ノブクリーク シングルバレル 60% ジムビーム クラフトバーボン

カテゴリ:
IMG_20190307_212349
KOB CREEK 
SINGLE BARREL RESERVE 
Kentucky Straight Bourbon Whisky 
Aged 9 years 
750ml 60% 

グラス:サントリーテイスティンググラス
場所:日比谷BAR 
時期:不明
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:ウッディでスパイシーなアロマ。チャーオーク、バニラ、少し焦げたチョコレートクッキーのような甘み。微かにダークフルーツを思わせるアクセントも。力強い香り立ち。

味:メローでメープルシロップやワッフルを思わせる甘味、ほのかにドライクランベリーやチェリーの酸味も伴う口当たり。度数故の強いアタックが余韻にかけて存在感を増し、樽材由来のえぐみを少々感じつつ、ウッディでひりつくようなフィニッシュが仄かな焦げ感と共に長く続く。

ネガティブ要素の少ない熟成感で、パワフルなバーボンだ。少量加水すると少し果実味は減るが、樽と原料由来のバニラの要素がわかりやすい。またキャラメルポップコーンのような甘みと軽い香ばしさも感じられる。
5000円以内でオススメ出来るバーボンの一つ。


ジムビーム蒸留所がリリースするプレミアムブランド。クラフトバーボンの中で、最長熟成品が9年熟成のノブクリークです。
以前はスモールバッチシリーズとして、ブッカーズらと共に少量生産、マスターディスティラーこだわりの逸品を売りにしていましたが、いつの間にかブランド戦略を変更したようです。(知らなかった・・・w)

現在、ノブクリークは限定品を除くとスタンダード、ライベース、そしてシングルバレルの3種があり、全て19世紀の旧連邦アルコール法のボトルド・イン・ボンド(通称・ボンデッド)の区分に基づき50%以上の度数でボトリングされています。
このボンデッドは、現在は廃案になった区分で特段遵守する義務はないのですが、現在のストレートバーボンよりも厳しい基準であることから、一部の銘柄で高品質なバーボンの証明のような位置付けで掲げられています。ノブクリークにはボンデッド表記はありませんが、これこそバーボン本来の姿であるとして、禁酒法前後のバーボンに見られた平べったい形のボトルデザインが採用されています。


さて、今回のノブクリーク・シングルバレルは読んで字の如く単一樽からボトリングされたもの。つまり、60%以下に度数が下がってしまった原酒は弾かれるため、50%加水のオフィシャル通常品より選定条件が一段階厳しいということになります。ノブクリークはバレルエントリーが62.5%。マッシュビルもシングルバレルはスタンダード品と同じ、コーン75%、ライ13%、モルト12%とのことで、純粋に熟成の違いが原酒の選定を左右している模様。)

度数が高い分ボディも厚く樽香もリッチで、通常品で多少感じられるえぐみのような要素は隠れており、しっかりとパンチがある中に、メローで熟成由来のドライフルーツを思わせる甘酸っぱい香味も纏った味わいが感じられる。シングルバレルのほうはイベントでの試飲程度しかしてきませんでしたが、ちゃんとテイスティングしてこれは充分に美味しいバーボンだと感じました。
近年、この5000円以内の価格帯でオススメ出来るバーボンが少なくなって来てきており、今回のテイスティングで、50%未満の加水区分ならターキー13年、ハイプルーフゾーンではこのノブクリーク・シングルバレルが筆頭だなと、個人的な評価を更新した次第。今度家飲み用に1本買ってみたいと思います。

ニッカウイスキー 鶴 1990年代流通 43% 陶器ボトル

カテゴリ:
IMG_20190311_225029
NIKKA WHISKY 
TSURU 
Blended Whisky 
1990's (1996's) 
750ml 43% 

グラス:国際企画テイスティンググラス
時期:開封後2ヶ月程度
場所:お酒の美術館 神田店
評価:★★★★★★(6)

香り:スモーキーでピーティー、色の濃い蜂蜜と乾いた麦芽香、干し草、新樽由来の樹皮を思わせる無骨なオーキーさ。ほのかに熟成したパイナップルを思わせる黄色系のフルーティーなアクセントも感じられる。

味:しっとりとした口当たり。軽い香ばしさにピーティーなほろ苦さ。樽感が少し軽いが、奥には香り同様の熟したようなフルーティーさ、シロップ系の甘みがあり、存在感のあるスモーキーさが余韻にかけて鼻孔に抜けていく。

経年か原酒由来か、多少香味が軽く香り立ちもエレガントとは言い難いところはあるが、全体的にはモルティーで熟成感も適度。スモーキーなフレーバーがらしさに通じており、これはこれで充分美味しい。


今は亡きニッカウイスキーのブレンデッドウイスキーのハイエンドクラス。白い陶器ボトルはノリタケ製。1976年、宮城峡蒸留所の二期工事完了を記念すると共に、竹鶴政孝存命中にリリースされたことから、同氏最後の作品(遺作)とも言われているリリースです。

時代の流れで多くのリリースが消えていくなか、1989年の酒税法改正、そしてその後のウイスキー冬の時代にも販売は継続。2006年には17年熟成表記に切り替わり、2015年のニッカショックで終売になるまでトータル約40年間販売されていた、ニッカのブレンデッドの看板にして、ロングセラーと言うべき商品かもしれません。
(終売後は蒸留所限定品として、ノンエイジ品が再度リリースされていますが、通常品ではないので別物という整理。ただし特別な銘柄であることは事実です。)

今回レビューする酒税法改正後の1990年代流通品は、後述する2000年代のものに比べると少し樽香が薄いと言いますか、仕上がりが軽い感じがしますが、それでも良くできたブレンデッドだと思います。
香味から余市モルト由来と思われる、しっかりとピーティーなフレーバーが感じられるのは勿論。モルト、グレーン共に最低熟成年数が他のグレードより長いものを使っているのでしょう。同時期にリリースされていたスーパーニッカプレミアムやザ・ブレンドらのミドルグレード以上のブレンデッドと比べても、香味の繋がりが良くバランスがとれているのです。

自分はこのブレンデッド鶴の、ニッカらしい主張の強いピートや酒質を、熟成感と樽感でまとめたような強い味わいがツボで、ブーム前の安かった時期は随分飲みました。
特に2000年代あたりの流通品は上記の特徴がピークに達していると言え、同じ17年熟成の響と比較して、華やかでオリエンタルな多層的なアロマの響と、スモーキーかつ力強い樽香を伴う鶴で、間違いなく本場スコットランドを凌駕する2つのタイプのブレンデッドウイスキーだったと感じています。

竹鶴との名称差が少ないことやジャンルの重複、ブランド戦略で影は薄かったですが、それ故近年の評価は至極全うと言えるものと思います。
ただどちらもすでに販売されていない状況には、冬の時代をどうにかしようと(特にニッカが)背伸びしすぎていた味わいだったのかなとも。久々に飲みましたが、懐かしくも、そして美味しいウイスキーでした。


グレンロセス 39年 1969-2008 GM 43%

カテゴリ:
IMG_20190308_021951
THE MACPHAIL'S COLLECTION
GLENROTHES
Aged 38-39years
Distilled 1969
Bottled 2008
700ml 43%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
時期:開封後1週間程度
場所:自宅
評価:★★★★★★(6ー7)

香り:濃厚でしっとりとした甘い香り立ち。カラメルソース、レーズンや微かにベリー系の要素も感じられる角のとれたウッディネス。古いウェアハウスのような落ち着いたアロマでもある。

味:マイルドな口当たり。こってりとしたカラメルソースを思わせる甘みから、中間は若干のウッディな渋味はあるが圧殺されて変化に乏しく、酒質そのものは大分軽い。余韻はダークフルーツやキャラメルソースの酸味と熟した果実、濃厚な甘み。タンニンが染み込むようにビターでウッディなフィニッシュ。

まさにGMシェリーという、カラメルソースのような味わいがこてこてのモルト。香りは素晴らしく文句なく★7ですが、味は元々の酒質の繊細さが加水で慣らされてるところに、樽由来の要素も加わって圧殺されて変化に乏しい。甘みも少々くどいが、シガーと合わせるにはちょうど良い。


今となっては懐かしいボトル。まさにこのボトルがリリースされた10年前は、このシリーズ含めGMのリリースは普通に店頭にあって、愛好家からは「え、GM加水なんて買うの?」「安パイすぎじゃね?」って言われるくらいの位置付けだったように記憶しています。

というのもGMの60年代蒸留で、ストラスアイラやグレングラントなどの長熟リリースは、大多数がカラメルをがっつり添加したような印象を受ける同じような味(通称・GMシェリー味※)がして、大きく外れない代わりに変化に乏しいのが、安定感という点で良さでもあり、弱点でもあったわけです。
※カラメルは味がしないため、実際はカラメル添加の影響というより、樽の処理や入手先に違いがあるのだと推察。

一方、このGMが大量にリリースしていたシェリー系の香味は、1980年代後半辺りの蒸留時期から急に数が減っており、今ではほとんど見なくなってしまいました。
そのため、最近飲み始めた人だとGMシェリー味と言われてもピンと来ないか、加水の緩いリフィルシェリーって方が該当してしまうかもしれません。

この樽使いの系統が1980年代を境に変わった背景を推察すると、自分の考えは以下の2点。
使用済みシェリー樽に、シェリー濃縮液をリンスする、パハレテ樽が1989年に禁止されたため、入手できなくなったという可能性。
そしてもう一つがこちらも1989年、クリーム・シェリーの業界最大手ジョン・ハーヴェイ社の製造拠点が、イギリスからポルトガルに移った(あとは需要が減った)ことで、スペインからの輸送・保管用の樽が不要となり、手に入らなくなったという可能性です。
今となっては真相は闇のなかですが、GM シェリー味の妙に甘みが強く、べたつくような特徴的な味わいという特徴と、近年見かけることが少なくなったという流通状況(樽が入手できなくなった)という条件から、どちらも矛盾はありません

この系統のリリースは個人的に、味はそこまで好みではないものの、時々無性に飲みたくなります。
特に今回のグレンロセスは、元々酒質が繊細で厚みがあるわけではないため、完全にGM味に上塗りされてしまっています。これがロングモーンとかだと余韻に酒質由来の熟したようなフルーティーさが出て、十分美味しいんんですけどね。
そんなわけで暫くは癒し系寝酒として楽しもうと思います。


以下、雑談。
今回のボトルは、先日仲間内での持ちより会用に開封した1本。遠方から来る友人が、この手の味を好きだったのでチョイス。懐かしく、グスイスイ飲めるのでたまには悪くない。
その他、低温調理のローストビーフの差し入れがあるとのことだったので、赤ワインも1本。マルチアーノ・アボーナのバローロはベリーなどの果実香が素晴らしく、熟成を経て角も取れており、良い買い物だったなと思います。

気心知れた仲間との、雑な飲み会という位置付けでの招聘でしたが、気がつけばウイスキーも結構凄いラインナップ。
大いに飲み食いし、わいわい騒いで、充実した時間を過ごすことができました。
お酒が醸す人の繋がり。やはり良いですね。

このページのトップヘ

見出し画像
×