手側の販売戦略の変化や、スコッチ業界全体での樽不足もあるのでしょう。
この特徴が近年のジョニーウォーカーに至るまで変わらないキャラクターになっており、時代時代のボトルを飲み比べると、1980年代後半から1990年代にかけて大きな動きがあったことがハッキリとわかります。

何がトリガーとなっているのかは、複合的すぎてハッキリと断定出来ないのが悔しいところではありますが。。。その経緯を推察しながらあーだこーだと飲み進めるのも、オールドボトルの楽しみ方ですね。

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追記:ここのところ更新が途切れ気味です。純粋に仕事が詰まってたところに出張やイベントが重なって、落ち着いて記事を書けなかったのです。後はあまりの暑さで飲む気がしないってのも。。。ちなみに今は家族旅行中。暫くこんな感じで不定期になりますが、そのうちまたいつもの感じに戻りますので、よろしくお願いします。

963 ボンズ(BONDS)ブレンデッドモルト 46% 福島県南酒販

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BONDS
963 WHISKY
FINE BLENDED MALT
Produced by Fukushima-KenNan-Shuhan
700ml 46%

グラス:SK2
場所:自宅
時期:開封後1週間程度
評価:★★★★★(5ー6)

香り:ウッディで焦げたような樽香がトップノートにあり、あわせて熟成したモルティーさ、キャラメルアーモンド、オレンジなどの柑橘の酸、微かにレモングラス。濃いめの樽感の中にオーキーで華やかなニュアンスも感じられる。

味:マイルドな口当たりから、焼き芋のような甘味、キャラメルの焦げたほろ苦さを伴うウッディネス。香り同様に若い原酒の酸と徐々にスパイシーな刺激を伴う。余韻はドライでほろ苦い中に、熟成した内陸系のモルティーさ、フルーティーな香味も顔を出す。

熟成した華やかな内陸系モルトと若い原酒、それらが日本で追加熟成を経たことによるウッディさが合わさった、複雑さのあるブレンドである。少し焦げ感もあるのは、原酒の一部がリチャー済みの古樽での熟成だったからか。この後半のウッディさがなければ、ただのバルクブレンドだっただろう。

(1ヶ月程度経過後)
樽感が落ち着き、逆にオーキーな内陸原酒のフルーティーさが味わいの中で感じやすくなった。また、蜜っぽい甘味も感じられる。

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福島県南酒販がリリースするウイスキーブランド、963シリーズの新ラインナップとして発売された1本。元々963ブランドは、カスクストレングスのNA、ブレンデッドモルト8年、最長熟成の21年と段階的にリリースされてきたところ、確保していた原酒の切り替わりに伴い、この3銘柄の仕様をリニューアルしたというのが経緯のようです。

今回レビューするブレンデッドモルトのBONDS(ボンズ)と、同じく新発売のブレンデッドウイスキーAXIS(アクシス)は、これまでと異なり双方NAかつ加水仕様でリリースされています。

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 (上位グレードのBONDSとエントリーグレードのAXIS。AXISの方が熟成が若く、奥行きはそれほどないが、全体をまとめるように樽感が濃く加水も効いている。この焦げっぽい樽感が最近の963シリーズに度々見られるが、ブレンダーの好みだろうか。)

話が少し逸れますが、ここ数年で・・・輸入原酒を使った各メーカーからのウイスキーのリリースが本当に増えました。日本で蒸留していないなどけしからん、なんて高校野球に清廉潔白を求めるような盲目的なことを言うつもりはありませんが、そのウイスキー作りに信念はあるのか、と疑問符がつくメーカーは少なくありません。(西のM社が目立っていますが、最近は関東の某T社なども目を疑うような・・・)

クラフトメーカーのリリースが、大手に比べて割高になるのはある程度仕方ありません。
加えて大手ほど多種多様な原酒がないなかで、オリジナリティーを確立していかなければならないのも、作り手が苦労するところでしょう。ピーティーな原酒を調達して変化をつける、樽でフィニッシュをかける、それぞれ選択肢が限られてくる、悩ましい状況であるのは言うまでもなく。
ただ、そのなかでも自社の味を確立しようというメーカーの姿勢が重要なのだと自分は考えています。そうして蓄積したノウハウが、何年かののち、第2第3の響に繋がるのだとも思うのです。

福島県南酒販のリリースするブレンドの個性を整理すると、自社貯蔵の期間を一定期間儲けることで焦げたような独特なウッディネスが付与されており、ここ最近の同社の特徴として感じられます。
例えばそれがより強く出ているのが、963ダブルマチュアード。同社の貯蔵庫では輸入原酒でも日本に買い付けてから2年、3年と経過したものが出番を待っており、この963シリーズもまだまだ発展途上ですが、ブレンダーがシリーズを通じて表現したいキャラクターは、感じることが出来たように思います。

ちなみにBONDSの原酒構成を香味から推察すると、10~15年熟成程度のバーボン樽熟成の内陸系原酒が華やかなフルーティーさを備えたものを主体に、5~8年程度の若い原酒も使われている模様。ともすればアンバランスになりがちな各原酒同士の繋がりを、樽由来の要素と加水で抑えたような、モルト100%でありながら飲みやすく仕上げた作りだと感じています。

グレンリベット 15年 2003-2019 GMコニッサーズチョイス 59.4%

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GLENLIVET
GORDON & MACPHAIL 
Slected by the WHISKY EXCHANGE 
Aged 15 years
Distilled 2003
Bottled 2019
Cask type Refill Bourbon Barrel #18/091
700ml 59.4%

グラス:木村硝子テイスティング
時期:開封直後
評価:★★★★★★(6)

【ブラインドテイスティング回答】
地域:スペイサイド
蒸留所:グレンリベット
年数:15年程度
樽:バーボンバレル
度数:60%程度

香り:華やかでオーキーだが、ドライで強いアタックを伴う。乾いた木材や干し草、洋梨、微かにシトラスを思わせる柑橘感も伴う。

味:香り同様の華やかな構成かつ、ハイプルーフらしいアタックの強さを感じるドライな口当たり。余韻はウッディでスパイシー、ひりつくような刺激と共に、オーキーでバニラや花梨、微かにハーブのアクセントも感じる。

開封直後もあってか、華やかなウッディさ以上にドライなアタックが強く、強くヒリつくような刺激がネック。しかし加水するとそれらがまとまり、林檎や熟したバナナ、バニラなどのあまやかさとフルーティーさが際立つだけでなく、余韻にかけて柔らかいコクも感じられるようになる。近年でも良い樽、良い熟成を経たリベットらしさだろう。少量加水か、開封後年単位で時間をおいてどうぞ。


先日、ウイスキー仲間との持ち寄り兼ブラインドテイスティング会で出題された4本のうちの1つ。このグレンリベットはウイスキーエクスチェンジで販売されている限定ボトルですが、熟成年数で1年若い類似スペックのものは日本に入荷していました。(以下、画像参照)

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イベントでのブラインドはGMグレンバーギー22年、ベンリアック16年マディラフィニッシュ、OMCボウモア21年、GMCCグレンリベット15年と1990年代以降蒸留の判定が難しいスペイサイド多めのラインナップでしたが、4銘柄中後半2銘柄は蒸留所まで正解。残る2本も地域や系統は大きく外さず、及第点といったテイスティングが出来ました。(狙ったわけではないですが、自分の出題は宮城峡蒸留所限定の旧ボトル、スペイサイド続きの中ではちょっと性格悪いかなと思いきや、普通に正解者も居たのでひと安心です。)

これら4本のなかで一番印象深かったのが、今回紹介するグレンリベット。近年のグレンリベットは酒質の軽さ、ドライさが目立ってきており、特にオフィシャル12年をはじめ味が落ちたなんて評価も聞こえてくるところ。最近のウイスキーの傾向として、酒質がライトになってきたところに、樽感もファーストフィル以外にセカンド、サードが増えてかなと、物足りなさを覚えていたのは事実です。

一方で今回のボトルもストレートではだいぶ硬さが目立ちますが、少量加水したところ林檎を思わせるオーキーなフルーティーさがぐっと前に出てGOOD。ちょっと前のオフィシャル系統というか、良い樽使えば充分美味しいじゃないかと本来のポテンシャルを感じることが出来ました。
どうせなら日本入荷した上記のボトルも試してみたいですね。

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