タリスカー ストーム 45.8% シビハイにもオススメ

カテゴリ:
IMG_4552
TALISKER
STORM
700ml 45.8%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
場所:自宅
時期:開封後2週間程度
評価:★★★★★(5ー6)

香り:焦げたような香ばしさ、スパイシーでちくちくと鼻腔を刺激する。ドライオレンジ、じわじわと塩素、奥から甘いヨードのようなアロマも感じられる。

味:とろりとしたコクが感じられた後ですぐにスパイシーな刺激、酸味を伴うオレンジ、黒コショウ、荒さのある構成。余韻は焦げた麦芽や木材のようなニュアンス、舌の上に残る塩気、ほろ苦くピーティーでスモーキー。

酒質由来の香味がメイン、安心して飲めるデイリーモルト。加水すると麦芽香が開いてくる反面、味わいは水っぽさがすぐに出てしまう。半端に加水するくらいなら思い切ってハイボール。 
ペッパーハイボールも良いが、最近当ブログイチオシの「四川山椒のシビハイ」とも当然相性は良い。 

※シビハイについてはこちら
http://whiskywarehouse.blog.jp/archives/1066753705.html

IMG_4479

タリスカー蒸留所のあるスカイ島。不毛の地、荒れやすい気候、波打つ海の飛沫が舞う。
"ストーム"はそうした風土によって得られるとされる潮の香りと、原酒由来の個性である黒コショウを思わせる味わいをさらに濃く、強調するように仕上げた1本。
メーカーPRでは「タリスカーの理想の味わい」とされており、確かに飲んでみるとそうしたキャラクターが感じられます。

樽構成は3rdフィルくらいの比較的プレーンなモノを中心に、チャー済みの焦げ感と甘みを出すように仕上げたリフィル樽での短熟がアクセントしょうか。
香り、味共に淡い酸味を伴うピーティーさ、そうした酒質由来のキャラクターを出しやすいようにプレーンな樽を中心に熟成した原酒をチョイスしていると思われます。
この辺は10年にも共通する要素であると共に、タリスカーに限らずディアジオの最近のリリースによく見られる構成です。

また、スパイシーで荒々しさが甘みや焦げ感と共に感じられるのは、タリスカーのキャラクターもさる事ながら、比較的若い原酒にチャーオークで樽感を付与し、その原酒をブレンドすることで狙った味わいを作り上げているためと考えられます。
作り手のタリスカーのハウススタイルに関するイメージ、解釈が、こうした原酒構成にあらわれているんでしょうね。 



ちなみに、タリスカー蒸留所の原酒のうち、スカイ島の貯蔵庫で熟成されるのはごく一部。それ以外のほとんどがスコットランド本土にある大規模な集中熟成庫に送られ、その他ディアジオ傘下の蒸留所の原酒と共に熟成されています。
集中熟成庫の場所は公開されていなかったと記憶していますが、Google先生のお力で空から覗いて見ると。。。エジンバラの近く、フォース川のほとり、緑豊かな景色の中に明らかに異質な倉庫群が(笑)

かつて効率化から、各蒸留所のフロアモルティングを廃止し、モルトスターでの精麦に切り替えたのはディアジオの前身たるDCL社でした。
そして現在は熟成場所による個性の違いは大きく無いという結論に行き着いたのか、集中熟成庫による原酒管理が行われています。
ただ、今回のボトルは塩気やスパイシーさなど、蒸留所のキャラクターをPRしている中で、果たしてどちらで熟成された原酒なのか・・・ そして内地で熟成されているならば、この塩気はどこからくるのか。熟成環境に関する疑問は尽きません。

ボウモア 19年 1998-2017 アイラフェス2017向け 54.3%

カテゴリ:
IMG_4551
BOWMORE
THE FEIS ILE COLLECTION 2017
Aged 19 years
Distilled 1998
Bottled 2017
Cask type 1st fill Sherry punchon
700ml 54.3%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
場所:自宅(借り物@マッスルKさん)
時期:開封後1ヶ月未満
評価:★★★★★★(6)(!)

香り:リッチでバタークリームのような濃厚な甘さを感じる香り立ち。スワリングするとレーズンやドライクランベリーの酸味、あわせてほのかにゴムっぽい癖、焦げた木材のような苦味、煙っぽさもある。

味:ややベタつきのある甘く濃厚な口当たり。ピリピリとしたハイプルーフらしい刺激と共に、レーズンバター、魚介系ダシ、たまり醤油、中間から焦げた木材やキャラメリゼのほろ苦さとスモーキーさが開く。
余韻はスモーキーで徐々に口内の水分が奪われドライに。ドライプルーン、アーモンド、ゴムっぽさとダシ系のニュアンスのまま長く続く 。

ねっとりと濃厚で甘いシェリー感の奥にスモーキーフレーバー。圧殺気味だが、近年リリースの中ではシェリー感に特筆すべき点がある。 
一口目は良いが、途中で水か、パンか、何かを間に挟むことで美味しさが継続する。時間経過で果実味が香りに開くようでもあり、開封後の変化も見逃せない。 飲み方はストレート、あるいは極少量の加水で。加水するとシェリー感のバランスが良くなると共に塩気が感じやすくなる。


アイラフェス2017を記念し、ボウモアからボトリングされた1本。熟成庫はお約束のヴォルトNo.1。フェスに参加した現地組関係からの情報で、前評判の高かったボトルでもあります。
その中身は非常に濃厚なシェリー系で、ベリーやレーズンなどの果実味を伴う部分が好印象。香木感はそれ程出ていませんが、この濃厚さはスパニッシュオークのカスクでしょう。
こうしたカスクがボウモアに限らず増えてくるのは、シェリー樽好きにはたまらなく嬉しいことでもあります。

一方でこのシェリー感、なるほどこれは確かに、と納得する部分でありつつも、ボウモアらしさとも言えるフルーティーさは圧殺気味。1998年、99年蒸留のボウモアは樽と合わせてフルーティーさが強くでる傾向にあるのですが、そうした酒質との バランスでは少々アンバランスだと感じました。
この辺は飲み手がボウモアに求める姿、キャラクターや見解の相違もあります。自分の感覚では厚化粧しすぎかなという印象でしたが、基本的には美味しいボトルなので、高く評価される方も多いでしょう。例えばモルトマニアックスでの高評価は待った無しだと思います(笑)。


ボトラーズ含めボウモア全体のリリースを見ていると、80年代に比べ、90年代のボウモアにはシェリーカスクが増えているように思います。
あくまで推測ですが、サントリー山崎など、シェリーカスクでこうした濃厚なタイプが多くありますから、樽の出どころとして同資本だけに共通するところがあったのかもしれません。

ただ、一部に共通するのが硫黄とは違うゴムのような癖を伴うケース。このボトルも例に漏れず、そのキャラクターが若干感じられます。
恐らく、樽の香味としてはそこまでゴム系ではないのでしょうけれど、ボウモアのピートやヨードなどのニュアンスがシェリー樽のウッディさと組み合わさって、そう認識されてしまうのかなと思います。

余談ですが、ボウモアのアイラフェスボトルはハンドフィルでその場で詰めて販売していたそうですが、今年はボトリング後のものが販売されていたとのこと。 
まあハンドフィルと言いつつそうした体制で販売している蒸留所も少なからずありますから、時間が短縮出来るのは良いこととしても、自分の手で詰められないのはちょっと寂しいですね。



ピンウィニー 1970年代流通 特級表記 43%

カテゴリ:
IMG_4427
PINWINNIE
Royal Scotch Whisky 
No Age 
1970's
760ml 43%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
量:30ml程度
場所:個人宅持ち寄り会@O氏
時期:不明
暫定評価:★★★★★(5)

香り:軽やかな香り立ち。ミントを思わせる爽やかなアロマ、ハッカ、スワリングするとクラッカーのような穀物感も開いてくる。

味:香り同様軽い口当たり。ざらつきのある紙っぽさ、淡く鼈甲飴のような古酒感、焼き芋を思わせる穀物感のある甘みが広がる。
余韻にかけてハッカの爽やかさ、スムーズでスッキリとしている。

爽やかで軽やか、若干紙っぽさは混じるが、基本的にはライトで繊細なタイプのブレンデッド。構成原酒のキャラクターからすれば順当な仕上がりとも言える。
持ち主いわくハイボーラー、この爽やかさは確かに。 


ピンウィニーは、インバーハウス社が製造していたブレンデッド。
1970年代発売の初期品はNA、その後1970年代後期から1980年代にかけて、Ⅻと12年表記と仕様を変えながらリリースを継続していたようです。

インバーハウスと言えば、グリーンのトールボトルのブレンデッド「インバーハウス」が普及価格帯にあり、所有蒸留所としてプルトニー、バルメナック、バルブレア、スペイバーンらが知られるところですが、これらの蒸留所は1990年代の買収劇により取得したもの。
同社は1980年代(正式には1988年に当時の親会社からの独立)を境にそのスタイルを大きく変えており、今回紹介する1970年代のそれは全く別物と言えます。

この当時のインバーハウス系列製品のキーモルトは、グレンフラグラー、キリーロッホ、アイルブレイ、ガーンヒース(グレーン)。。。今は亡き複合巨大蒸留所モファットで作られたタイプの異なる原酒と、ローランドのブラドノック蒸留所。
キリーロッホはノンピートでローランドタイプ、グレンフラグラーはハイランドタイプ、アイルブレイはヘビーピートでアイラ系統の整理して製造していたようです。
味わいはテイスティングの通り非常にライトでピート香もほぼ無いことから、その中でもキリーロッホ、グレンフラグラーが主体だったと考えられます。
実際、以下のグレンフラグラーにも共通するニュアンスが感じられました。


インバーハウス社の設立は1964年、当時はアメリカ資本を母体に持つ企業。アメリカ市場でウケていたライトタイプのブレンドに照準を合わせていたため、当時の原酒構成はこのようなローランドタイプで軽い味わいになったものと思われます。

モファット蒸留所では創業の1965年から先述の3タイプの原酒を製造したものの、キリーロッホとアイルブレイを1970年代始めに生産停止。ライトなハイランドモルトであるグレンフラグラー一本に絞るとともに、ほぼ同時期にローランドのブラドノックを買収。生産の効率化とみられる手段を取っています。
また、1980年代にウイスキー冬の時代が来ると、これらをバッサリ休止し、手放しているのも、主観ではありますがドライで効率的な"らしい"思考だなぁと感じてしまいます。

ブレンデッドは様々な原酒、つまりは蒸留所や会社が関わっているため、こうした企業側からのアプローチを調べてみるのも面白いですね。

このページのトップヘ

見出し画像
×